ナツメ
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「ナツメ」のその他の用法については「ナツメ (曖昧さ回避)」をご覧ください。

ナツメ
ナツメ
分類APG IV

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 angiosperms
階級なし:真正双子葉類 eudicots
階級なし:バラ類 rosids
:バラ目 Rosales
:クロウメモドキ科 Rhamnaceae
:ナツメ属 Ziziphus
:ナツメ Z. jujuba

学名
標準: Ziziphus jujuba Mill. var. inermis (Bunge) Rehder (1922)[1],
広義: Ziziphus jujuba Mill. (1768)[2]
シノニム


Ziziphus zizyphus (L.) H.Karst. (1882)[3]

和名
ナツメ(棗)
英名
(Common) Jujube,
Chinese date
Ziziphus zizyphus唱歌に詠われた水師営のナツメの木(乃木邸内)

ナツメ(棗[4]学名: Ziziphus jujuba または Ziziphus jujuba var. inermis)は、クロウメモドキ科落葉小高木である。和名は夏に入って芽が出ること(夏芽)に由来する[5][6]。中国植物名(漢名)は、棗(そう)という[6]英語ではjujube[7] またはChinese date(中国のナツメヤシ)という。

果実は乾燥させたり(干しなつめ)、菓子材料として食用にされ、また生薬としても用いられる。

ナツメヤシヤシ科単子葉植物で果実が似ていることから。またナツメグニクズク属樹木ニクズクの種子でありそれぞれ別種。
学名

1753年 -
カール・フォン・リンネが Rhamnus zizyphus として記載。

1768年 - フィリップ・ミラーが Ziziphus jujuba[7]として記載。クロウメモドキ属 (Rhamnus) から分離したので、新しい属名としてリンネによる種小名を属名に昇格(ただしおそらくは何らかの間違いで1文字変わった)させ、トートニム(属名と種小名を同じにすること)は植物命名では認められないため新たに種小名をつけた。

1882年 - ヘルマン・カールステンが Ziziphus zizyphus として記載。Ziziphus と zizyphus は1文字違うのでトートニムにはならず、リンネのつけた種小名が引き続き有効であることを指摘した。

特徴

南ヨーロッパ原産、中国西アジアへ伝わり、中国北部の原産ともいわれている[8][9][10]。日本への渡来は奈良時代以前とされていて[5]、6世紀後半の遺跡から果実の核が出土している[10]。野生状態のものもあるが、主には栽培されている[11]。日本では古くから栽培されてきたが、現在では公園や街路[4]、まれに庭などに植えられる[6]

落葉広葉樹の小高木で、樹高は5メートル (m) ほどになる[4]対生するが、なかには棘がないものもある[11]。葉の出る時期は遅く、和名の由来ともなっている[4]。若い苗でも根が太く、茎には鋭い棘がある[4]は小枝に互生して、羽状複葉のようにも見える[11]葉身は卵形で落葉樹ではめずらしく強い光沢があり[11]、3本の葉脈が目立つ[10][4]

花期は初夏(6月ごろ)で、は淡緑色や黄色で小さく目立たず、葉腋に数個ずつつける[11][10]果実核果で、長さ2 - 3センチメートル (cm) ほどの卵形か長楕円形または球形で、果皮はなめらか、中に1個の種子が入る[11]。熟すと暗紅色になり、落葉後も枝に残り[10]、次第に乾燥してしわができる(英語名のとおりナツメヤシの果実に似る)。種子の発芽率は極めて高く、親木の周囲には子苗がたくさん生じる[4]

同属は多く熱帯から亜熱帯に分布し、ナツメ以外にも食用にされるものはあるが、ナツメが最も寒さに強い。
栽培

日当たりが良く、排水が良いところであれば土質を選ばないため栽培しやすい[11]。繁殖は実生または株分けで行われる[11]
利用

果実はビタミン豊富で食用や薬用になる[10]。樹木は庭木などに利用される。木材としては、硬く、使い込むことで色艶が増す事から、高級工芸品(茶入れ、器具、仏具家具)等に使われている。その他、ヴァイオリンのフィッティング(ペグ、テイルピース、顎当て、エンドピン)にも使われている。比重としてはツゲ黒檀の中間程度。
食用

果実は果皮が少しだけ茶色になったころが食べごろで、その時点では黄白色の果肉が詰まっていて、リンゴのような味がして美味である[4]


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