『ナチュラル・ウーマン』は、松浦理英子の小説。1994年に『ナチュラル ウーマン』のタイトルで映画化された。本項ではこれらに加え、映画のリメイク作品となる『ナチュラル・ウーマン2010』についても併せて扱う。
タイトルは1967年に発表された同名の楽曲(アレサ・フランクリン)に由来し、1994年版映画の主題歌に使われている。 漫画家の容子、その恋人であった花世、夕記子、由梨子の恋愛物語。 大学生の容子と花世の恋愛と別れを描いた表題作「ナチュラル・ウーマン」、花世との再会、夕記子との恋愛と別れ、由梨子との新しい恋の予感を描いた「いちばん長い午後」、由梨子との旅行を描いた「微熱休暇」の3つの物語からなるが、順番は「いちばん長い午後」「微熱休暇」「ナチュラル・ウーマン」に並べ替えられている。 松浦自身が「傑作」「間違いなく何物かである小説」と自賛する作品だが、発売当初は中上健次など一部からの評価を除いてほぼ無視され、商業的にも成功しなかった。 1987年にトレヴィルより出版、のち1991年に河出書房新社から河出文庫、さらに同社より新版が発売されている。1994年には映画化もされ、2010年には『ナチュラル・ウーマン2010』というタイトルで再映画化されている。 ナチュラル ウーマン 嶋村かおり主演による初映画化作品。タイトルは原作と異なり、中黒「・」なしの『ナチュラル ウーマン』。原作者の松浦自身も脚本で参加している。VHSは1995年8月4日にリリースされ、タイトル表記は原作同様に『ナチュラル・ウーマン』となっている。2003年4月25日には「ナチュラル」と「ウーマン」を区切らない『ナチュラルウーマン』のタイトル表記でDVDが発売された。原作を忠実に映画化したわけではなく、かなりの部分が異なっている。 ナチュラル・ウーマン2010 『ナチュラル・ウーマン2010』のタイトルで再映画化されたリメイク作品。4月17日にシアターイメージフォーラムにて独占公開。上映時間は1時間44分。監督はグラビア写真家の野村誠一。キャラクターの設定や科白は大幅に変更され、主人公の職業もフォトグラファーとなっていたり、原作においてラディカルに掘りさげられたジェンダーやセクシャリティの問題も描かれてはいない。また、原作において重要な場面はほとんど使用されておらず、映画オリジナルの場面が過半を占め、なかばオリジナル作品的な仕上がりとなっている。 作者の松浦は「正直、欠点も数多い映画」と厳しい意見を寄せた一方で、容子と花世の別れた理由について「この映画は一つの説得力ある解釈を示している」とコメントを寄せ、キャストおよびスタッフに感謝の意を示している[1]。 2010年8月27日にDVDが発売され、1994年版とのセット版である『ナチュラル・ウーマン2010+1994』も同日発売された。
概要
登場人物
村田容子(私)
主人公で語り手。同人誌での活躍を経てプロの漫画家になる。
諸凪花世
『ナチュラル・ウーマン』『いちばん長い午後』に登場。容子の同人誌時代の仲間で、激しい恋愛関係に陥る。容子と別れたあと、親戚が経営するマンション「諸凪ハイツ」内の喫茶店で働く。天才的な漫画の才能を持っている。
森沢由梨子
『いちばん長い午後』『微熱休暇』に登場。容子のアルバイト仲間だったが、テキスタイルの経験があったことから容子のアシスタントになる。快活な性格で容子を魅了する。
夕記子
『いちばん長い午後』に登場。国際線のスチュワーデスだが、行く国行く国すべてを嫌いになる。容子と恋愛関係になる。
圭以子
『ナチュラル・ウーマン』に登場。容子の同人誌時代の仲間。容子と花世の恋愛を見守り応援する。
映画
1994年版
監督佐々木浩久
脚本松浦理英子
佐々木浩久
原作松浦理英子
出演者嶋村かおり
緒川たまき
音楽梅林茂
撮影渡部眞
編集掛須秀一
製作会社ケイエスエス
配給ケイエスエス
公開1994年12月17日
上映時間83分
製作国 日本
言語日本語
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ストーリー
清掃員のアルバイトをしている漫画家の村田容子は、同じアルバイトの由梨子に惹かれている。だが容子は、自殺したかつての恋人・花世のことを忘れられずにいた。
キャスト
村田容子:嶋村かおり
諸凪花世:緒川たまき
沢口セリ:西島敬雅
園田圭以子:山本美雪
森沢由梨子:中島ひろ子
平山編集長:本田博太郎
福沢洋介:利重剛
風に乗ってくる男:石橋凌
スタッフ
原作:松浦理英子
監督:佐々木浩久
脚本:松浦理英子・佐々木浩久
撮影監督:渡部眞
編集:掛須秀一
美術:金田克美
音楽監督 : 梅林茂
音楽作曲 : 岡村みどり
プロデューサー:石田幸一、仙頭武則、小林広司
協賛:アビッドジャパン
製作協力:WOWOW
主題歌
アレサ・フランクリン「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」
2010年版
監督野村誠一
脚本木浦里央
原作松浦理英子
出演者亜矢乃
汐見ゆかり
音楽遠藤浩二
撮影大沢佳子
編集目見田健
製作会社softgarage
配給ゴー・シネマ
公開2010年4月17日
上映時間104分
製作国 日本
言語日本語
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キャスト
村田容子:亜矢乃
諸凪花世:汐見ゆかり
森沢由梨子:英玲奈
園田圭以子:木下あゆ美
辻:村田雄浩
スタッフ
監督・撮影監督:野村誠一
原作:松浦理英子
企画:伊藤靖浩
総監修:伊藤秀裕
脚本:木浦里央
プロデューサー:堤昇一
音楽:遠藤浩二
ラインプロデューサー:鷲頭政充
撮影:大沢佳子
照明:金沢正夫
録音:沼田和夫
美術:大庭勇人
編集:目見田健
音響効果:丹雄二
助監督:佃謙介
制作担当:野崎竜一
製作:softgarage
配給:ゴー・シネマ
キャッチコピー
新しい自分に出会いたい、と願うすべての人に贈る愛と別れの物語
女性にしかワカラナイ別れがある
脚注^ ⇒リメイク版公式サイトでの作者紹介コメントより。
外部リンク
⇒ナチュラル・ウーマン2010公式サイト
1994年版
⇒1994年版 - KINENOTE
1994年版 - IMDb(英語)
ナチュラル・ウーマン2010 - allcinema
⇒ナチュラル・ウーマン2010 - KINENOTE
ナチュラル・ウーマン2010 - IMDb(英語)
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