「うさこちゃん」はこの項目へ転送されています。その他のうさこについては「うさこ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
アムステルダムのナインチェグッズ専門店。ガラス窓右方に「NIJNTJE」の文字が見える。
ミッフィー(英: Miffy
)はウサギの女の子のキャラクターである。オランダのグラフィックデザイナー、ディック・ブルーナが描いた絵本のキャラクターで、日本では「うさこちゃん」の名前でも知られる。原語のオランダ語でのキャラクター名はナインチェ・プラウス(蘭: Nijntje Pluis, [?n?int?? ?pl?ys])。
2017年2月時点で、絵本の日本国内シリーズ累計発行部数は5,000万部を[1]、全世界シリーズ累計発行部数は8,500万部をそれぞれ突破している[1]。
誕生ディック・ブルーナの出身地であるユトレヒト市内にあるナインチェ広場には、次男マルクが制作したナインチェの像が建てられているロッテルダムのヨーロッパ名声の歩道(オランダ語版)に展示されていたディック・ブルーナの手形
作者のブルーナは、アンリ・マティスやフェルナン・レジェに影響を受け[2]、オランダの抽象美術運動「デ・ステイル」の傾向を色濃く受け継ぐ画家志望の青年だった[3]。しかし結婚にともない1952年7月から父親が経営するA・W・ブルーナ&ズーン社(以下、ブルーナ社)の正社員となり[4]、フルタイムのデザイナーとしてシンプルな色遣いと印象的なデザインを用いて同社の刊行するミステリ小説のレーベル「ブラック・ベア」シリーズの装幀やポスターなどを大量に手がけていた[5][6][7]。そして、1950年代当時には文章が中心で挿し絵も絵画調の絵作りが当然とされていた児童向けの絵本に、自分のデザインと同様の、シンプルで抽象化された描線と形、原色の色づかい[注釈 1]、余白を生かしたデザイン手法を持ち込み[9]、擬人化された動物たちの日常生活を描写した絵本を作成し、その主人公のウサギに、オランダ語で小ウサギを意味する Nijntje [注釈 2]という名前を与えた。
こうしてミッフィーは1955年6月にブルーナ社発行の絵本『NINTJE(ちいさなうさこちゃん)』として初めて世に出たが、当初のデザインは顔や視線が読者の方を向いておらず耳も斜めなど、現在デザインとは大きく異なる見た目だった[10][11]。また、絵本そのものの形状も長方形で、ページにおける絵と文章の配置ものちのシリーズとは違っていた[12]。