ドローン(古希: Δ?λων, Dol?n)は、ギリシア神話の人物である。長母音を省略してドロンとも表記される。トロイア人エウメーデースの子[1]、あるいはエウメーロスの子[2]。トロイア戦争で戦ったトロイアの戦士。
『イーリアス』2日目の夜、ヘクトールが兵士たちにギリシア軍の偵察する者を求めたとき、ドローンはアキレウスの戦車と馬を報酬にもらうという条件で買って出た。そこでドローンは毛皮をまとってギリシアの陣地に向かったが、その夜、ギリシア軍もディオメーデースとオデュッセウスをトロイア軍の偵察に向かわせた。ドローンは自分に気がついたディオメーデースとオデュッセウスが近くに身を潜めていることに気づかずに通り過ぎ、背後から襲われた。ドローンはギリシア軍の方向に逃げて陣地にもぐりこもうとしたが捕らえられ、トロイアの援軍のあらゆる情報を明かした後で殺された。ディオメーデースとオデュッセウスはドローンの武具を剥いでアテーナーに捧げ、ドローンの情報に従ってトロイアの救援にやってきたばかりのトラーキアの武将レーソスを討った[1]。
なお、エウリーピデースの悲劇『レーソス』では、ドローンがしゃべったのはヘクトールの寝床の場所で、レーソスの情報をもたらしたのはアテーナーとなっている。
脚注^ a b 『イーリアス』10巻。
^ アポロドーロス、摘要(E)4・4。
参考文献.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、ドローン (ギリシア神話)に関連するカテゴリがあります。
『ギリシア悲劇IV エウリピデス(下)』「レーソス」柳沼重剛訳、ちくま文庫(1986年)
ホメロス『イリアス(上)』松平千秋訳、岩波文庫(1992年)
高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店(1960年)
総司令官
アガメムノーン
武将
アイアース(オイレウスの子)
アイアース(テラモーンの子)
アウトメドーン
アガペーノール
アキレウス
アスカラポス
アムピマコス
アルキメドーン
アルキモス
アルケシラーオス
アンティポス
アンティロコス
イアルメノス
イードメネウス
エウケーノール
エウドーロス
エウネーオス
エウメーロス
エウリュアロス
エウリュバテース
エウリュピュロス
エピストロポス
エペイオス
エペイゲウス
エレペーノール
オデュッセウス
オルティロコス
カルカース