ドリアン・グレイの肖像
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

「ドリアン・グレイ」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「ドリアン・グレイ (曖昧さ回避)」をご覧ください。

ドリアン・グレイの肖像
The Picture of Dorian Gray
初出誌『リッピンコット』
作者オスカー・ワイルド
発表形態雑誌掲載
初出情報
初出『リッピンコット』(Lippincott's Monthly Magazine)1890年7月
刊本情報
出版年月日1891年
日本語訳
訳者西村孝次福田恆存
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
テンプレートを表示

『ドリアン・グレイの肖像』(ドリアン・グレイのしょうぞう、The Picture of Dorian Gray、1890年)は、オスカー・ワイルド唯一の長編小説(novel)作品。
ストーリー

友人の画家バジルのモデルとなった美青年ドリアン・グレイは、逆説家ヘンリー卿が紡ぎ出す自分の若さと美への賞賛、及び奔放な生活こそ最高の芸術だとする言葉に酔わされ、バジルの描いた肖像画を前にして、肖像画のほうが歳をとればいいのにと言いだす。

ヘンリー卿の言うとおりの生き方を始めたドリアンは、若い舞台女優シビルと恋に落ち婚約をする。しかし本当の恋を知ったため平凡な女優に成り下がってしまったシビルをドリアンは幻滅し捨ててしまう。その日、ドリアンはバジルから貰い受けた自分の肖像画が醜くなっていたのを見て驚く。シビルが自殺したのにヘンリー卿とオペラを見に行くドリアンをバジルは非難し、例の肖像画に変わったことはなかったかと問う。図星をつかれて驚いたドリアンは肖像画を屋根裏部屋に隠す。

それから20年後、バジルは、ドリアンの奔放な官能主義に関するうわさの真偽を確かめるため、彼の家を訪ねた。ドリアンは噂を否定せず、自分の正体を見せると言って例の肖像画を見せる。醜く変貌した肖像画を見て責めるバジルをドリアンは逆上し殺してしまい、その死体の始末を、かつて悪徳を共有したがゆえの弱みを握っている科学者に強いる。

罪におののくドリアンは麻薬に溺れアヘン窟に出入りするようになり、そこである男に殺されそうになる。それは姉の仇をとらんとしていたシビルの弟ジェイムズだった。ジェイムズはドリアンの若さを見て人違いを謝るが、直後ドリアンがふしぎと老いないことを聞き知り、郊外で催されたパーティーまでドリアンを追いかけてくる。しかしジェイムズはそこで兎狩りの誤射により死ぬ。

安堵したドリアンは心を入れ替えようとするが、ヘンリー卿に一笑に付される。いよいよ醜悪になった肖像画を見てドリアンは、改心も偽善と好奇だけのことではないかと思う。この肖像画こそ自分の良心だと知ったドリアンは絵を破壊せんとする。悲鳴を聞いて駆けつけた者らが見たのは、美青年の肖像画と醜い老人の死に姿だった。
登場人物
ドリアン・グレイ
金髪碧眼の美青年。
バジル・ホールウォード
ドリアンの肖像画を描いた画家。
ヘンリー・ウォットン(愛称:ハリー)
バジルの友人で、逆説的見識を持っている。その言葉に惑わされてドリアンは悪徳を重ねていく。
シビル・ヴェイン
小劇場の女優。
ジェイムズ・ヴェイン
シビルの弟。
アラン・キャンベル
ドリアンとかつて悪徳の行為を共にした科学者。
ロード・ファーマー
ヘンリーの叔父。
ビクトリア
ヘンリーの妻。
映画
1945年 - 『ドリアン・グレイの肖像』(The Picture of Dorian Gray)


製作:アメリカ

監督:アルバート・リューイン


出演

ドリアン・グレイ:ハード・ハットフィールド

ヘンリー・ウォットン:ジョージ・サンダース

グラディス・ホールウォード:ドナ・リード

シビル・ヴェイン:アンジェラ・ランズベリー

デイヴィッド・ストーン:ピーター・ローフォード

バジル・ホールウォード:ローウェル・ギルモア

ジェームズ・ヴェイン:リチャード・フレイザー

アレン・キャンベル:ダグラス・ウォルトン


1970年 - 『ドリアン・グレイ/美しき肖像』(The Secret of Dorian Gray)


製作:イギリス

監督:マッシモ・ダラマーノ

出演

ドリアン・グレイ:ヘルムート・バーガー

バジル・ホールウォード:リチャード・トッド

ヘンリー・ウォットン:ハーバート・ロム

シビル・ヴェイン:マリー・リシュダール

グェンドリン・ウォットン:マーガレット・リー

アリス・キャンベル:マリア・ローム

アドリアンヌ:ベリル・カニンガム

ラクストン夫人:イザ・ミランダ

エスター・クルーストン:エレオノーラ・ロッシ・ドラゴ

アラン・キャンベル:レナート・ロマーノ

ジェームズ・ヴェイン:スチュワート・ブラック


2009年 - 『ドリアン・グレイ』(Dorian Gray)


製作:イギリス

監督:オリヴァー・パーカー

出演

ドリアン・グレイ:ベン・バーンズ(日本語吹替:中尾智

ヘンリー・ウォットン:コリン・ファース(日本語吹替:西垣俊作

シビル・ヴェイン:レイチェル・ハード=ウッド(日本語吹替:結城飛鳥

エミリー・ウォットン:レベッカ・ホール(日本語吹替:野々山恵梨

レディー ヴィクトリア・ウォットン:エミリア・フォックス

バジル・ホールウォード:ベン・チャップリン(日本語吹替:菊池康弘

アガタ:フィオナ・ショウ

レディー ラドリー:キャロライン・グッドール

アラン・キャンベル:ダグラス・ヘンショール

ジェイムズ・ヴェイン:ジョニー・ハリス

ヴィクター:ピップ・トーレンス

劇場主:デビット・スティーム

カロリーヌ・ヴァネット:トーラ・シェフィールド

セリア・ラドリー:ジョー・ウッドクック

アンジェリーク:ルイス・ローズ(日本語吹替:中野友貴)


テレビドラマ


1976年 - 『ドラマ・ドリアングレイの肖像』(BBC Play of the Month-The Picture of Dorian Gray) - 日本未放映。


製作:イギリス

監督:ジョン・コリー


出演

ピーター・ファース

ジョン・ギールグッド


1982年 - 『美女ドリアン・グレイの秘密<別題:幻想(まぼろし)のドリアン・グレイ>』(The Sins of Dorian Gray)


製作:アメリカ

監督:トニー・メイラム

出演

ベリンダ・バウアー

アンソニー・パーキンス

ジョセフ・ボトムズ

オルガ・カルラトス


舞台
日本での上演作品
1996年版

同名タイトルで宝塚歌劇団星組によって舞台化作品が上演され、1996年9月19日 - 30日に宝塚バウホール、1997年1月22日 - 29日に日本青年館で上演された。作・演出は中村暁
主な配役


ドリアン・グレイ:紫吹淳

シビル・ヴェイン/ヘティ(二役):月影瞳

ヘンリー・ウォットン卿:湖月わたる

バジル・ホールウォード:久城彬

2009年版

2009年8月21日 -31日には世田谷パブリックシアターにて上演。構成。脚本はG2、演出は鈴木勝秀。主演は山本耕史[1]
主な配役


ドリアン・グレイ - 山本耕史

シビル・ヴェイン - 須藤温子

ヘンリー・ウォットン - 加納幸和

ジェームズ・ヴェイン - 米村亮太朗

バジル・ホールウォード -伊達暁

2015年版


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:35 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef