ドライアイ
概要
診療科眼科学
分類および外部参照情報
ICD-10H19.3
ドライアイ(Dry eye, Keratoconjunctivitis sicca)は、眼疾患の一つ。「ドライアイは,さまざまな要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがある」と定義されている[1]。涙の量が少なくなったり、成分が変化することにより、眼球の表面が乾燥し、傷や障害が生じる病気。 以下の症状が発生する[2]。 角膜上の涙液は、油層、水層、粘液(ムチン)層で構成され、いずれかの要素が欠乏しても安定性が崩れドライアイとなる[3]。 主にテレビ、コンピュータの画面を見る行為等による目の酷使、冷暖房による空気の乾燥化、コンタクトレンズの装着により発生が増加するといわれる。 コンピュータ作業(VDT作業)によるドライアイは、画面を凝視し瞬きの回数が減少することによると考えられている。また、コンタクト装着によるドライアイのうち、ソフトコンタクトレンズでは表面から涙液の蒸発量が増すため症状を引き起こす[3]。 現代人は目を酷使することが多く、一般的なオフィスでは約30%がドライアイと言われる。コンタクトレンズを装着していると、その率は約40%とさらに上がる。 薬や他の病気によって症状がでることもある。代表的な病因は以下のとおり[3]。 患者背景や、以下のことを参考に診断する。 また最近ではドライアイの自動診断装置(TSAS)を使い、10秒ほどで診断が出来るようになった。 今までは5分以上かかる上に、ろ紙を目に挟むなど患者の痛みを伴ったり、目に触れない場合でも医師の主観が入るなどの課題があった。それを改良するため、角膜上に広がる涙の層が薄くなって拡散する様子を測定することで、ドライアイかどうかを判定できる手法も開発されている。 ドライアイの診断基準試験法等判定広義ドライアイ[1]シェーグレン症候群[4] ドライアイの中で涙液分泌量が正常でBUTの短縮の見られるものが多分に含まれ、また角結膜上皮障害の有無に関わらずBUT短縮型でも同様に眼不快感、視機能異常をもたらすため、広義ドライアイの診断基準からこれらの検査は外された。一方で涙液分泌の絶対量が低下するシェーグレン症候群の診断のためには、シルマー試験が重要であり、BUTは参考所見となる。ドライアイの患者は涙液に特定のたんぱく質を含むことが知られる[5]。 また最近では、ジクアホソルナトリウム この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方) イヌやネコやウサギもドライアイになることが知られている。点眼治療が一般的であるが、獣医師の判断でピロカルピンなどの経口投与も行われている。ウサギはその特性により動物実験に使用される(ドレイズ試験)[8][9]。
症状
目がゴロゴロする
光がまぶしい
目の痛み
視界がかすむ
10秒間以上目をあけていられない
目の乾き
目が重たくなる
視力の低下
結膜炎など、目の感染症にかかりやすくなる
糸状の目やに
ストレスがかかったときに泣けない。
病態と発生
主な病因
油層の異常:マイボーム腺の機能不全
水層の異常:シェーグレン症候群
粘液(ムチン)層の異常:スティーブンス・ジョンソン症候群、眼類天疱瘡
レーシック術後3カ月くらいは、起きるとされる。
診断
涙液の産生量低下
涙液の蒸発量の上昇
角結膜の異常(角膜上のキズなど)
診断基準
1.自覚症状眼不快感、視機能異常あり○?
2.涙液涙液層破壊時間(BUT)5秒以下○参考
シルマー試験第I法5mm以下参考○
3.角結膜上皮障害フルオレセイン染色スコア(9点満点)3点以上いずれかを
満たすもの参考○
ローズベンガル染色スコア(9点満点)3点以上参考○
リサミングリーン染色スコア(9点満点)3点以上参考参考
治療
涙に近い成分の人工涙液
ヒアルロン酸が主成分の目薬を点眼する。
シクロスポリンが含まれる点眼薬を使用する[2]。
コンタクトレンズを装着している場合は、コンタクトレンズ用の目薬を使用する。
涙点プラグを装着する。
IPL治療を行う。
予防.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}
出典検索?: "ドライアイ"
長時間のデスクワークを避け、毎時間おきに目を休める。目を静かに瞑り、蒸しタオルをかけるとよい。
加湿器や濡れタオルなどで湿度を上げる。特に冬場の暖房使用時には乾燥を避ける。
意識してまばたきをする。
エアコンの風が直接当たる場所での作業を避ける。
タバコの煙を避ける。
パソコンのモニタはOAフィルターを使用し、室内照明や日光の映り込みを避け、自分の目の高さより低い位置に設置する。
コンタクトレンズの使用時間を短くする。パソコン使用時にはなるべくコンタクトレンズを外す。
ヒト以外のドライアイ
脚注^ a b “ ⇒日本のドライアイの定義と診断基準の改訂(2016 年版)” (PDF). 2018年6月12日閲覧。
^ a b “Facts About Dry Eye
^ a b c 工藤かんな、島ア潤「病気について知りたい!臨床講座1:ドライアイ」『PharmaTribune』2009年、1巻、1号、p28-32