ドラえもん_のび太と雲の王国
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ドラえもん > 大長編ドラえもん > ドラえもん のび太と雲の王国

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ドラえもん
のび太と雲の王国
Doraemon:
Nobita and the Kingdom of Clouds
監督芝山努
脚本藤子・F・不二雄
原作藤子・F・不二雄
製作総指揮藤子・F・不二雄
出演者レギュラー
大山のぶ代
小原乃梨子
野村道子
たてかべ和也
肝付兼太
ゲスト
伊藤美紀
村山明
小林清志
音楽菊池俊輔
主題歌雲がゆくのは…/武田鉄矢
編集岡安肇
制作会社シンエイ動画
製作会社シンエイ動画
テレビ朝日
小学館
配給東宝
公開 1992年3月7日
上映時間97分
製作国 日本
言語日本語
配給収入16億8000万円[1]
前作ドラえもん のび太のドラビアンナイト
次作ドラえもん のび太とブリキの迷宮
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『ドラえもん のび太と雲の王国』(ドラえもん のびたとくものおうこく)は、藤子・F・不二雄によって執筆され、『月刊コロコロコミック1991年10月号から1992年1月号に掲載された大長編ドラえもんの1作品、および、この作品を元に1992年3月7日に公開されたドラえもん映画作品である。大長編シリーズ第12作目、映画シリーズ第13作目に当たる。またコロコロコミック創刊15周年記念作品でもある。

第10回ゴールデングロス賞優秀銀賞受賞作[2]。同時上映は『21エモン 宇宙いけ! 裸足のプリンセス』『トキメキソーラーくるまによん』。
概要

原作は藤子・F・不二雄で、映画版では製作総指揮・脚本も務めた。地上人の環境破壊への報復として、地上文明を大洪水によって滅亡させようと計画する天上人と、それを阻止しようとするドラえもんとのび太達の戦いを描いた作品。環境破壊に対する「自然の怒り」を天上人という概念を介して描いている。

月刊コロコロコミック』連載時は藤子の体調不良のため、ラスト2回が描かれず、藤子プロによる絵物語「のび太と雲の王国 完全ビジュアル版イラストストーリー」が掲載された。自身の都合により連載を終えられなかった藤子は『(結末は)漫画で描かなきゃ意味がない』という思いが強く[3]、その後の1994年3月、『ドラえもんクラブ』に完結篇が掲載され、映画上映から2年を経て原作は正式に完結を迎えた。このため、原作の単行本は次回作『ドラえもん のび太とブリキの迷宮』のそれよりも後に発売された。絵物語と映画版とでは結末がやや異なる(例として絵物語ではドラえもんが重体になっていない、ドラえもんの頭突きは存在しないなど)。監督の芝山努は完結篇が映画版を踏襲した内容となっていた事が嬉しかったとしている[4]

シリーズで初めて、主人公であるドラえもんが故障するという危機的状況が描かれた。その後のシリーズ作品でも何度かドラえもんが故障することがある[注 1]。また、未確定の未来として描写されているものの、人類の文明世界が滅亡した描写が明確になっているのも本作が唯一である。

テレビ朝日版の放送開始以来、野比のび助を演じてきた加藤正之が公開1年後に降板・死去したため、本作は加藤が出演した最後のドラえもん映画となった。

大長編の中でも、通常漫画と大長編が完全にリンクしているという、稀有な特徴がある。かつてゲストとして登場したキャラクター達が、天上人に関わる形で登場している。映画内でもテレビアニメの映像を引用・流用している。
あらすじ

難破して無人島で助けを待つ少年とその家族は「すぐに船でこの島を離れろ。さもなくば大雨によってこの島は消滅する」という何者かの警告を受ける。しかしどの道、船など無く「雨なんか降るものか」と思ったが、実際にその夜、実際に島を覆うような黒雲が大雨を降らせ、島が溶けて流れてしまった。

同じ頃、雲の上には天国があると信じてそれをからかわれたのび太にドラえもんはありもしないものを探すより、実際に自分たちで雲の上に天国(理想の王国)を作ろうと提案する。雲かためガスと雲を均す雲ローラー、雲人形を動かせるロボッター、雲ブロックを作る工事機、芝生や苔に川も作り始める。そんなおり、まるで大洪水で流されてきたような木々が海に浮いているのを見つけて調査してみるが、海底は島の上の方だけちょん切ったように不自然に浅かった。その時、のび太が落雷に襲われ転落する。それはやけに低い雷雲であった。雲に戻ると苔が伸び始めているが、城の工事は遅々として進んでいない。しかし人手を増やそうにも、工事機もロボッターも安いものでなくこのままでは完成に2?3年もかかってしまう。その日の夕食時、たまたまパパから株式会社の仕組みを聞いたのび太はその夜、友人たちから出資を募る「株式王国」というアイデアを閃く。これによって集めた資金で雲の王国を完成させ、楽しいひと時を過ごすドラえもん達。しかし、突如として王国が地震のように揺れた。いつの間にか気流に流された王国が槍ヶ岳の頂上に引っかかってしまったらしい。そこで吹き荒ぶ極寒の山中にて謎の巨大亀(のび太曰く「ミミガメ」)とその背中に乗ったまま意識を失った少年に遭遇する。治療を施した少年はまだ意識が戻らないものの、明日には目が覚めるだろうと帰宅した5人。その夜調べてみると、あの巨大亀は6千年前、人類に刈り尽くされた絶滅動物「グリプトドン」の生き残りであったことが判明する。

後日、王国へ行くと少年の姿は無かった。消えた少年を探す為に、ごはんの匂いを放つ迷子探し機を設置して彼が戻ってくるのを待つことになったが、その間にジャイアンとスネ夫が揉め事を起こし、のび太はそれを制止する。のび太が身につけている雲の国王冠は、王国内に限り他人に命令できる機能があったのだ。一方、王国内にいれば確実に探し出せるはずの迷子探し機の甲斐も無く、あの少年は戻ってくる気配はない。一行はあのグリプトドンに手掛かりを求め、再び槍ヶ岳へ向かったが、探せども見つける気配がない。やがて頂上にあったはずの王国が消えていることに気付く。どうやら風で流されてしまったらしい。一行は王国を探すうち、豊かな自然に恵まれ地上では絶滅した動物が多数生息する謎の雲に迷い込む。そこは本物の「天上人」が住む「天上世界」の「絶滅動物保護州」であり、保護管理員のパルパルとグリオに出会う。王国から少年を連れ出したのは彼女らだった。友好的な態度のパルパルに連れられて管理施設を案内されるが、その実、彼女もグリオと同じく、地上人には警戒心と偏見を持っており、一行を大人しく帰す気はなかった。5人は食事を摂って宿泊施設で夜を明かすことになったが、鍵を掛けられ監禁されていた[注 2]。その待遇に不快感を持った5人は脱出を図るもタケコプターで飛行中、黒雲の落雷に見舞われる。しずか達3人はパルパルとグリオに保護され、天上世界の首都「中央州」へと案内されることになった。一方ののび太は飛行スカーフがボロボロになって飛行不可になり、合流したドラえもんも昨夜の雷でコンピュータがやられてしまっていた。途方に暮れるのび太だが、保護州にて以前助けた小人・ドンジャラ村のホイと再会する。彼らが移住していたはずのアマゾン奥地も開発が進み、天上人に保護されていたのだ。ホイの助けを受け、追っ手の円盤から隠れつつ、湖を見つけてネッシーに乗って向こう岸へ渡る。

一方、中央州を案内されたしずか達は天上人の自然への意識の高さを知り、しずかは素直に関心したものの、ジャイアンとスネ夫は警戒心を解かない。逆に彼らの上から目線が気に入らないとして不信感を強め、何かを企んでいるのではないかと勘繰る。その後、天上人の創世神話となる映画の鑑賞をする。それは、天上人の祖先たる王が地上の楽園を別の2人の王の戦争で追われ、雲の上に逃れた後に楽園を築いたということ。そして雲の上をも狙った2人の王は大雨によって地表ごと洗い流されたという内容だった。映画が終わった頃、ドラえもん達は王国から消えた少年タガロの住む村へと到着し、彼と再会する。タガロの一家は海難事故によって無人島で暮らしていたが、天上人によって島の動植物ごと天上世界へと連れてこられたという。そしてタガロは天上人への不信感から脱走を試み、その結果、吹雪で低体温症に陥ってしまったらしい。そこをドラえもん達に助けられたのだった。彼らの協力を得て一緒に脱出しようとするも、同行すれば指輪の発信機により捕まってしまうという。そこで成功を祈ると託し、ドラえもん達はホイの手綱を巨大なコンドルに付けて飛び立った。

しずか達はその後、地上の大気汚染に苦しむ天上界が大雨を降らせて地上文明の世界を洗い流すノア計画を実行しようとしていることを、パルパルより聞かされる。地上人や動植物はあらかじめ避難させるというが、このままでは何もかもなくなってしまう。しずか達は計画の実行を決める最後の審判へ地上人代表として法廷に立つことになる。


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