ドッグヴィル
Dogville
監督ラース・フォン・トリアー
脚本ラース・フォン・トリアー
製作ヴィベク・ウィンドレフ
製作総指揮ペーター・オールベック・イェンセン
出演者ニコール・キッドマン
ポール・ベタニー
ローレン・バコール
撮影アンソニー・ドッド・マントル
編集モリー・マーリーン・ステンスガード
製作会社ゼントロパ・エンターテインメンツ
『ドッグヴィル』(Dogville)は、2003年にデンマークで製作(撮影はスウェーデン)された映画である。監督・脚本はラース・フォン・トリアー、主演はニコール・キッドマン。
人間の「本性」を無視した観念的な道徳の無意味さを描く。続編の『マンダレイ』(2005)、『Washington』(2009予定 → 無期限延期)とあわせて「機会の土地-アメリカ」三部作をなすとされている。
2003年のカンヌ国際映画祭コンペティションにトリアー監督作としては6本目のノミネートを果たした。 舞台は大恐慌時代のロッキー山脈の廃れた鉱山町ドッグヴィル(犬の町)。医者の息子トム(ベタニー)は偉大な作家となって人々にすばらしい道徳を伝えることを夢見ていた。 そこにギャングに追われたグレース(キッドマン)が逃げ込んでくる。トムは追われている理由をかたくなに口にしないグレースを受け入れ、かくまうことこそが道徳の実践だと確信し、町の人々にグレースの奉仕と引き換えに彼女をかくまうことを提案する。 グレースは受け入れてもらうために必死で努力し、町の人と心が通うようになる。しかし、住人の態度は次第に身勝手なエゴへと変貌していく。 本映画は独白で始まり、15人程度の住人の紹介から始まる。そこでは住人達はそれぞれ小さな許容できる程度の欠点を抱えているものの、基本的には善良な人々として描かれている。トムは作家を志しているが目下のところ先延ばしをしており、定期的に町の住民を集めて会合を開き、彼らの道徳を向上させることに努めている。トムは医者の父の後を継ぐ形で町の道徳的・精神的な指導者になろうとしていることが容易に読み取られる。 ある日の夜、トムは町の近くで銃声が鳴ったのを聞き、ギャングに追われていたグレース(キッドマン)と出会う。グレースはギャングから逃れようと町の裏にある山を登ろうとするが、トムはそれは危険だと留めようとする。話しているところでギャングが町にやって来たので、トムはとっさにグレースを廃坑の入口に隠し、やり過ごそうとする。ギャングはトムに女性が来なかったかどうか聞くがトムは来ていないと答え、ギャングは発見したら知らせるよう連絡先を伝えて去る。 トムは町の住人の道徳心向上のためにグレースを利用しようと考え、見知らぬ人を助けることが町への貢献になると説いた。しかし、住人達はトムの主張に懐疑的だったので、トムはグレースに自身が善人であることを証明するチャンスを与え、2週間の間に住人全員に好かれるよう努力させ、投票でグレースを受け入れるかどうか決定することになった。 トムの提案によりグレースは住人の雑用、盲目のジャック(ギャザラ)の会話相手、チャック(スカルスガルド)とヴェラ(クラークソン)の子供の世話、ジンジャー(バコール)の小物店の手伝い、などを引き受けることを申し出る。住人は最初渋ったが次第に「必ずしも必要ではないが、生活を多少改善する雑用」をグレースにやらせるようになる。 暗黙のうちにグレースは低賃金で雑用を続けるようになったが、次第に盲目のジャック(但し本人はそのことを隠し、目が見えるふりをしている)などをはじめ、友人ができていく。2週間後の集会で投票を行った結果、グレースは全票を獲得して町に居場所を得る。 ドッグヴィルの生活は穏やかに過ぎていたが、ある日警官が町にやってきてグレースを失踪者として捜索している旨が書かれた貼り紙をしたことを機に、徐々に暗転していく。町の住人は法律遵守の観点から警察に協力を求めるべきかどうかで意見が分かれてしまう。 それでも暫くは平穏な日々が続き、トムは次第にグレースを愛するようになる。また町の住人達はグレースへの感謝を込めて、彼女のために小屋を用意する。ところが7月4日の独立記念日に変化が訪れる。再び警官が町を訪れ、捜索用ポスターの代わりにグレースが銀行強盗の指名手配犯であるとするポスターを貼って行ったためである。しかし、グレースは銀行強盗が発生した日以降ずっと町の住人の世話をしていたことを皆が知っていたため、皆彼女が無罪であると考えた。 にもかかわらず、トムは町がグレースを匿うことのリスクが増大したことの「交換条件」としてより多くの雑用をより少ない賃金で行うことを提案する。
ストーリー
プロローグ
第1章
第2章
第3章
第4章
第5章
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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