ドイツ十字章(Deutsches Kreuz)はナチス・ドイツで制定されていた勲章。戦功のあった軍人を授与の対象とした。
概要騎士鉄十字章を受章するヴァルター・ルフト陸軍中将。右胸にドイツ十字章を付けている。
1941年9月28日に制定された。戦功のあった軍人に授与されていた鉄十字章には上から大鉄十字章、騎士鉄十字章、一級鉄十字章、二級鉄十字章の等級あったが、一級鉄十字章と騎士鉄十字章の隔たりが大きすぎたため(第一級鉄十字章は約30万人に授与されたが、騎士鉄十字章は7500人弱しか授与されなかった)、その間を埋める勲章としてドイツ十字章金章が制定された。ドイツ十字章は鉄十字章の一等級ではなく別の勲章であるが、一級鉄十字章を受章していることが授与の条件となっており、一級鉄十字章受章者が更なる戦功を挙げたが騎士鉄十字章を受章する程の功績ではない場合に授与するとされており、実質的には騎士鉄十字章と第一級鉄十字章の間に位置する勲章であった。そして同様に、戦功十字章の騎士戦功鉄十字章と一級戦功十字章の間にドイツ十字章銀章が設けられた。
ドイツ十字章は、金章を受けるには第一級鉄十字章、銀章を受けるには第一級戦功十字章を既に受章している必要があった。金章と銀章のデザインや大きさは同じで、鉤十字周囲の円が金色か銀色かという点だけ異なる。1941年から敗戦までの間に約2万5000個のドイツ十字章が授与された。受章者は尉官が最も多かったが、佐官や下士官・兵の受章もあった。戦車や潜水艦の搭乗員など、戦闘部隊に所属する者が佩用するために、布地に刺繍を施した略章も存在した。ダイヤモンド章については、実際に制定・授与されることはなかった。
上位勲章の騎士鉄十字章と同様に予備勲記(Vorlaufiges Besitzzeugnis、授与を告げる簡易な印刷文書)があり、一部の者はこの後に正式な勲記(Urkunde)も受けた(ドイツの厳しい戦況などから全員が受けられたわけではなかった)
特に金章はそのデザインから「目玉焼き Spiegelei」と呼ばれることがあった。中央に鉤十字があしらわれている為に戦後は佩用を禁止されたが、1957年に鉤十字の代わりに金賞は鉄十字、銀章は戦功十字章をあしらったものが用意され、受章者に配布された。
ドイツ十字章金章の戦闘服用布製略章。
表
話
編
歴
ナチス・ドイツの勲章
党及び文民
血盟勲章
黄金党員名誉章
コーブルク闘争名誉章
ナチ党勤続章
1938年3月13日記念メダル
1938年10月1日記念メダル
1939年3月22日メーメル返還記念メダル
ダンツィヒ十字章
ドイツ勲章
ドイツ鷲勲章
ドイツ芸術科学国家賞
ドイツ母親名誉十字章(ドイツ語版)
軍功一般
1941年/1942年東部戦線冬季戦記章
大鉄十字星章
大鉄十字章
騎士鉄十字章
ドイツ十字章
鉄十字章
鉄十字章略章
スペイン十字章
戦功十字章
名誉十字章
戦功章
ドイツ防壁名誉章
戦傷章
陸軍
親衛隊/武装親衛隊
パルチザン掃討章
陸軍対空砲章
陸軍降下猟兵章
青師団メダル
白兵戦章
一般突撃章
歩兵突撃章
戦車突撃章
戦車撃破章
低空飛行機撃破章
自動車防護章
観測気球章
狙撃手章
東方民族の勇気を讃えるための功労章
陸軍名誉鑑章
国防軍勤続章
親衛隊勤続章
空軍
パイロット章
観測員章
パイロット兼観測員章
対空砲章
空軍前線飛行章
空軍地上戦闘章- 空軍海上戦闘章
通信士・機銃手章
航空機乗組員章
機銃手・航空機関士章
航空兵名誉章
空軍名誉章
空軍降下猟兵章
空軍戦車突撃章
グライダーパイロット章
空軍白兵戦章
空軍名誉鑑章
海軍
補助巡洋艦戦闘章
封鎖線突破章
駆逐艦戦闘章
高速魚雷艇戦闘章
艦隊戦闘章
掃海艇・駆潜艇・護衛艦船戦闘章
沿岸砲兵章
海軍前線章
Uボート前線章
Uボート戦闘章
小戦闘部隊章
海軍名誉鑑章
盾章
ホルム盾章
ナルヴィク盾章
クリミア盾章
デミャンスク盾章
クバン盾章
ダンケルク盾章
ワルシャワ盾章
ラップランド盾章
バルカン盾章
ブダペスト盾章