ドイツの流行語大賞
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ドイツの流行語大賞(ドイツのりゅうこうごたいしょう、ドイツ語: Wort des Jahres)は、1971年に始まり、1977年以降毎年12月にドイツ語協会より発表される、その年最も流行したドイツ語流行語のことである。1位のみ表で掲載する。

年ドイツ語意味説明
1971aufmupfig反抗的1960年代のカウンターカルチャー、特にドイツの学生運動を表した流行語
1977Szeneシーン薬物シーン、ゲイシーン、ディスコシーンなど話題になるシーンを表した流行語
1978konspirative Wohnungセーフハウスドイツの実業家ハンス=マルティン・シュライヤーの誘拐殺人と、警察の捜査失敗に絡んだ流行語
1979Holocaustホロコースト元はアメリカのTVシリーズ " (Holocaust) " のこと、同年のアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所世界遺産登録など、ナチスの犯罪で公益が増加することを表した流行語
1980Rasterfahndung網目スクリーン犯罪捜査警察のコンピュータ支援犯罪捜査におけるプライバシー情報の取り扱いについて、公開討論や政治討論が行われたことに絡んだ流行語
1981Nullosungゼロオプション中距離核戦力全廃条約の協議の中で、アメリカから提案された「0-0提案」のこと
1982Ellenbogengesellschaftひじ社会(人を押しのけて成功する社会)競争社会利己主義、無慈悲が蔓延し、思いやりが無くなった社会に発展することを恐れた批評家が使った言葉
1983Heiser Herbst暑い秋NATO二重決定への反対と、平和運動が盛んになったことのに絡んだ流行語
1984Umweltauto環境に優しい車、低燃費車両環境運動を参照
1985Glykolジエチレングリコール1985年オーストリア産ワインジエチレングリコール混入事件を参照
1986Tschernobylチェルノブイリチェルノブイリ原子力発電所事故を参照
1987AIDS, KondomAIDSコンドームメディアがAIDS禍とセーファーセックスの啓発を行ったことによる流行語
1988Gesundheitsreformヘルスケア改革この年の主要政治議論から
1989Reisefreiheit旅行自由化ベルリンの壁の崩壊による流行語
1990Die neuen Bundeslander新連邦州 ドイツ再統一にからむ議論から
1991Besserwessibesser (優良)と Wessi (西ドイツ人)を組み合わせ、類似ドイツ語にBesserwisser (知ったかぶり野郎)を掛けた言葉。東ドイツ人と西ドイツ人に絡む流行語、関連:Jammerossi (愚痴こぼし東野郎)
1992Politikverdrossenheit政治倦厭投票率の低下、政治への無関心を表した流行語
1993Sozialabbau社会給付の削減ヘルムート・コール政権の緊縮財政政策
1994Superwahljahrスーパー選挙年1994年ドイツ連邦議会選挙1994年欧州議会議員選挙、それに加えて8州の選挙など20の選挙が行われたことから[1]
1995Multimediaマルチメディアコンピューターやデジタル技術のような最先端技術のバズワードとして使われた
1996Sparpaket緊縮財政ドイツ統一後の巨額な負担コストについての政治議論が多かったことから
1997Reformstau再編停滞コール政権の年後半での政治停滞に絡む流行語
1998Rot-Grun赤-緑ドイツ社会民主党同盟90/緑の党による、ゲアハルト・シュレーダー連立政権が発足[2]
1999Millenniumミレニアム西暦で1000年毎を区切る用語で、翌年の2000年を前に盛んに使われた[2]
2000Schwarzgeldaffare闇献金事件ヘルムート・コール首相の闇献金事件参照[2]
2001Der elfte September9月11日アメリカ同時多発テロ事件参照
2002Teuroteuer (高価)とEuroかばん語で、『トイロ』と読むユーロ通貨導入による流行[2]
2003Das alte Europa古いヨーロッパ古いヨーロッパ参照
2004Hartz IVハルツ第4法ドイツ労働市場の再編政策[2]
2005Bundeskanzlerin連邦首相女性形女性首相アンゲラ・メルケルが就任したことから[2][3]
2006FanmeileFIFA公認パブリックビューイングドイツで開催された2006 FIFAワールドカップのパブリックビューイングイベントから[2][3]
2007Klimakatastrophe地球温暖化による災害ドキュメンタリ映画『不都合な真実』とIPCC第4次評価報告書により、地球温暖化問題が注目されたため[3][4]
2008Finanzkrise経済危機世界金融危機による流行[5]
2009Abwrackpramie廃車ボーナススクラップインセンティブ (自動車)を参照[6]
2010WutburgerWut (怒り)とBurger (市民)のかばん語巨額の資金がかかるなどの問題を抱えたシュトゥットガルト鉄道網再編計画「Stuttgart 21」などに抗議活動を行う「怒れる市民」の事。Stuttgart 21は2位にランクイン[7]
2011Stresstestストレステスト2011年欧州銀行ストレステスト、福島第一原子力発電所事故を受けてドイツの原発、さらに「Stuttgart 21」計画の調停処理などに使用された[8]
2012Rettungsroutine救済の繰り返しドイツの政治家Wolfgang Bosbachの造語。欧州債務危機で駆けずり回るドイツ議会の様子から[9]
2013GroKoGrose Koalition (大連立)の略キリスト教民主同盟キリスト教社会同盟(CDU/CSU)とドイツ社会民主党(SPD)の大連立樹立から[10]
2014Lichtgrenze光の境界 Christopher Bauderのインスタレーション・アート作品の名称、ベルリンの壁崩壊から25年を記念して壁のあった場所に沿って設置された。
2015Fluchtlinge[11]難民 2015年欧州難民危機を受けて流行した。[12]
2016postfaktisch[13]ポスト真実この言葉は英語の「Post-truth」と同じ意味で、「Post-truth」自体も英語の2016年度流行語大賞となっている[14]客観的事実よりも感情的な訴えかけの方が世論形成に大きく影響する状況を示す形容詞である[15]


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