ドア郡_(ウィスコンシン州)
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ウィスコンシン州ドア郡
郡のウィスコンシン州内の位置
州のアメリカ合衆国内の位置
設立1851年
郡庁所在地スタージョンベイ
面積
 - 総面積
 - 陸
 - 水
6,138 km2 (2,370 mi2)
1,250 km2 (483 mi2)
4,888 km2 (1,887 mi2)
人口
 - (2010年)
 - 密度
27,785人
22人/km2 (57.53人/mi2)
標準時中部: UTC-6/-5
ウェブサイト ⇒www.co.door.wi.gov

ドア郡(ドアぐん、Door County)は、アメリカ合衆国ウィスコンシン州北東端に位置する五大湖の1つ、ミシガン湖に突き出るドア半島のほぼ全域を郡域とする。人口は27,785人(2010年国勢調査[1]郡庁所在地および郡の最大都市はスタージョンベイ(人口9,144人[1])である。ドア郡は夏の観光地・避暑地となっており、特にウィスコンシン州内他地域やイリノイ州ミネソタ州の住民が多く訪れる。

郡名はドア半島と、その北東に浮かぶワシントン島との間の海峡に因んでいる。この海峡は狭く、またドア半島とアッパー半島に挟まれた狭いグリーン湾がミシガン湖本体に合流する水域であることから潮流が複雑で、この地に古くから住んでいたネイティブ・アメリカン、および18世紀のフランス人探検家の両方にとって、危険な水域として知られていた。そのため、この海峡はフランス人探検家からPorte des Morts(死の扉)と呼ばれるようになり、そこから郡の名がドア郡とつけられた[2]
歴史

ドア半島にはおよそ11,000年前から人類が住み着いていた。ドア半島北部のニコレット・ベイ・ビーチには古代の村の遺跡があり、その出土品は紀元前400年のものまでさかのぼる。この地では1300年頃まで、先住民による様々な文化が興っていたと考えられている。しかし、1830年に調印されたインディアン移住法により、19世紀中盤以降、それまでこの地に住み着いていたネイティブ・アメリカンはドア半島からの移出を余儀なくされた[3]

18世紀後半に入ると、ドア半島付近にもヨーロッパ人探検家がやってくるようになった。この頃ドア半島近辺を航行していたフランス人探検家は、半島とワシントン島との間の狭い海峡で難破が相次いだことから、この狭い海峡を「死の扉」を意味するPorte des Mortsと名付けた[2]。やがて1835年ニューヨーク州出身のスコットランド系移民の子、インクリース・クラフリンがドア半島に移入し、ドア郡における最初の白人入植者となった[4]1850年代には、ドア郡にはノルウェー系やベルギー系が移入してきた[5]。特に後者はドア郡、および近隣のブラウン郡ケワニー郡にまたがって、全米最大級のワロン系集住地域を形成するに至った[6]

1872年、グリーン湾とミシガン湖本体とをスタージョン湾を経由して結ぶスタージョンベイ運河の建設が始まった。この運河は不況による3年間の休止をはさんで、着工から9年後の1881年に完成した。この運河の完成により、ドア半島とワシントン島との間の危険な海峡を避けた安全な航路が確立され、またグリーンベイミルウォーキーシカゴ方面との航路が大幅に短縮された[7]
地理
地形ナイアガラ断層崖(地図中赤線)。ドア半島は全体がこのケスタの断層崖で成っている。

ドア郡の総面積は6,138km2(2,370mi2)で、ウィスコンシン州の郡としては最大であるが、その79.63%にあたる4,888km2(1,887mi2)はミシガン湖をはじめとする水域であり、陸地は1,250km2(483mi2)にとどまる。郡はドア半島の大部分を占め、東・西・北の三方をミシガン湖に囲まれている地形であることから、約300マイル(480km)におよぶ湖岸線を有しており、「中西部ケープコッド」と呼ばれている[8]

ナイアガラ断層崖の石灰岩層の露出はドア半島の両岸で見られるが、特に西湖岸、グリーン湾側で顕著である。一方、東湖岸の大部分では砂丘が形成されている。半島の中央部は概ね平坦もしくはなだらかに起伏している耕地である。ドア半島の先端から先には、ミシガン州アッパー半島から南へ突き出ているガーデン半島に向かって、湖底山脈の上部が水面上に出ていることで形成されている島が連なっている。それらの島のうち最大のものは、ドア半島の先端から北東約7マイル(約11km)に浮かぶワシントン島である。このワシントン島とその周囲のいくつかの小島はワシントン町の町域となっており、ドア郡の郡域に含まれている[9]

ドア半島における湖岸の植生は植物遷移の明らかな証拠となっている。半島の北部においては、ドロマイトの岩床を覆う表土は薄く、郡土の39%においてはその厚さは3フィート(91.4cm)未満である。
気候

ドア郡の気候は五大湖周辺に分布する大陸性の気候であるが、ミシガン湖の影響で夏は五大湖周辺の他地域よりも涼しく、アッパー半島と似たような気候を示す一方、冬は寒さ・降雪量ともアッパー半島よりかなり和らぐ。ケッペンの気候区分では、ドア郡は亜寒帯湿潤気候(Dfb)に属する。下表に郡庁所在地スタージョンベイにおける月別の平均気温および降水量を示す。

スタージョンベイの気候[10]1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
平均気温()-7.8-7.8-2.25.010.616.720.018.915.08.91.7-4.46.1
降水量(mm)33.035.648.368.678.783.878.776.283.863.561.040.6751.8
降雪量(cm)30.028.720.86.11.5----0.89.723.9121.5

隣接する郡

ドア郡は陸上では南のケワニー郡とのみ接している。また、グリーン湾を隔てて西にはオコント郡、北西にはマリネット郡およびミシガン州メノミニー郡、北にはミシガン州デルタ郡がそれぞれ位置している。ウィスコンシン州北東部の中心都市グリーンベイを中心とするブラウン郡は南西に位置し、ドア半島にも同郡の一部がかかっているが、ドア郡とは接していない。

ミシガン湖
ミシガン湖(グリーン湾)ミシガン湖
   ドア郡   

ケワニー郡

交通ドア郡・チェリーランド空港のターミナル

ドア郡に最も近い商業空港はグリーンベイ市の南西に立地するオースチン・ストローベル国際空港IATA: GRB)である。


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