「トンボ」のその他の用法については「トンボ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
トンボ目(蜻蛉目)
生息年代: 三畳紀?現世 Pre??OSDCPTJKPgN
シオカラトンボ
Orthetrum albistylum speciosum
分類
トンボ(蜻蛉、蜻?[1]、とんぼ、英: dragonfly, damselfly)は細長い翅と腹を持った昆虫である。蜻蛉目(せいれいもく、トンボ目、学名: Odonata)をなす。 全世界に約5,000種類、うち日本には200種類近くが分布している。日本最大のオニヤンマから日本最小のハッチョウトンボまで、さまざまな種類が知られている。史上最大の昆虫とされるメガネウラ(化石種)はトンボと形態が似ているが分類上は異なる。 卵 - 幼虫 - 成虫という成長段階を経る不完全変態の昆虫である。幼虫は腹腔中に一種のエラをもち、淡水中で過ごす水生昆虫で、種を問わずヤゴと総称される。 成虫の頭部は丸く、複眼が大きい。約270°もの視界がある。 胸部は箱形で、よく発達した長い2対の翅を持つ。これをそれぞれ交互にはばたかせて飛行する。空中で静止(ホバリング)することもできる。宙返りが観察された種もある。留まるときには、翅を上に背中合わせに立てるか、平らに左右に広げ、一般的な昆虫のように後ろに曲げて背中に並べることが出来ない。これは原始的特徴と見られる。翅には、横方向から見て折れ曲がった構造をしていて凹凸が有り、飛行中に気流の渦ができる。その発見以前の翼の理論では、そのような状態は失速のように、性能が劣ると考えられていた。翅は1枚だけが消失しても飛ぶことが出来る。 腹部は細長く、後方へのびる。 脚は捕獲するために使用されるが、歩行するのには適していない。トンボは枝先に留まるのに脚を使う他は、少しの移動でも翅を使って飛ぶことが多い。 肉食性で、カ、ハエ、チョウ、ガ、あるいは他のトンボなどの飛翔昆虫を空中で捕食する。トンボは、飛翔中の獲物を捕らえるにあたり、獲物に向かって飛ぶのではなく、獲物が進むであろう場所に向かって飛ぶ[2]。獲物を捕える時は6本の脚をかごのように組んで獲物をわしづかみにする。脚には太い毛が多く生えていて、捕えた獲物を逃さない役割を果たす。口には鋭い大あごが発達しており、獲物をかじって食べる。自分の体重分の採食を30分で行うことができる。 また、南米産のハビロイトトンボは、巣を張っているクモに体当たりし、落ちてきたクモを捕食する習性を持つ。 ほとんどの種類のオスは縄張りをもち、生息に良い場所を独占する。他のオスが縄張りに侵入すると、激しく攻撃する。ヤンマ類では、より広い行動圏を巡回するように飛び回る行動が知られる。 オスは腹部の前部に交尾器、先端に尾部付属器をもち、メスを見つけると首を確保して固定する。メスは腹部をオスの交尾器まで伸ばし、交尾をおこなう。 トンボの交尾はクモと並んで特殊なものである。生殖孔は雌雄ともに腹部後端にあるが、オスの腹部後端はメスを確保するのに用いられ、交尾時にはふさがっている。そこで、オスの腹部前端近くに貯精嚢があり、オスはあらかじめ自分の腹部後端をここに接して精子を蓄える。首をオスの腹部後端に固定されたメスは、自分の腹部後端をオスの腹部前端に接して精子を受け取るのである。このとき、全体として一つの輪を作る。 交尾が終わったメスは産卵を行うが、産卵の形態は種類によってさまざまである。
特徴
形態シオカラトンボの飛翔の40倍高速度撮影 実時間1.2秒
頭部・胸部(カトリヤンマ Gynacantha japonica のメス)
頭部・胸部・腹部(カトリヤンマ Gynacantha japonica のメス)
複眼
食性
生活環ハートを形作るイトトンボの交尾 左側がオスギンヤンマ類のヤゴ
ギンヤンマなど - 雌雄が数匹連結したまま、水草などに産卵。イトトンボの中には潜水して産卵するものもいる。
アキアカネなど - 雌雄が連結したまま、水面を腹部で何度も叩くように産卵。
オオシオカラトンボなど - メスが水草などに産卵するのを、オスがホバリングしながら上空で見守る。