トローアス(トロアス、ギリシャ語:Τρω??, Troas)またはトローアド(トロアド、ギリシャ語:Τρω?δα, Troad)は、アナトリア半島の北西部、現在のトルコ、チャナッカレ県に属するビガ半島の歴史的名称。北西はダーダネルス海峡と、西はエーゲ海とそれぞれ接し、アナトリア半島の他の地域とはカズ・ダー(イダ山)を形成する山塊で隔てられていた。トローアスにはスカマンドロス川(現Karamenderes川)、シモエイス川という2つの主となる川が流れ、トロイア遺跡のある地域で合流していた。他にトローアスには、グレニコス、ケブレン、カレソス、レソス、ロディオス、ヘプタポロス、アイセポスという7つの川があり、先の2つを合わせたすべての川はそこに棲む河神の名前でもあった。 トローアスと呼ばれる前、ヒッタイトはこの地域をウィルサ
歴史
トローアスになってからは、アッタロス朝ペルガモン王国から共和政ローマに譲渡された。ローマ帝国の時代にはアシア属州となり、さらに東ローマ帝国の時代には、エーゲ海諸島のテマ制に含まれた。オスマン帝国に征服されると、トローアスはビガ県の一部となった。 『新約聖書』の著者たちがトローアスについて言及している。 トローアスは『ルカによる福音書』および『使徒行伝』の著者とされるルカの故郷と考えられている。その根拠は、ルカが『使徒列伝』の中でパウロとその旅について三人称で書いているが、トローアスに着くと、一人称複数形に変えたことである。『使徒列伝』の「わたしたち」の部分は一行がトローアスに戻るまで続き、そこでまた三人称に戻る。この変更は一行が2度目にトローアスに着くところで再度起きる。『使徒列伝』の3つの「わたしたち」の部分はすべてこのルールに従っている[1]。しかし、ルカ本人がトローアスに住んでいたと書いているわけではない。 パウロ自身もトローアスについて言及している[2][3]。
新約聖書の中のトローアス
脚注^ 『使徒列伝』16:8, 16:10, 16:19, 20:5.
^ 『コリントの信徒への手紙二』2:12.
^ 『テモテへの手紙二』4: 13.
参考文献
Trevor R. Bryce. Chapter 14, "The Trojan War: Myth or Reality" in The Kingdom of the Hittites. Oxford: Clarendon Press, 1998. ISBN 0-19-924010-8
表
話
編
歴
使徒パウロの第三回伝道旅行
1. ガラテヤ · 2. フリギア · 3. エフェソ(エペソ) · 4. マケドニア(マケドニヤ) · 5. コリント · 6. ケンクレアイ(クンクレヤ) · 7. マケドニア(再訪) · 8.トロアス · 9. アソス · 10. ミュティレネ ·
11. キオス(キヨス) · 12. サモス · 13. ミレトス · 14. コス · 15. ロドス 16. パタラ · 17. ティルス(ツロ) · 18. プトレマイオス(プトレマイ) · 19. カイサリア(カイザリヤ) · 20. エルサレム