トル
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この項目では、単位について説明しています。その他の用法については「トル (曖昧さ回避)」をご覧ください。

トル
torr
記号Torr
メートル法
圧力
SI約133.322 Pa
定義101325 / 760 Pa[1]
由来標準大気圧の760分の1の圧力
語源エヴァンジェリスタ・トリチェリ
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トル(torr、記号: Torr)は、圧力単位である。メートル法に基づく単位であるが、SI単位ではない。

トルは日本の計量法体系においては、特殊の計量である「生体内の圧力の計量」[2][3]に限って使用することができる。正確に.mw-parser-output .sfrac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .sfrac.tion,.mw-parser-output .sfrac .tion{display:inline-block;vertical-align:-0.5em;font-size:85%;text-align:center}.mw-parser-output .sfrac .num,.mw-parser-output .sfrac .den{display:block;line-height:1em;margin:0 0.1em}.mw-parser-output .sfrac .den{border-top:1px solid}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}101325/760 Paと定義されている[1]。これは標準大気圧の1⁄760という意味である。約133.322 Paである。

現在では、日本においては、1トルは水銀柱ミリメートルと完全に同一の定義である[4]
分量単位

計量法では、トルの分量単位である次のものを「生体内の圧力の計量」に限って使用することができる[5]

ミリトル(mTorr) = 10−3 Torr

マイクロトル(μTorr) = 10−6 Torr

単位記号

トル、ミリトル、マイクロトルの単位記号は、それぞれ「Torr」、「mTorr」、「μTorr」である[6]。Torrの「T」の文字が大文字であることに注意。これはトルが人名(エヴァンジェリスタ・トリチェリ Evangelista Torricelli)に由来するからである。

トルは時々、誤って記号"T"で表されることがあるが、これはSI単位テスラ(T)の記号であり、混乱を招くので使用すべきではない。"Tor"と書かれることもあるが、これも誤りである。

なお、単位の名称は英語で"torr"と書かれる。この場合は、「Torr」とはしない。
水銀柱ミリメートルとの関係

現今では、日本の計量法は、トルも水銀柱ミリメートルも、定義は全く同じ「101 325/760 パスカル」としている[7]。したがってその数値に違いはない。しかし、その使い方には違いがあり、トルは血圧の計量には使用することができない。詳細は水銀柱ミリメートル#日本における使い分けを参照のこと。
歴史

この単位の名は、1644年に気圧計の原理を発見したイタリアの科学者、エヴァンジェリスタ・トリチェリに因む[8]

トリチェリが初の水銀気圧計を公表したとき、かなりの注目を集めた。彼は、気圧について初の現代的な説明をした。科学者は、気圧計の液面の高さの小さな変動をよく知っていた。これらの変動は気圧の変化の徴候として説明され、気象学が生まれた。

時間とともに、0における高さ760ミリメートルの水銀柱が与える圧力は、標準的大気圧に等しいと考えられるようになった。0℃における高さ1ミリメートルの水銀柱が与える圧力を圧力の単位とし、トリチェリを記念して「トル」と命名された。しかし、重力加速度が高度と緯度によって変わるため、水銀柱の重さが変わり、トルの値が場所によって異なることになる。

1954年の第10回国際度量衡総会で、気圧の定義が改められ、1気圧は正確に101325 Paに等しいと定められた[9]。また、トルは1気圧の1⁄760として再定義された。これは、水銀の密度や重力加速度の測定値から独立した、明確で正確な定義である。
関連項目

水銀柱ミリメートル

単位の換算一覧#圧力・応力

パスカル (単位)

気圧

水柱メートル

バール (単位)

圧力の単位パスカルSI単位)バール工学気圧気圧トルpsi
1 Pa≡ 1 N/m2= 10?5 bar≈ 10.2×10?6 at≈ 9.87×10?6 atm≈ 7.5×10?3 Torr≈ 145×10?6 psi
1 bar= 100000 Pa≡ 106 dyn/cm2≈ 1.02 at≈ 0.987 atm≈ 750 Torr≈ 14.504 psi
1 at= 98066.5 Pa= 0.980665 bar≡ 1 kgf/cm2≈ 0.968 atm≈ 736 Torr≈ 14.223 psi
1 atm= 101325 Pa= 1.01325 bar≈ 1.033 at≡ p0= 760 Torr≈ 14.696 psi
1 Torr≈ 133.322 Pa≈ 1.333×10?3 bar≈ 1.360×10?3 at≈ 1.316×10?3 atm≡ 1 mmHg≈ 19.337×10?3 psi
1 psi≈ 6894.757 Pa≈ 68.948×10?3 bar≈ 70.307×10?3 at≈ 68.046×10?3 atm≈ 51.7149 Torr≡ 1 lbf/in2

出典^ a b 計量単位令 別表第6 項番11、生体内の圧力の計量、トル、パスカル又はニュートン毎平方メートルの七百六十分の十万千三百二十五
^ 「生体内の圧力」とは、例えば、頭蓋内圧力、眼圧気道内圧、膀胱内圧力のことであり、「血圧」はここでいう「生体内の圧力」ではないことに注意
^[1] 生体内圧力の計量単位について(周知) 2011年12月 経済産業省 計量行政室
^ 計量単位令 別表第6 項番11 生体内の圧力の計量 トルの欄及び項番12 血圧の計量の欄 水銀柱ミリメートルの欄
^ 計量単位令 別表第6 項番11、生体内の圧力の計量、ミリトル、マイクロトル
^ 計量単位規則 別表第4 生体内の圧力の計量、トル、ミリトル、マイクロトル
^ 計量単位令 別表第6 項番11、項番12 
^ 水銀ではなく水を使った、最新の気圧計に類似した装置は、1640年代前半に何人かの科学者によって研究されていた( ⇒History of the Barometerを参照)。トリチェリによる気圧計の原理の説明は、1644年6月11日の日付のあるミケランジェロ・リッチあての手紙で初めて示されている。
^BIPM ? Resolution 4 of the 10th CGPM


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