トリポッド・シリーズ
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『トリポッド・シリーズ』(The Tripods)は、1967年から1988年にかけて、英国の小説家ジョン・クリストファーによって書かれたジュブナイル向けのSF小説シリーズ。

H・G・ウェルズの『宇宙戦争』は本作と直接の関係はないが、3脚の巨大マシンを使った異星人の侵略、という点で本作の原点となっている。また、主人公がイギリス人であり、一人称小説である点も共通している。
概要

第1巻は侵略SFであり、日常が浸食され、そこからの逃亡が描かれている。第2巻では、征服後100年程度経過した世界が舞台となっており、トリポッドの支配から脱出し、さらには地球を奪還する展開となっているが、解放後は人類間で敵対してしまい、今度は主人公たちがその修復を決意するところで終了する。
出版状況

時系列順とし、オリジナルを優先する。最後に書かれた前日譚が第1巻になるため、第2巻からの記載となる。

英・日での出版状況巻数イギリス(オリジナル)学習研究社亀山龍樹訳)ハヤカワ文庫中原尚哉訳)
第2巻The White Mountains(1967年)鋼鉄の巨人(1977年)トリポッド2 脱出(2005年)
第3巻The City of Gold and Lead(1967年)銀河系の征服者(1978年)トリポッド3 潜入(2005年)
第4巻The Pool of Fire(1968年)もえる黄金都市(1979年)トリポッド4 凱歌(2005年)
第1巻When the Tripods Came(1988年)(刊行なし)トリポッド1 襲来(2004年)

ハヤカワ版は前日譚(第1巻)からの発売となっている。
トリポッド(3本足)と異星人、用語

ハヤカワ版の訳語を優先する。なお、第1巻と第2巻の時代差は、およそ1世紀ある。
トリポッド
学研版では「3本足」。異星人の操る巨大な機械(全高は20メートル以上)だが、搭乗者が判明するのは第3巻の中盤になってからであり、劇中の人物にとっては「自律する機械かもしれない」という可能性も考えられていた。その名の通り3本の足で立ち、歩行する。3脚の上には半球形のカプセルが乗っており、コックピットになっている。収容可能な触手が3本格納されており、ある程度の伸縮が可能。納屋を一撃で半壊させる程度の威力があるが、上限は不明。戦車を持ち上げ、締め潰してしまったことから、かなりの攻撃力を備えている。地球人から見れば異形の形状だが、異星人自体が3本足と触手を持っているため、彼らにとっては「(巨大な)人型の機械」である。移動の不安定さ、現代兵器(第1巻)でも容易に破壊できることから、総合的な戦闘力は決して高いとは言えない。暗闇で足元の物体を調べるのにサーチライトを使ったことから、赤外線暗視装置が設置されていない、とワイルド・ビル(物理教師)は見ていた。異星人の都市内では、さらに小型のトリポッドも確認されている。主に「光球追い」と呼ばれる、
バスケットボールに似たスポーツで使用されている。
主人(異星人)
第3巻に登場する異星人の都市では「主人」(学研版では「マスター」)と呼ばせており、地球人を奴隷化している。襲来当時の地球人に比べ技術レベルは遙かに凌駕しているが、彼らから見ても地球人は侮れない戦闘レベルではあり、正面から侵略を始めれば自分たちの受ける被害も甚大である事を予想して、テレビを利用した間接的な洗脳作戦で徐々に地球人を支配下に置いていった。この侵略の手口は第3巻で概要が語られ、後年それに基づいた展開の侵略エピソード(第1巻)が作られた。地球人(キャップ人)の文明レベルを産業革命以前に留めており、電力や内燃機関は与えていない。そのため、馬やロバが鉄道を引いたり船の動力となっている。地球人とはかなり異なる概念を持ち、一例として、彼らは地球人のいわゆる「建前と本音」を理解できない(例えば「嘘」という行為について、彼らには嘘をつくという概念自体が全くない。そのため地球人の書いた架空の物語の内容を真に受けたりもする)。完全な単一民族であり、母星においても人種や言葉の違いは全くなく、地球人に多種多様の人種や言葉がある事も彼らの理解の範囲外であり、嘲笑の対象にすらなる。地球よりも重力の強い星の出身で、その大気も地球人にとっては猛毒となる。反面、地球の空気が彼らにとっての毒となり、直接吸うと死んでしまう。星を征服し植民するために活動しており、地球もその一環である。彼らの宇宙船は光速に近い速度を出せるが、地球到達にはかなりの時間を要した。地球人に比べて寿命が遙かに長く、ウィルが「仕える」事になった個体も地球侵略時の一員である事が示唆されている。地球人より遙かに巨大な体躯や体力を持ち、まともに格闘すれば地球人数人がかりでも苦戦する。一方で顔面のある部分が致命的な弱点であり、人間のパンチで絶命させる事も可能。地球の大気を彼らに適したものに変える計画を実行しており、第3巻でそれが判明した時は「あと4年」であり、人類は反撃へ残された時間が短いことを知り、動揺する。都市は3つあり、ヨーロッパと、そこから東に当たる地点。もうひとつは北米である。
キャップ(キャップ人)
学研版では「頭の輪」。これを付けられた者がキャップ人と呼ばれている。金属のワイヤーメッシュでできている(当初はゴムも使用されていた)。これを装着すると、トリポッドに対する反抗心や懐疑心がなくなり、彼らへの奉仕を無上の喜びと感じるようになる。事実上の奴隷化である。ただし、元の性格から残されている部分もあり(高潔な善意や、地方間での敵対心など)、トリポッドの支配に支障のない部分に関しては影響されていない。第2巻以降では、14歳の誕生日にトリポッドの中でキャップが装着され、これが「戴帽式」と呼ばれて成人式を兼ねている。この年齢が選ばれているのは、肉体の成長が終わる年齢だからである。一部の異星人は「時期を早めるべき」と考えている。これは、反抗心が14歳未満に見られるためであるが、そうなると金属が装着されてからも成長が続くため、人間にとっては害となり、したがって寿命が縮められてしまう。その弊害があるが、彼らは「治安維持にはやむをえない」と考えている。キャップを外すと支配力も消えるため、トリポッドが撲滅された後には多くの地球人が元の自我を取り戻している。
はぐれ者
第2巻以降に登場する。学研版では「さまよいさん」。キャップとの適合が上手くいかず、精神異常を起こしたキャップ人を指す。故郷で正業に就くことが出来ず、放浪する事になる。社会不適合者ではあるが、大人しい者が多く、主人公(ウィル・パーカー)の住むイギリスの村でははぐれ者を収容する設備があった。一方、海の向こう(フランス)では、そのような施設はなく、乞食同然の生活を送っている。第2巻に登場するオジマンディアスは、はぐれ者を装い(キャップは偽装である)、トリポッドの支配に疑問をもつ少年たちを探していた「白い山脈」のメンバーであった。
白い山脈
第2巻以降に登場。スイスの山奥に存在する。キャップを拒んだ自由民が集っている。過去の文献などから「古代人」(トリポッドに征服される前の人類を指す)を研究し、その文明を蘇らせ、トリポッドの打倒を計画している。代表者はユリウスという老人で、60歳以上。第1巻の主人公、ローリー・コードレイたちが落ち延びた場所が、その始まりとなっている。
ストーリーと登場人物

第1巻(前日譚)と第2巻以降は100年ほどの時代差があり、登場人物に重複がないため、区分する。
第1巻(前日譚)

時代設定は、家庭用ビデオデッキが普及し、また家庭用コンピューターゲームも普及している頃である。


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