トリプル世界戦(トリプルせかいせん)とは、同じ日に同じ会場でプロボクシングの世界タイトルマッチが3試合行われること。現在まで、日本国内で11度(うち男女1度、女子3度)行われている。
なお、2004年1月3日に大阪市中央体育館とパシフィコ横浜、2009年7月14日にワールド記念ホールと後楽園ホール、2011年12月31日に大阪府立体育会館と横浜文化体育館で行われたそれぞれ3試合および2013年12月31日に大阪府立体育会館と大田区総合体育館で行われる3試合の世界戦に関してもトリプル世界戦と呼ばれることがある。
本項では2003年に米国で行われた「8大タイトルマッチ」も記述する。 原功は2008年9月までに単一の会場で行われた5度のトリプル世界戦を分析し、2試合でのレフェリー・ストップ以外にKO決着はなかったこと、凡戦は全くなかったもののノックダウンさえ一度もなかったこと、空位の王座を争う決定戦以外の11試合では王者が8勝を収めて勝ち越し、引き分けは皆無だったことなどに注目してデータをまとめている[1]。 男子のみのトリプル戦のうち2004年1月3日、2011年12月31日、2012年12月31日、2013年12月3日、2014年12月30日、2014年12月31日、2017年12月31日、2019年6月19日、2019年12月31日を除き、すべて帝拳プロモーション主催で行われている。
日本におけるトリプル世界戦
1998年8月23日
会場 横浜アリーナ
放送 日本テレビ
WBCミニマム級 暫定王座決定戦
● ロッキー・リン(1位=ロッキー/台湾出身) vs ワンディ・チョー・チャレオン(2位=タイ) ○12回判定。リン、挑戦失敗
WBCライト級
○ セサール・バサン
WBCバンタム級
○ 辰吉丈一郎(王者=大阪帝拳) vs ポーリー・アヤラ(挑戦者・1位=米国) ●6回終了負傷判定。辰吉、2度目の防衛成功
2003年10月4日
会場 両国国技館
放送 日本テレビ
WBAバンタム級 暫定王座決定戦
○ 戸高秀樹(4位=緑) vs レオ・ガメス(5位=ベネズエラ) ●12回判定。戸高、王座獲得(日本人5人目の2階級制覇達成)
WBAスーパーフライ級
○ アレクサンデル・ムニョス(王者=ベネズエラ) vs 本田秀伸(挑戦者・14位=グリーンツダ) ●12回判定。本田、挑戦失敗(ムニョス、2度目の防衛成功)
WBCバンタム級
△ ウィラポン・ナコンルアンプロモーション(王者=タイ) vs 西岡利晃(挑戦者・1位=帝拳) △12回判定引き分け。西岡、挑戦失敗(ウィラポン、11度目の防衛成功)
2004年1月3日(2会場での開催)
会場 パシフィコ横浜、大阪市中央体育館
放送 テレビ東京
パシフィコ横浜で開催
WBCフライ級
○ ポンサクレック・クラティンデーンジム(王者=タイ) vs トラッシュ中沼(挑戦者・13位=国際) ●12回判定。中沼、挑戦失敗(ポンサクレック、9度目の防衛成功)
大阪市中央体育館で開催
WBAスーパーフライ級
○ アレクサンデル・ムニョス(王者=ベネズエラ) vs 小島英次(挑戦者・14位=金沢) ●10回TKO。小島、挑戦失敗(ムニョス、3度目の防衛成功)
WBCスーパーフライ級
○ 徳山昌守(王者=金沢) vs ディミトリー・キリロフ(挑戦者・1位=ロシア) ●12回判定。徳山、8度目の防衛成功
2004年3月6日
会場 さいたまスーパーアリーナ
放送 日本テレビ
WBCバンタム級
○ ウィラポン・ナコンルアンプロモーション(王者=タイ) vs 西岡利晃(挑戦者・1位=帝拳) ●12回判定。西岡、挑戦失敗(ウィラポン、12度目の防衛成功)
WBCスーパーバンタム級
○ オスカー・ラリオス(王者=メキシコ) vs 仲里繁(挑戦者・4位=沖縄ワールドリング) ●12回判定。仲里、挑戦失敗(ラリオス、6度目の防衛成功)
WBAバンタム級 暫定
● 戸高秀樹(王者=緑) vs フリオ・サラテ(挑戦者・10位=メキシコ) ○12回判定。戸高、王座陥落(初防衛失敗)
2007年5月3日
会場 有明コロシアム
放送 日本テレビ
WBAスーパーフェザー級
○ エドウィン・バレロ(王者=ベネズエラ) vs 本望信人(挑戦者・2位=角海老宝石) ●8回TKO。本望、挑戦失敗(バレロ、2度目の防衛成功)
WBAスーパーフライ級
● 名城信男(王者=六島) vs アレクサンデル・ムニョス(挑戦者・1位=ベネズエラ) ○12回判定。名城、王座陥落(2度目の防衛失敗)
WBCバンタム級
○ 長谷川穂積(王者=千里馬神戸) vs シンピウィ・ベトイェカ(挑戦者・4位=南アフリカ) ●12回判定。長谷川、4度目の防衛成功
2008年9月15日
会場 パシフィコ横浜
放送 テレビ東京
この放送では木村登勇のウクライナでの世界初挑戦も合わせて「4大世界戦」として中継された[2]。
WBAスーパーフライ級 王座決定戦
○ 名城信男(1位=六島) vs 河野公平(3位=ワタナベ) ●12回判定。名城、王座獲得(1年4ヵ月ぶりの王座返り咲き)
WBCスーパーバンタム級 暫定王座決定戦
○ 西岡利晃(2位=帝拳) vs ナパーポン・キャッティサクチョーチャイ(3位=タイ) ●12回判定。西岡、王座獲得
WBAミニマム級
● 新井田豊(王者=横浜光) vs ローマン・ゴンサレス(挑戦者・1位=ニカラグア) ○4回TKO。新井田、王座陥落(8度目の防衛失敗)
2009年7月14日(2会場での開催)
会場 後楽園ホール、神戸ワールド記念ホール
放送 日本テレビ
後楽園ホールで開催
WBCフェザー級
● 粟生隆寛(王者=帝拳) vs エリオ・ロハス(挑戦者・1位=ドミニカ共和国) ○12回判定。粟生、王座陥落(初防衛失敗)
神戸ワールド記念ホールで開催
WBAミニマム級
○ ローマン・ゴンサレス(王者=ニカラグア) vs 高山勝成(挑戦者・1位=真正) ●12回判定。