トリニティ・インベストメント
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カネボウ株式会社(英文社名:Kanebo, Ltd.)は、かつて繊維化粧品食品薬品日用品などの事業を展開していた日本の会社。2007年6月30日に解散が決議され、同時に清算会社として海岸ベルマネジメント株式会社(かいがんベルマネジメント)に商号変更。2008年11月11日、トリニティ・インベストメント株式会社に清算目的で吸収合併されて消滅した。
トリニティ・インベストメント

トリニティ・インベストメント株式会社
Trinity Investment Co.,Ltd.
種類株式会社
本社所在地108-0022
東京都港区海岸3-20-20
(合併前の東京都千代田区紀尾井町4番5号から移転)
設立1979年5月22日(株式会社カーセブン)
法人番号6010401061691
代表者代表取締役 五木田律子
資本金4億6,000万円
主要株主3投資会社が運営するファンドの出資する会社 (100%)
特記事項:海岸ベルマネジメントに出資したファンド系の会社。2008年11月11日に海岸ベルマネジメントを吸収合併し、同社所在地に移転。
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かつて存在したカネボウ株式会社の粉飾決算事件に伴う、産業再生機構による支援決定を受けて、以下を目的に、投資会社(ファンド)3社(アドバンテッジ パートナーズ有限責任事業組合、株式会社MKSパートナーズ、ユニゾン・キャピタル)が、既設の休眠会社を活用した目的会社である。当社の目的は以下の通り。

カネボウ株式会社を傘下に収めるカネボウ化粧品(旧・カネボウブティック)との株式相互持合解消に際して、同社の持つカネボウ株を譲り受け、カネボウを傘下に収めた。その後、TOBを実施(2005年6月10日上場廃止時のカネボウ株価360円に対し、2006年2月から3月にかけて1株あたり162円でTOBが成立。この金額に対して不当であるとしてTOBに応じなかった株主などから告訴がなされ、係争が続いている)。

カネボウ株式会社とは一切資本関係のない受け皿会社3社(カネボウ・トリニティ・ホールディングス、並びに同社子会社のカネボウホームプロダクツ、カネボウ製薬)に事業譲渡会社分割ではない)受け皿会社各社の商号にあった「カネボウ」が「クラシエ」に変更されたのは、「カネボウ」の商標権がカネボウ化粧品に譲渡されていたこと、その商標権譲渡後も一定期間はカネボウ化粧品から商標の使用が許可されていたが、その期限が到来したことによる。

カネボウ株式会社の子会社(カネボウフーズ)の株式をカネボウ・トリニティ・ホールディングスに売却

カネボウ株式会社(海岸ベルマネジメント株式会社に商号変更)を吸収合併方式にて合併し、合併時点における同社の株主(約83%は当社、残る約17%は2006年のTOBに応じなかった株主)について(存続会社である当社の株式割当ではなく)金銭交付を実施(1株あたり130円)

カネボウ→海岸ベルマネジメントの概要

海岸ベルマネジメント株式会社
(旧カネボウ株式会社)
Kaigan Bell Management, Ltd.
種類株式会社(2008年11月11日吸収合併にて消滅)
市場情報東証1部 3102
1949年5月16日 - 2005年6月13日
本社所在地東京都港区海岸3-20-20 ヨコソーレインボータワー
設立1944年2月1日(鐘淵工業株式会社)(注1)
業種化学
法人番号6010401061691
事業内容清算業務(清算前はトイレタリー製品、薬品、食品などの製造・販売)
代表者代表清算人 中嶋章義
資本金1億円(2006年9月下旬に350億9998万5000円から減資
主要株主トリニティ・インベストメント株式会社(83%)
特記事項:注1:鐘淵紡績株式会社(1887年5月6日に東京綿商社として設立し、1893年に鐘淵紡績に社名変更)と鐘淵実業株式会社との新設合併により設立。1946年5月に「鐘淵紡績株式会社」に商号変更、1971年12月に「鐘紡株式会社」に商号変更、2001年1月に「カネボウ株式会社」に商号変更。2007年6月30日に解散決議をし、同時に清算会社として「海岸ベルマネジメント株式会社」に商号変更。2008年11月11日、トリニティ・インベストメント株式会社に清算目的で吸収合併されて消滅。
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カネボウ時代は現在の東証第1部(現在のプライム)に上場し、特定の企業グループには属していないものの三井銀行(現・三井住友銀行)を主力取引銀行としていたため、かつての三井財閥系に含まれる事があった。また、かつての商号である「鐘淵紡績株式会社」が示すとおり、創業時の業種は繊維事業で、天然繊維化学繊維の両方を手がけていた。

番組の筆頭提供クレジットにおけるキャッチコピー「美しきヒューマンライフを目指すカネボウ」(のちに「芸術化産業を目指すカネボウ」)や、コマーシャルにおける「Kanebo, For Beautiful Human Life.(カネボウ、美しい人間生活のために)」のサウンドロゴで知られていた。ところが文法的な誤りがあるためにその意味が「カネボウ、美しいヒト型生物のために」「カネボウ、(我々は)美しいヒト型生命体の味方(です)」[1]となってしまうため、英語ネイティブからは不評だった。サウンドロゴは基本的に女性であるが、男性用及び企業CMの場合は男性で行っていた。90年代は状況によっては使用しない、サウンドロゴ背景を割愛する場合もあった。

かつて行っていた事業は以下のような変遷を辿っている。

創業当時の事業である繊維事業は、一部が2005年7月1日にセーレンの子会社・KBセーレンに譲渡されたほか、KBスピニング(現・KBツヅキ)、ベルポリエステルプロダクツなどが継承している。

ホームプロダクツ・製薬・食品事業は朋友ホールディングス(ホーユー)・クラシエグループ傘下(クラシエホームプロダクツ、クラシエ薬品、クラシエフーズ)となった。

化粧品事業とブランド商標権は花王子会社のカネボウ化粧品に売却された。

カネボウの社名の由来

東京府南葛飾郡墨田村鐘ヶ淵(現・東京都墨田区墨田北部[2])で創業した紡績会社であるため。後に略称の鐘紡(カネボウ)が正式社名となる。

また、以下の通り、各地に「鐘紡町」という地名が存在する。これは、同地にカネボウ関連の工場があったことに由来する。

山口県防府市鐘紡町 - かつて同地にカネボウ防府工場があったが、カネボウの経営再建中に閉鎖された。跡地はベルポリエステルプロダクツの工場となったほか、2008年3月14日、跡地の一部にロックシティ防府(現・イオンタウン防府)が開店した。

富山県高岡市鐘紡町 - カネボウ製薬を承継した旧クラシエ製薬の工場がある。

滋賀県長浜市鐘紡町 - カネボウの繊維事業を承継したKBセーレンの工場がある。

事業所

本社 - 東京都港区海岸3-20-20
ヨコソーレインボータワー同地は横浜倉庫の本社ビルであり、清算法人となった海岸ベルマネジメント、トリニティ・インベストメント(海岸ベルマネジメントを吸収合併後)、クラシエもそれぞれ本社所在地としている。

歴史
日本最大の企業と戦後の復興

明治20年(1887年)に東京府南葛飾郡隅田村の通称・鐘ヶ淵[注 1]に東京綿商社として創立され、初代頭取には三越得右衛門が就任した。紡績会社として創業した企業であった。紡績工場は1889年に完成した[3]。戦前、繊維産業はかつての鉄鋼・現在の自動車に匹敵する基幹産業であり、武藤山治が支配人・社長をつとめた明治から昭和初期にかけて、国内企業売上高1位を誇り隆盛を極めた[3]。また、鐘淵デイゼル工業(現・UDトラックス)や茨木自動車(現在の近鉄バスの一部)などの異業種も傘下におさめていた。なお「鐘ヶ淵」の通称は、東武伊勢崎線鐘ヶ淵駅の駅名としてその名を残している。昭和恐慌下の1930年,鐘紡の4割減給案に反対し,各工場で大争議に発展。中間派の日本労働組合総連合が指導したが、敗北的解決に終わった。

第二次世界大戦下の1945年の空襲等で、兵庫工場など国内外の工場を失い、カネボウ(以下「カネボウ」と記す)はゼロから再出発することになった。また旧経営陣が公職追放されたことを受け、1947年に武藤山治の息子・武藤絲治が社長に就任し、1949年、非繊維事業を鐘淵化学工業(通称・鐘化、現・カネカ)として分離独立させた。


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