トリコロール/赤の愛
Trois Couleurs: Rouge
監督クシシュトフ・キェシロフスキ
脚本クシシュトフ・ピエシェヴィッチ
『トリコロール/赤の愛』 (Trois Couleurs: Rouge) は、1994年製作の映画。クシシュトフ・キェシロフスキ監督による「トリコロール」3部作の3作目。 1994年5月の第47回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にて上映された後、ポーランドでは同年5月27日に、フランスでは9月14日に公開された。日本では同年11月12日からBunkamura ル・シネマにて公開された。 第20回セザール賞では、作品賞・監督賞・主演男優賞・主演女優賞・音楽賞・脚本賞の6部門にノミネートされ、音楽賞を受賞した。他に第29回全米映画批評家協会賞・第60回ニューヨーク映画批評家協会賞・第20回ロサンゼルス映画批評家協会賞で、外国語映画賞を受賞した。 また、第67回アカデミー賞では、監督賞・脚本賞・撮影賞の3部門にノミネートされた。第52回ゴールデングローブ賞では外国語映画賞にノミネートされた。 「トリコロール」3部作は、それぞれの作品が「自由(青)・平等(白)・博愛(赤)」を象徴しており、最終作となる本作は、全てを包む「博愛」がテーマとなっている。 前2作がヴェネツィア国際映画祭・ベルリン国際映画祭で受賞したため、今作も含めて三大映画祭での受賞が期待されたが、カンヌ国際映画祭では無冠に終わった。 ジュネーヴに住む大学生・ヴァランティーヌは学業の傍ら、モデルをして暮らしていた。電話でしかやり取りのない遠方の恋人からは常に浮気を疑われ、ヴァランティーヌ自身も彼への愛に疑問を抱き始めていた。 一方、法学生のオーギュストは、司法試験に向けて勉強の日々を送っていた。彼には年上の恋人がいた。 ある日暮れ、ヴァランティーヌは車で犬を轢いてケガをさせてしまう。犬の首輪についていた住所札をもとに犬の飼い主を訪ねていくが、そこに住んでいたのは隣人の電話の盗聴を趣味とする、人間不信のかたまりのような老いた元判事だった。彼の盗聴を「卑怯だ」と憐れむヴァランティーヌに、判事は自分が人間不信の虜になった若き日のトラウマを告白する。次第に判事とヴァランティーヌは心を通わせていく。 ある時ついに、判事が盗聴容疑で法廷に立つことになった。隣人の訴えではなく、彼自身が警察に自首したのだ。 そして、物語は「トリコロール3部作」をまとめあげるクライマックスへと進んでいく。
概要
キャスト
ヴァランティーヌ - イレーヌ・ジャコブ
元判事(ヴェルヌ氏) - ジャン=ルイ・トランティニャン
オーギュスト - ジャン=ピエール・ロリ
カメラマン - サミュエル・ル・ビアン
ストーリー
関連項目
トリコロール/青の愛
トリコロール/白の愛
外部リンク
⇒Bunkamura - 上映劇場の作品紹介
⇒キェシロフスキ・コレクション - キェシロフスキ没後の特集上映
トリコロール/赤の愛
Trois Couleurs: Rouge
表
話
編
歴
シカゴ映画批評家協会賞 外国語映画賞
1988-2000年
さよなら子供たち(1988)
ヘンリー五世(1989)
コックと泥棒、その妻と愛人(1990)
エンジェル・アット・マイ・テーブル(1991)
クライング・ゲーム(1992)
ピアノ・レッスン(1993)
トリコロール/赤の愛(1994)
イル・ポスティーノ(1995)
デカローグ(1996)
Shall we ダンス?(1997)
ライフ・イズ・ビューティフル(1998)
オール・アバウト・マイ・マザー(1999)
グリーン・デスティニー(2000)
2001-2020年
アメリ(2001)
天国の口、終りの楽園。(2002)
シティ・オブ・ゴッド(2003)
ロング・エンゲージメント(2004)
隠された記憶(2005)
硫黄島からの手紙(2006)
4ヶ月、3週と2日(2007)
ぼくのエリ 200歳の少女(2008)
白いリボン(2009)
預言者(2010)
別離(2011)
愛、アムール(2012)
アクト・オブ・キリング(2013)
フレンチアルプスで起きたこと(2014)
サウルの息子(2015)
お嬢さん(2016)
ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017)
ROMA/ローマ(2018)
パラサイト 半地下の家族(2019)
アナザーラウンド(2020)
2021-現在
ドライブ・マイ・カー(2021)
別れる決心(2022)