トリクロロシラン
IUPAC名
トリクロロシラン
識別情報
CAS登録番号10025-78-2
-126.6 ℃
沸点
31.8 ℃
水への溶解度水と反応
危険性
安全データシート(外部リンク)ICSC 0591
NFPA 704432W
RフレーズR12, R14, R17, R20/22, R29, R35
Sフレーズ(S2), S7/9, S16, S26, S36/37/39, S43, S45
引火点-27 ℃
発火点185 ℃
爆発限界1.2?90.5%
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
トリクロロシラン(英: trichlorosilane)は、ケイ素、塩素、水素から成る無機化合物で、分子式は HSiCl3 と表される。高温で熱分解を起こして単体ケイ素に変わる性質から、半導体工業において高純度ケイ素の主原料として利用される[1]。水と触れると速やかに分解してシリコーンのポリマーおよび塩化水素となる[1]。反応性が高く入手が容易であることから、有機ケイ素化合物の原料ともされる[1]。 工業的には、トリクロロシランは塩化水素のガスを 300 ℃ でケイ素の粉末に吹き付けて製造する[1]。下式のように、トリクロロシランとともに水素が生じる[1]。 S i + 3 H C l ⟶ H S i C l 3 + H 2 {\displaystyle {\rm {Si+3HCl\longrightarrow HSiCl_{3}+H_{2}}}} 適切に設計された反応装置では、80-90% の収率でトリクロロシランが得られる。主な副生物は四塩化ケイ素 (SiCl4)、六塩化二ケイ素 (Si2Cl6)、ジクロロシラン (H2SiCl2) であり、トリクロロシランは蒸留により取り出される。この逆反応により高純度の単体ケイ素が得られる。 上記のように、トリクロロシランは高純度の多結晶ケイ素の原料とされる[1]。
製造
用途
出典[脚注の使い方]^ a b c d e f 岩崎史哲、小田開行「トリクロロシラン」『有機合成化学協会誌』第59巻第10号、有機合成化学協会、2001年、1005-1007頁、doi:10.5059/yukigoseikyokaishi.59.1005
“ ⇒An Introductory Guide to the Safe Handling of Chlorosilanes” (PDF). Dow Corning. 2017年7月22日閲覧。
Semiconductors: Silicon: Substrate Manufacture: Polycrystalline Silicon Production