この項目では、植物について説明しています。
ヒップホップユニットについては「トリカブト (ユニット)」をご覧ください。
『仮面ライダー』の登場キャラクターについては「ショッカー怪人 (テレビシリーズ2号編)#トリカブト」をご覧ください。
頭にかぶる装飾品については「鳥兜」をご覧ください。
トリカブト属
ホソバトリカブト
(2005年9月、南アルプスの聖岳)
分類(APG IV)
トリカブト(鳥兜・草鳥頭、学名:Aconitum)は、キンポウゲ科トリカブト属の総称である。有毒植物の一種として知られる。スミレと同じ「菫」と漢字で表記することもある。ニリンソウ、ゲンノショウコ、ヨモギ、モミジガサなどと外見が似ているため誤食事故に注意を要する。 果実は袋果、種子は翼を持たない 草本が多いが一部につる植物が知られ、中間のような性質を持つものも知られる。キンポウゲ科の中では塊茎がよく発達する。レイジンソウ亜属 Subgen. Lycoctonum に属する種は多年草であるが、トリカブト亜属 Subgen. Aconitum に属する種は、多年草のなかの疑似一年草に分類される。地上部と地下の母根(塊根、「烏頭(うず)」)はその年の秋に枯死するが、母根から伸びた地下茎の先に子根(嬢根、「附子(ぶし、ぶす)」)ができ、その子根が母根から分離して越冬芽をもち、翌年に発芽し開花する。地上部と地下の母根から見れば一年草であるが、子根が翌年にも生存するため、擬似一年草のカテゴリーにはいる[1]。分離型地中植物とも呼ばれる[2]。繁殖はこの栄養繁殖の他に受粉して種子を作ることも併用する。 湿地を好みしばしば沢沿いに群落を形成する種が多い。 種にもよるが致命的な毒性を持ち、ドクウツギやドクゼリと並んで日本三大有毒植物の一つとされ[3]、狩猟や薬用に利用されてきた。 塊根を乾燥させたものは漢方薬や毒として用いられ、烏頭(うず)または附子(生薬名は「ぶし」、毒に使うときは「ぶす」)と呼ばれる。本来、「附子」は球根の周りに付いている「子ども」の部分。中央部の「親」の部分は「烏頭(うず)」、子球のないものを「天雄(てんゆう)」と呼んでいたが、現在は附子以外のことばはほとんど用いられていない。俗に不美人のことを「ブス」というが、これはトリカブトの中毒で神経に障害が起き、顔の表情がおかしくなったのを指すという説もある[4]。 漢方ではトリカブト属の塊根を附子(ぶし)と称して薬用にする。本来は、塊根の子根(しこん)を附子と称するほか、「親」の部分は烏頭(うず)、また、子根の付かない単体の塊根を天雄(てんゆう)と称し、それぞれ運用法が違う。強心作用や鎮痛作用があるほか、牛車腎気丸及び桂枝加朮附湯では皮膚温上昇作用、末梢血管拡張作用により血液循環の改善に有効である[5]。 しかし、毒性が強いため、附子をそのまま生薬として用いることはほとんどなく、修治と呼ばれる弱毒処理が行われる[6]。 2021年4月16日、キルギス政府のアリムカディル・ベイシェナリエフ保険大臣は、トリカブトの塊根からの抽出物に新型コロナウイルス感染症への治療効果があると発表した。既に何百人かの患者に同意の元で処方されたとしており、記者会見の場で同じものを飲んで安全性をアピールした[7][8]。 全草、特に根に致死性の高い猛毒を持つことで知られる[9]。テドロドトキシン
形態
生態
人間との関わり
薬用
附子が配合されている漢方方剤の例
葛根加朮附湯
桂枝加朮附湯
桂枝加苓朮附湯
桂芍知母湯
芍薬甘草附子
麻黄附子細辛湯
真武湯
八味地黄丸
牛車腎気丸
四逆湯
新型コロナウイルスの治療薬として
毒トリカブトの毒の一つであるアコニチン