この項目では、1996年に発生した航空事故について説明しています。1964年にフィウミチーノ空港で発生したトランス・ワールド航空800便による離陸失敗事故については「トランス・ワールド航空800便離陸失敗事故」を、TWA800便の陰謀説については「en:TWA Flight 800 conspiracy theories
」をご覧ください。この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
出典検索?: "トランス・ワールド航空800便墜落事故" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2022年3月)
トランス・ワールド航空 800便
TWA Flight 8001982年5月に撮影された事故機
出来事の概要
日付1996年7月17日
概要電気配線の腐食による空中爆発
現場 アメリカ合衆国・ニューヨーク州ロングアイランドイースト・ハンプトン沖
乗客数212
乗員数18
負傷者数0
死者数230 (全員)
生存者数0
機種ボーイング747-100
運用者 トランス・ワールド航空(TWA)
機体記号N93119
出発地 アメリカ合衆国 ニューヨーク
ジョン・F・ケネディ国際空港
経由地 フランスパリ
シャルル・ド・ゴール国際空港
目的地 イタリア ローマ
フィウミチーノ空港
テンプレートを表示
トランス・ワールド航空800便墜落事故(トランス・ワールドこうくう800びんついらくじこ)は、1996年にアメリカ合衆国で発生した航空事故。ニューヨーク発パリ行きのトランス・ワールド航空(TWA)800便(ボーイング747-100)が、離陸後ロングアイランド沖を飛行中に突如爆発して空中分解し墜落、乗員乗客230名全員が死亡した。
事故当時はアトランタオリンピック開幕を2日後に控えていたため、それを妨害するために引き起こされた航空テロではないかとする説が真実味をもって報道されたが、その後の事故調査によって、電気配線がショートして発生した火花が燃料タンクに残留した気化ガスに引火して爆発したことが原因だと判明し、テロ説は否定された。
事故の概要
航空機と乗務員
機体:ボーイング747-100
機体記号:N93119
製造番号:20083
製造年:1971年
機齢:25年
運航乗務員
機長:58歳・男性[注 1]
機長(監査官):57歳・男性[注 2]
航空機関士(訓練生):25歳・男性[注 3]
航空機関士(指導役):63歳・男性
経過事故調査報告書による800便最後のフライトパス
1996年7月17日午後8時19分(アメリカ東部時間)、アメリカのニューヨーク、ジョン・F・ケネディ国際空港からフランスのパリ、シャルル・ド・ゴール国際空港を経由して、イタリアのローマ、フィウミチーノ空港行へ向かうトランス・ワールド航空800便が、離陸して12分後にニューヨーク州ロングアイランドのイースト・ハンプトン沖で15,000フィート (4,600 m)を上昇中に空中爆発し、大西洋に墜落した。近くを飛行中のイーストウインド航空(Eastwind Airlines)507便(機体記号はN221US、イーストウインド航空517便急傾斜事故の事故機)[注 4] の目前で起こったため、すぐに管制に連絡が入った。
爆発の直後に機体底部に巨大な穴が空き、そこから亀裂が機体を一周して、2階を含む機体前方(セクション41とセクション42)が切り離されて乗客を乗せたまま落下した。機体後部は操縦席を失い十数秒間急上昇し続け、その後バランスを崩して降下し始めた。落下中に左翼が分離して海に墜落した。この事故で乗員18名、乗客212名、計230名全員が死亡した。
残骸の落下場所ごとに、機体の色を塗り分け。
左の図における各色分け部分の落下方向・場所を再現した図(同じ色は、それぞれの機体の塗り分け箇所に対応する)
事故の原因
調査TWA800便の残骸(胴体前部)。機体の再現のため、つなぎあわされている。事故の目撃者の証言が記述されたレポート。黒く塗りつぶされている部分は個人情報などが記載されている。
当初は2日後から開催される予定のアトランタオリンピックを狙ったテロが疑われた。事実、事件発生直後にサウジアラビアの新聞社にイスラム原理主義勢力と名乗る者から「TWA機を爆破した」との犯行声明が送りつけられた。墜落したTWA機の残骸からTNT火薬の爆発による硝煙反応が検出されたとの発表もあったため、連邦捜査局(FBI)も捜査に乗り出した。また地対空ミサイルの航跡とおぼしきものが事故機に向かって伸びていたという複数の証言があったり、それらしき写真が2枚撮影されたりした。
事故機はニューヨークに到着する前に、数々の航空テロの舞台となりセキュリティが甘いとされた、ギリシャのアテネにいた。この日事故機はアテネからの881便として午後4時31分にジョン・F・ケネディ国際空港に着陸していた。また過去にTWAは爆破テロを経験していた(トランス・ワールド航空841便爆破事件)こともあり、事故当初は海上からの攻撃もしくは機体にしかけられた爆弾によって墜落したといわれていた。NTSBが作成した800便の爆発後の軌跡のCG
また、事故時にニューヨーク周辺で訓練を行っていたアメリカ海軍の軍艦や軍用機による誤射も疑われた。