トライピース
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『トライピース』(TRIPEACE)は、丸智之による日本漫画作品、及び作中に登場する架空の組織。『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)増刊『フレッシュガンガン2007年春号に読み切りとして掲載された後『月刊少年ガンガン』2008年3月号から2011年9月号まで連載された。略称は「トラピ」。
あらすじ

生い立ちも名前も含め全てを忘れてしまった「超・記憶喪失」の少年ナナは、旅の途中訪れた小国カントールでの悲劇を切っ掛けに「世界から戦争を無くす」ことを誓う。唯一の特技である「女装」を武器に、戦争仲裁機関「トライピース」に下っ端として加入したナナは、個性豊かな仲間たちと共に過酷な任務へと挑む。
登場人物
主要人物
ナナ
本作の主人公。トライピースNo.102078→No.777。長い金髪を持つ美少年。自分の名前、出身地はおろか、万物のことをすべて忘れてしまっており、自称「超・記憶喪失」。そのため、時に場の空気を読めない発言をしてしまったり、一般常識の範疇に入る知識が相当欠如している。『ナナ』は自分でつけた名前で、『名無し』に由来する。お調子者で見栄っ張りな性格だが正義感は強く、いざと言う時の胆力は相当なもの。唯一の特技は
女装。男だと言われなければ、まず気付かない程のクオリティを誇る。故に女装時は声すら変化する。女装時の名前は「ナナコ」、「ナナミ」があり、ナナミの方が胸が控えめ。運動能力も比較的高いが、戦闘に関しては未熟そのものでトライピースの中でも下位である。しかし、記憶を失う前のナナは他人に傷をつけられるような事は絶対になかったらしい。カントールの村で知り合った少年少女達がザイエスによる「神掃」の犠牲となって死んだことから、世界から戦争をなくすことを誓った。左手には犠牲者の少女、イチカがつけていたリボンを巻いている。トライピースにおける「仲裁三原則」として「愛」と「平和」と「女装」を掲げ、戦争をやめるように説得するという方法を取った。その発想と自らの非力を知ってなお前進しようとする気概をベリアルに買われ、トライピース入隊を果たす。コンパコ戦争終結の功績により、ナナコとしてトライピースNo.15に昇格し、第5部隊アーセ副部隊長に就任した。もっともこれはシロの計らいによるもので、ナナとしての実力は地位に見合ったものにはなっていない。旧ザイエス軍との戦闘で胸にある傷を斬られたことから、記憶を失う前の自分と心の内で対面した。その後には覚醒状態になり、恐ろしいほどの実力で相手を圧倒していた。カントール作戦終了後、シロに「ナナコは自分だ」と告白するが、偽物だと信じてもらえず、彼女の思う「ナナコ」に追いつくため、決意として散髪した。後にその功績を認められ、No.777に昇格する。その正体は、トライピースに敵対する「戦争煽動機関」の創設者にして総帥(後述)であり、機関のメンバーに拉致された際に、強制的に胸の傷を開かれた結果、創設者としての記憶と、かつての冷酷な人格を取り戻してしまう。以降は再び機関を統率し、二大帝国のザイエスとマージの和平協定を妨害するため、調印式典に潜入。それを阻止するトライピースと衝突し、記憶と共に取り戻した戦闘能力でフクナシを圧倒する。記憶を失う前、ナナは今と同じく戦争を無くすために奮闘していたが、その先にたどり着いた答えが「この世界から戦争は絶対になくならない」であった。「常識」でもあるその現実に失望し、自分の故郷である「戦争をしない国」で戦争煽動機関を創設した。その後、自分の理想とは正反対の活動を続けた後、たどり着いた答えを忘れるために自殺未遂を行い、自ら記憶喪失となった。それからナナの心は「理想」の自分(主人格)、「逃避」の自分、そして「現実・悪意」の自分に別れた。主人公でありながら、最期はラスボス的位置に立った異例のキャラである。シロと引き分けた後、人格は記憶を失う前の頃に戻ったが、戦争への考え方は変わらず、しかしその上でこれからも「この世界から絶対に戦争をなくす」と腹をくくり、まずはトライピースの皆に謝りに行った。[1]
シロ
トライピースNo.9にして第5部隊アーセ部隊長。元イーラ隊員。物静かな少女だがその実毒舌家で、性格の悪さは自他共に認める。外見がボーイッシュなため、女扱いされないことにコンプレックスを抱いている模様。見かけによらず鉄骨を片手で投げつけるなど怪力の持ち主。ザイエス出身で、母・ライスを絶望させ「『神掃』の始まるきっかけを作ってしまった」ことを悔いてトライピースに入隊した。カッコいい女性が好きとのことで、ナナ(正確にはナナコ)のやり方に共感と同時にあこがれに近いものを抱く。ちなみに「ナナ=ナナコ」とは気付いておらず、ナナ自身のことは「なよっちくて未熟」と嫌っている。ナナが正体を自白した後も、彼を「偽物」だと言い切り、信じていない。ザイエス譲りの高い技術力を持ち、鍛練室にある機兵はすべてシロが作ったものである。C-Dカップで、一度その「おっっっっっっぱい!!」を隊員に晒したことがある。カントール基地奪還後、ライスの自室に貼られた自身の写真を見たことにより、ライスが自身への愛を失っていなかったことを確認し、母親とのわだかまりを解消。その後「これからは未来(まえ)を見て突き進む」ことを誓うとともに、自身の仲裁三原則を「愛」と「平和」と「希望」と定めた。三原則を定めた後はトライピースの管轄外である「戦災復興」を主活動とし、ザイエスの被害にあったカントールの再建を目指し、その地に留まるが、途中で機兵の外装で頭を隠した謎の人物(ライス)に連行され、ザイエス領で投下された。そこで煽動機関側に成り代わったナナと再会。もう一度記憶が戻る前のナナに戻すために、彼と一騎討ちをする。
トライピース
ナナ
上記を参照。
シロ
上記を参照。
クロロ・ヴァン・ルートヴィッヒ
トライピースの新入りで、ナナの後輩。通称「クロ」だが、本人はこの名前で呼ばれることを嫌っている。曰く「戦争を無くせないことをわからせるため、トライピースに来た」とのこと。様々な国際支援団体を転々とし、トライピースにやってきた。他人を見下す傾向が強く、履歴書には「性格に難あり」と書かれている。ナナのことは「タコ助」と呼ぶ。彼が戦争を無くせないと語るのは、「人間には欲があるのでずっと戦争を繰り返す」と考えているため。かつて彼がナナの故郷である「戦争をしない国」を見捨て、逃亡したことがある経緯も後押ししている。煽動機関との関係は不明。ちなみに服装や顔付きから少女のようだが、実は少年である。
フクナシ
トライピースNO.2の「総帥代行」で部隊はトライピースの中で最もタチの悪い「」の部隊。髪の毛に目のようなものが3つあるのが特徴(目ではない)。「ジャック・フリー」のお目付け役であったが、マイナス6部隊が全滅したため服から出てきて、戦争扇動機関に洗脳された者たちを一撃で正気にした。仲裁三原則を持たず、本人曰くその行動理念は「仲裁絶対原則・『死』」のただ一つである。「全員死ねば戦争は無くなる」という恐るべき思考の持ち主であり、その危険性から滅多に戦うことを許されず、緊急時のみ文字通りの「服無し」となって戦場に立ち、全てを殲滅する。行動理念の通りにマージとザイエスが全面戦争に陥った場合は戦争の長期化を防ぐため、「死」と「眠力」の部隊で国力で劣勢のザイエス側の人間を出来る限り皆殺しにする事を宣言する等、トライピース最大の危険人物である。
ベリアル
トライピースNo.6にして第3部隊イーラ部隊長。仲裁三原則は「愛」と「平和」と「暴力」。見上げるような大男で、前髪の下から眼光がのぞく。戦争を仲裁する方法を「暴力」と掲げてから、実際に止められるだけの力を得るには30年の年月を必要としたとのこと。本人曰く「民間人の命は死の覚悟ができている兵士より重く、民を救うためなら兵士を殺してもかまわない」とのこと。大の好き。細かい仕事は苦手なようで、隊長としては失敗も多い。ザイエスのリボルとは知り合い。シトリーからは「ベリー」という愛称で呼ばれている。機械兵の銃弾を手足と口で受け止められるほどの実力者で、怪力が自慢。普段は棘のついた杭を仕込んだ手錠で力を制御している。手枷を外せば四機皇をも圧倒するパワーを発揮するが、同時に理性を失い殺戮兵器と化してしまう。そのため、仲裁三原則の「愛」と「平和」は彼の拘束具的な役割を果たしている。シトリーと、ザイエスのリボルとの関係はまだ謎が多い。趣味は将棋で本人曰く「居飛車党」。実力は低いのか、6枚落ちのシトリーに勝ったためしがない。
シトリー
トライピースNo.11にして第3部隊イーラ副部隊長。かなり小柄で、目のあたりをトライピースのシンボルが描かれたバンダナで隠しているが、盲目と言うわけではない。


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