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出典検索?: "トマホーク" ミサイル
トマホーク (BGM-109 Tomahawk) は、アメリカ合衆国で開発された巡航ミサイル。 トマホークの起源には幾つかの説があるが、もっとも有力と考えられているのは、1972年の第一次戦略兵器制限条約(SALT T)調印に前後して行われたアメリカ海軍の研究である。 当時の国家安全保障問題担当大統領補佐官ヘンリー・キッシンジャーは、SALT Tによって生じる制約の影響を最小限にとどめるべく、条約交渉では検討されなかったタイプの核兵器運搬手段の研究を国防総省に命じた。海軍が中心になって進められた研究の結果は、本質的には無人の有翼航空機である巡航ミサイルであれば、条約違反を犯すことなく、しかも極めて効果的であるとの結論であった。 当初検討されたのは、ポラリス・ミサイルの発射筒を用いる大型のミサイルと、潜水艦の魚雷発射管を用いる小型のミサイルとの2つの案であった。この2案から翌1972年6月に後者の採用が最終的に決定され、11月には潜水艦発射巡航ミサイル(SLCM:Submarine Launched Cruising Missile)と呼ばれるようになった、このミサイルの設計のための契約が結ばれた。 1974年から、数社の設計案が競争試作にかけられ、1976年2月、ジェネラル・ダイナミクスの設計案が採用された。また、この時までに潜水艦だけでなく水上艦艇からも発射することができるように仕様が変更されたため、SLCMとは海洋発射巡航ミサイル(Sea Launched Cruising Missile)の頭文字とされるようになった。 1977年、カーター政権下で統合巡航ミサイル計画(JCMP:Joint Cruise Missile Program)が開始され、SLCMの開発をしていたアメリカ海軍と、巡航ミサイル(AGM-86)の開発を進めていたアメリカ空軍が共通の技術基盤を用いて巡航ミサイルを開発することになった。この計画のもと、空軍のAGM-86からは巡航ミサイルのターボファンエンジンが、海軍のBGM-109からは地形等高線照合(TERCOM:Terrain Contour Matching)システムが、それぞれ共通コンポーネントとして採用された。またこの計画では、BGM-109の空中発射用の派生型AGM-109も試作され、AGM-86と実飛行を含む競争にかけられたが、空軍はAGM-86を選択したため、AGM-109の開発は中止された。 1980年3月、量産型BGM-109Aが水上艦から、同年の6月には潜水艦から、それぞれ初めて発射された。試験評価はこの後も続けられ、1983年3月、実任務に就役可能であることが宣言された。こうして、熱核弾頭を搭載した対地攻撃型BGM-109A TLAM-N(Tomahawk Land-Attack Missile-Nuclear)および通常弾頭の対水上艦型BGM-109B TASM(Tomahawk Anti Ship Missile)の2つのタイプが任務に就くに至った。これら最も初期に配備されたトマホークは、まとめてブロックTと呼ばれる。 以下、トマホークについて記述をすすめるが、多くのバリエーションが登場するものの、基本的に、発射環境、ミッション、誘導システムや弾頭が改正された各種の発展型の3つの軸で分類可能である(表1および表2を参照)。 表1 トマホークのバリエーション一覧ミッション弾頭ブロック Tブロック U / UA / UBブロック番号なし
前史
開発トマホークを発射する戦艦「ウィスコンシン」(湾岸戦争時)
開発中止ブロック Vブロック W
(開発中止)タクティカル
トマホーク
対地核BGM/RGM/UGM-109A TLAM-N
対地通常BGM/RGM/UGM-109C TLAM-C
(ブロック U/UA)
BGM/RGM/UGM-109D TLAM-D
(ブロック UB)BGM-109FRGM/UGM-109C/D
TLAM-C/DRGM/UGM-109H THTPRGM/UGM-109E