トマス・ウルフ
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この項目では、20世紀初頭の作家について説明しています。20世紀後半から活動中の作家については「トム・ウルフ」をご覧ください。

トーマス・ウルフ
Thomas Wolfe
1937年のウルフ
カール・ヴァン・ヴェクテン撮影)
誕生Thomas Clayton Wolfe
(1900-10-03) 1900年10月3日
アメリカ合衆国ノースカロライナ州アシュビル
死没1938年9月15日(1938-09-15)(37歳)
アメリカ合衆国メリーランド州ボルティモア
職業小説家
国籍 アメリカ合衆国
最終学歴ノースカロライナ大学チャペルヒル校
ハーバード大学
ジャンルフィクション
代表作『天使よ故郷を見よ(英語版)』
『時と川について(英語版)』
『汝再び故郷に帰れず(英語版)』
『くもの巣と岩(英語版)』
パートナーアリーン・バーンスタイン(英語版)(パトロン
署名
ウィキポータル 文学
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トーマス・クレイトン・ウルフ(: Thomas Clayton Wolfe、1900年10月3日 - 1938年9月15日[1]は、20世紀初頭のアメリカ合衆国で活躍した作家である[2]。「トマス・ウルフ」と表記されることもある。

ウルフは4本の長編小説に加え、複数の短編、戯曲、中編小説を執筆した。彼の作風は、自伝的な書き口で、独創性・詩趣に富んだ文章を、感じたまま叙情的に書き上げるものである。1920年代後半から1940年代にかけて執筆・出版された小説は、ウルフの繊細かつ洗練され、かなり分析的な視点を通したものではあるが、当時のアメリカ文化や風俗を鮮やかに反映している。現在では邦訳も絶版状態だが、存命中は広く知られた作家であった[2]

ウルフの死後、彼と同時代の作家ウィリアム・フォークナーは、ウルフは自分たちの時代で最も才能ある人物だったかもしれない、と述べた[2][3]。ウルフの影響はビート・ジェネレーションの作家ジャック・ケルアックや、レイ・ブラッドベリフィリップ・ロスなどに及んでいる。彼は自伝文学 (autobiographical fiction) の第一人者として、現在でも現代アメリカ文学の重要作家であり、ノースカロライナ州出身の最も有名な作家と考えられている[4]
幼少期から青年期にかけて

ウルフはノースカロライナ州アシュビルで、ウィリアム・オリヴァー・ウルフ(: William Oliver Wolfe、1851年 - 1922年)、ジュリア・エリザベス・ウェストール(英: Julia Elizabeth Westall、1860年 - 1945年)の間に、8人兄弟の末っ子として生まれた。きょうだい8人の内6人が成人した[注 1][5]。親しい人間の間では、トムとの愛称で呼ばれた[6]

ウルフは自分が生まれたウッドフィン通り92番地(英: 92 Woodfin Street)で生活した。父親は石工として成功しており、墓石業を営んでいた。母親は下宿人を引き受けており、盛んに不動産取得を行っていた。1904年、母ジュリアはセントルイス万国博覧会に合わせて、ミズーリ州セントルイスに下宿屋を開いている。家族がセントルイスにいる間に、12歳だった兄のグローヴァーが腸チフスで亡くなっている。アシュビル、スプルース通り48番地(英: 48 Spruce Street in Asheville)にあるトーマス・ウルフ・ハウス(英語版)(現在は記念館)

1906年、母ジュリアはアシュビル・スプルース通り48番地近くの下宿屋「オールド・ケンタッキー・ホーム」(英: "Old Kentucky Home")を買い取り、他の家族をウッドフィン通り(英: The Woodfin Street)の家に残したまま、末息子のトーマスとふたりで暮らし始めた。ウルフは1916年に大学へ進学するまで、スプルース通りのこの下宿屋で暮らした。現在建物は、記念館トーマス・ウルフ・ハウス(英語版)として一般公開されている[7]。ウルフがきょうだいの中で1番親しくしていたのは兄のベンで、26歳という兄の早過ぎる死は、ウルフの小説『天使よ故郷を見よ(英語版)』で描写されている[5]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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