トップ_(洗剤)
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トップ(2006年3月 - 2009年1月)

トップはライオンが発売している洗たく用洗剤を中心としたブランドで、同社の登録商標(第2453189号ほか)。名前の由来は「常に最高の洗浄力を」の意味。本項では、2023年9月に独立ブランドへ発展した「NANOX(ナノックス)」に関しても述べる。
概要

1956年(昭和31年)6月、当時のライオン油脂がファッションの西洋化・多様化が進む中、さまざまな衣類(毛・絹・化学繊維・木綿などの素材)に加え、食器や野菜洗いにも対応するオールパーパスの粉末中性洗剤として誕生したが、商品特徴があいまいになり消費者からは注目されなかったとされる[1]

1960年(昭和35年)3月には衣料用に用途を絞り、洗浄力を強化した「ニュートップ」を発売するも振るわず、市場で地位を確立したのは1962年(昭和37年)4月に発売した「ハイトップ」である。すすぎの際に泡がすばやく消える高い制泡性が特徴で、当時としては斬新だった白をメインとしたパッケージと共に消費者の心をつかみ、2年後にはライオンの売り上げの4割を超すヒット商品となった。

1971年(昭和46年)頃に一旦終売されたが、当時のライオン油脂とライオン歯磨の合併を翌年に控えた1979年(昭和54年)3月、リン分を減らし、洗浄力を大幅に向上させた「トップ」を発売し、約8年ぶりにブランドを復活した。タンパク質分解酵素と界面活性剤「アルファ・オレフィン・スルフォネート」を配合。赤をメインとしたパッケージと「酵素パワーのトップ」のキャッチフレーズで発売初日に問屋の在庫がなくなるほどの大ヒット商品となった[2]。このキャッチフレーズも商標登録されている(第4549172号)。翌1980年(昭和55年)には無りん化された製品が追加発売された。

1988年(昭和63年)には、花王の「アタック」に対抗する意味で、脂質分解酵素を配合した、「ハイテク酵素のハイトップ」として、アタックと同じコンパクト洗剤となって発売された。その後、17回に亘る改良を重ね、商品名を変えながら発売を続けた。1993年(平成5年)頃には、新洗浄成分として植物系の界面活性剤が採用された。1995年(平成7年)からは、水30Lに対しての洗剤の最小使用量が25gから20gに引き下げられ、同時に洗剤の内容量は、それまでの1.5kgから1.2kgになった。さらに翌1996年(平成8年)には、その使用量が15gまで引き下げられ、最大80回洗えるようになった[注 1]2005年(平成17年)からは、「ステインザイム」と呼ばれる酵素が配合され、時間の経った食べこぼしの汚れを分解するなど、さまざまな改良が加えられた。ただ、洗剤の最小使用量については再び20gに引き上げられ、2005年(平成17年)3月から洗剤の内容量が1.2kgから1.1kgに、2009年(平成21年)3月からは1.0kgに減少。さらに、2012年(平成24年)3月の改良により最小使用量が1995年以来となる25gに引き上げられ、2014年(平成26年)2月に内容量を900gに減らし、2019年(平成31年)4月の仕様変更で最小使用量が30gに引き上げられたため、最大でも30回しか使用できなくなった。

2022年令和4年)11月に「部屋干しトップ 除菌EX」がリニューアルされたタイミングで、初代製品からの流れを汲む製品であった「トップ プラチナクリア」が製造終了となった。2023年(令和5年)9月には、2010年(平成22年)1月に「トップ」のシリーズ品として発売された「NANOX」が「NANOX one(ナノックス ワン)」として「トップ」から独立した製品となり、その翌月には部分洗い剤と衣類・布製品用消臭剤も「NANOX」へブランド移行されたことでラインナップが縮小されている[注 2]。それでも、レギュラータイプの液体洗剤がブランドの主体となっており、粉末洗剤は発売から40年以上のロングセラーとなっている「無リントップ」と「部屋干しトップ 除菌EX」の2種類で継続販売されている。
沿革
第1期

1956年 - 粉末洗剤「トップ」発売(中性洗剤として発売、当初から有りん洗剤)

1960年 - 粉末洗剤「ニュートップ」発売(弱アルカリ性に変更)

粉末洗剤「ウーリートップ」発売(毛糸・ナイロン用中性洗剤)



1961年 - 粉末洗剤「アグリートップ」発売(アクリル繊維専用洗剤)

1962年 - 粉末洗剤「ハイトップ」発売(すすぎ時にすばやく泡が消えるように改良)

1964年 - 「液体ハイトップ」発売

1968年 - 粉末洗剤「ニューハイトップ」発売

1971年頃 - 粉末洗剤「ニューハイトップ」生産終了

第2期

1979年 - 粉末洗剤「トップ」発売(ブランド復活)

1980年

5月 - 無リンタイプの粉末洗剤「無りんトップ」発売。

9月 - 小型サイズ「無りんトップ」発売。


1984年3月 - 「無りんトップ」「トップ」「液体トップ」新発売。

1986年

4月 - 「無りんトップ」改良。

6月 - 「液体トップ」改良。


1988年

4月 - 粉末洗剤「Hiトップ」発売(タンパク質分解酵素を高活性化、脂質分解酵素を新配合、コンパクト洗剤)。パッケージは通常の1.5kgのみならず、特大サイズの2.25kg、小サイズの750gの3通りで発売された。

10月 - 「Hiトップ ワンパック」発売。


1990年7月 - 「液体トップ」新発売。

1992年3月 - 「液体Hiトップ スポットクリーニング」発売。

1993年2月 - 「液体Hiトップ」新発売。

1994年2月 - 「Hiトップ」詰め替え用発売。

1995年2月

粉末洗剤「酵素トップ」発売(タンパク質分解酵素を高濃度化、脂質分解酵素を高活性化したことで、使用量を20gに減らした。このため内容量を1.5kgから1.2kgに変更)。

「液体速攻トップ」発売。


1996年1月 - 粉末洗剤「スーパートップ」発売(タンパク質分解酵素を高活性化。最小使用量を15g(80回分)に減量した)。

1997年7月 - 洗濯前処理剤「トッププレケア」シリーズ発売。

1998年

2月 -

粉末洗剤「スーパートップ」改良(タンパク質分解酵素の低温活性を向上)

液体洗剤「トップカラープロテクト」発売。


3月 - 「トッププレケア ドロ用」につめかえ用を追加発売。


1999年12月 - 錠剤タイプの洗剤「トップパワータブレット」発売。

2000年1月 - 「トップパワータブレット」改良。

2001年

粉末洗剤「トップ」発売(タンパク質分解酵素の溶解性を向上)

4月 - 粉末洗剤「部屋干しトップ」をコンビニでテスト販売開始

10月 - 粉末洗剤「部屋干しトップ」発売


2002年

粉末洗剤「トップ」改良(タンパク質分解酵素を高活性化)

2月 - 「トッププレケア」シリーズ改良(パッケージ変更、「つめかえ用」に注ぎ口追加)

3月 - 液体洗剤「トップ浸透ジェル」発売

4月 - 「トッププレケア」シリーズ改良(パッケージ変更)


2003年

粉末洗剤「トップ」改良(脂質分解酵素を高活性化)

3月

液体洗剤「トップ浸透ジェル」改良(組成、容器、内容量を変更)

「トッププレケア」シリーズを改良(パッケージ変更、「シミ用」は泡で出るノズルから直接塗りこむ「塗りこみヘッド」に変更)


9月 - 粉末洗剤「部屋干しトップ」改良(香りを変更、ワンパックを追加)


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