トクサツガガガ
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トクサツガガガ
ジャンル
オタクコメディ
漫画
作者丹羽庭
出版社小学館
掲載誌ビッグコミックスピリッツ
レーベルビッグコミックス
発表号2014年37・38合併号 - 2020年24・25合併号
巻数全20巻
話数全198話
ドラマ
原作丹羽庭
脚本田辺茂範
演出末永創、新田真三、小野見知
音楽井筒昭雄
制作NHK名古屋放送局
放送局NHK総合
放送期間2019年1月18日 - 3月1日
話数全7話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画テレビドラマ
ポータル漫画テレビドラマ

『トクサツガガガ』は、丹羽庭による日本漫画作品。特撮オタク女子の複雑かつデリケートな葛藤を描いた作品で、『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて2014年37・38合併号から2020年24・25合併号まで連載された。

メディアミックスとしては、2019年に『ドラマ10』(NHK総合)にて小芝風花主演でテレビドラマ化された[1][2]
概要

丹羽は素直にヒーローが活躍する話を描きたいと思っていたが、担当編集者にこうしたヒーローものを好む人口は少ないのではと言われてしまう。そんなことはないと説明するうちにファン自体に興味を持たれてしまったため、「特撮オタク女子」というニッチな題材での連載がスタートした。オタク趣味を隠したいという主人公・仲村叶の心理は丹羽の体験にもとづくところもあり、作中でも「人それぞれでいい」という考え方や、どこか一方の視点に偏らないことが意識されている[3]

タイトルの「トクサツガガガ」は、外さないでほしいとのオーダーがあった単語「特撮」と英語の「gaga(夢中の、熱狂的な)」に「ガ」を一つ足したもの。また、特撮はSFX全般という意味ではなく、日本における狭義の作品ジャンルとして意味である。

『ビッグコミックスピリッツ』2014年52号には「シアターGロッソ」での『烈車戦隊トッキュウジャーショー』をレポートした漫画を掲載[4]。2015年18号では、特撮好きとして知られる乃木坂46(当時)の井上小百合とコラボ。丹羽の考案したコスチュームを着た井上のグラビアや、2人の対談が掲載された[5]。2015年31号および宇宙船vol.149には、スーパー戦隊シリーズ初の女性監督・荒川史絵、脚本家・小林靖子とのスペシャル鼎談「特撮女子」座談会を掲載[6]。2015年46号では、「紙ふろく」設計士の村山孝幸、「紙ふろく」イラストレーターの福村一章との鼎談[7]、2016年18号では、特撮レジェンド古谷敏桜井浩子との鼎談[8]、2016年31号では『ウルトラマンオーブ』の監督を務める田口清隆との対談が掲載されている[9]。連載100回となる2017年19号では田口、円谷プロダクションからコメント、石川雅之河合克敏木尾士目小林有吾柴田ヨクサルのりつけ雅春ゆうきまさみからイラストコメントが寄せられ[10]、単行本第11集にも収録された。2019年7号では小芝風花との対談や、仲村の装いをした小芝と獣将王のコラボグラビアが掲載[11]。同年9号にはテレビドラマで特撮パートの助監督を担当する荒川史絵との対談、丹羽によるドラマ撮影現場のレポート漫画が掲載されている[12]

単行本の帯には、第1集に木尾士目と二ノ宮知子[13]、第4集に鈴村健一田ア竜太[14]、第10集に石川雅之がコメントを寄せた。

そのほか、本作品に関連した漫画として、プレミアムバンダイの「戦隊職人?SUPER SENTAI ARTISAN?」シリーズへの応援メッセージや[15]、劇団雌猫による単行本「浪費図鑑 ―悪友たちのないしょ話―」に描き下ろしたコミックエッセイがある[16]

著者の丹羽は2015年9月27日放送のNHK-FM「今日は一日“特撮ソング”三昧」に生出演した[17]

『このマンガがすごい!2016』オトコ編第17位、『全国書店員が選んだおすすめコミック2016』15位[3][18]。第21回手塚治虫文化賞マンガ大賞最終候補[19]。2020年8月時点で累計発行部数は115万部を突破している[20]
あらすじ

26歳のOL・仲村叶は、職場では女子力が高いと思われているが、その実態は戦隊ヒーロー『ジュウショウワン(獣将王)』を始めとした特撮全般を愛する特撮オタクであった。叶は幼いころから特撮が好きだったが、叶の母親・志はその女の子らしからぬ趣味を毛嫌いし、特撮を見ることを固く禁じていた。叶も表立って逆らうことなく母親の好む女の子らしいものを受け入れていたものの、高校卒業直前に特撮熱が再燃し、隠れオタクになったのだった。

自身の趣味をひた隠しにして生きていた叶は、偶然同じ特撮好きの吉田さんに出会ったのを皮切りに、多様なジャンルのオタク仲間を得ていく。趣味に対する引け目もなくなり、いつか母親に正直に本心を打ち明けようと思う叶だったが、覚悟を固めきれずにいるうちに、とうとう特撮オタクである事実が母親にばれてしまう。
登場人物
主要人物(主人公とオタク仲間)
仲村叶(なかむら かの)
本作品の主人公で、年齢は26→27歳。ドラマ版では24歳。東京で一人暮らしをしながら「金城商事」に勤めるOL。職場では女子力が高いと見られているが、実は“女死力”たぎる隠れ特撮オタク。『ジュウショウワン』ではシシレオー推し。自分で受け入れられない要素を子供から排除しようとする母親の影響で一度は特撮を卒業したものの、高校卒業直前の出来事と大学入学後の一人暮らしを機に特撮オタクに返り咲いた。職場での昼食はいつも手作りのお弁当だが、これも節約してDVDを買うため。他人に勝手にあだ名をつける癖がある。本作品は叶が職場や日常で起こった問題や疑問を、周囲の協力や影響で劇中の特撮作品内容や実際にある製作事情などの「特撮あるあるネタ」になぞらえて理解して受け入れたり、勇気を出して物事に対処する過程がエピソードの胆になっている。
吉田さん / 吉田久美(よしだ ひさみ)
叶の特撮オタク友達。年齢はドラマ版では34歳。『ジュウショウワン』ではトライガー推し。叶よりも年上で、電車では対面した際に叶の
ゆるキャラのキーホルダーの中に特撮キャラをイクトゥスとして紛れこませる作戦による特撮ファン告白の成功により知り合う。特撮からの卒業を考えていたが、『エマージェイソン』がゲストのヒーローショーで叶と再会したのをきっかけに踏みとどまり、叶の人生の追加戦士となる。 写真を撮るのが得意で、後に写真を仕事にすることを志し、写真学校に通ったり写真家のアシスタントをしたりしている。祖母と母の3人で実家で暮らしており、彼氏がいる。子供が苦手。
ダミアン / 田宮拓(たみや たく)
特撮好きの真面目な小学生。『ジュウショウワン』ではトライガー推し。東永ゼミナールという学習塾に通っている。こっそりと『ジュウショウワン』のカプセル台を回したかった叶の前にタイミング悪く現れたため、「悪魔の子」という意味合いでこのあだ名がつけられた。 たびたび叶の心に突き刺さる名言を放つ。吉田さんに好意を寄せている。
任侠さん / 松本まさあき
叶が食玩目当てで行きつけにしている駄菓子屋「おかしのまつもと」の息子。20歳の専門学生。あだ名の元になった任侠者のような目つきの悪さと厳つく大柄な容姿とは裏腹に、気配りのできる心優しい青年であり、気が小さくホラーが苦手な臆病者でもある。小学生のころから女の子向けアニメ『ラブキュート』シリーズが好き。特撮関連の新製品の取り置きなど融通を利かせてくれたり、ネタバレをおそれて情報源から距離を置いている叶に必要な情報だけを教えてくれたりする。
北代さん / 北代優子(きたしろ ゆうこ)
叶の会社に途中入社してきた同僚だが、部署は違っている。年齢はドラマ版では29歳。両親共稼ぎの鍵っ子として育ち、弟がいる。あまり愛想がなく、人を寄せ付けないオーラを放っている。隠しているが、ローカルアイドルユニット「ビーボーイズ」のファン(通称「ハニーさん」)。吉田さんと近い年齢。前の職場では営業職をしており社交的だったが、アイドルオタクであることがばれて周囲が悪気なく偏見に満ちたいじりをしてくるようになった日常に気疲れたことから離職し、今の職場では入社当初、自衛のために極端に非社交的にふるまっていた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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