この項目では、鳥類の種としての狭義のトキについて説明しています。グループとしての広義のトキについては「トキ亜科」を、その他の用法については「トキ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
トキ
中国産トキ(陝西省西安にて撮影)
保全状況評価[1][2][3]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
ワシントン条約附属書I
分類
トキ(朱鷺、鴇、桃花鳥、紅鶴、鴾、学名 : Nipponia nippon)は、ペリカン目トキ科トキ属に分類される鳥類。本種のみでトキ属を構成する。
かつては世界でわずか数羽になるまで減少し絶滅の危機に瀕しており、日本では環境省レッドリストで「野生絶滅」の状態にあった。しかし日中両国の保護によって、2000年代以降は個体数が回復していった。2019年時点の個体数は、中国が2,600羽[7]、日本が600羽[8]、韓国が363羽[9]。
学名は Nipponia nippon(ニッポニア・ニッポン)で、日本の国鳥ではないものの、しばしば「日本を象徴する鳥」などと呼ばれることもある。新潟県の「県の鳥」[10]、同県佐渡市[注釈 1]と石川県輪島市[注釈 2]の「市の鳥」である。
分布とその推移最後の日本産トキ「キン」の剥製(佐渡トキ保護センター蔵)
現在、中国、日本、韓国の3か国で飼育されているほか、3か国とも放鳥された野生個体がいる。 1735年頃に発行された『諸国産物帳』によれば、北海道南部、東北、北陸、中国地方に分布していた[13]。明治以降(1860年代後半以降)、20世紀初頭までに種個体群が壊滅し、1920?30年代以降は急速に希少化した[13]。 このような状況にあっても、1922年(大正11年)の『日本鳥類目録
本来の分布
日本
江戸時代の文献との差異及び、日本においては留鳥だったが、ユーラシア大陸東部では広域の渡りが行われていた[15]ことから、太平洋沿岸?九州・沖縄地方へは渡り鳥として飛来していた可能性がある[16]。
人工繁殖による種の再導入(英語版)以前における本州最後の生息地は石川県能登半島であり、日本最後の生息地は新潟県の佐渡島(現佐渡市)であった。2003年(平成15年)に最後の日本産トキ「キン」が死亡したことにより、現在、繁殖しているのは中国産の子孫である(種としては同一、後述)。 日本国外では極東ロシア(アムール川・ウスリー川流域)、朝鮮半島、中華人民共和国(北は吉林省、南は福建省、西は甘粛省まで)と東アジアの広い範囲にわたって生息しており、18世紀?19世紀前半まではごくありふれた鳥であった。 しかし、いずれの国でも乱獲や開発によって19世紀から20世紀にかけて激減し、朝鮮半島では1978年の板門店、ロシアでは1981年のウスリー川を最後に観察されていない。 野生では中華人民共和国(陝西省など)に997羽(2010年12月時点)[17] が生息している。 日本の佐渡島においても、2008年(平成20年)以降、人工繁殖のトキが放鳥されており、累計300羽を超えている(後述)。野生でも繁殖が確認され、2020年(令和2年)9月24日時点で、推定458羽が生息している[18]。 飼育下では、中国に620羽(2010年12月時点)[17]、韓国に13羽(2011年7月時点)がいる。日本では、2021年(令和3年)2月15日現在、175羽がおり[19]、佐渡市の佐渡トキ保護センターを主に、分散飼育されている(後述)。
ユーラシア大陸東部
種の再導入後の分布
現在の生息地
現在のトキの生息地
中国
陝西省
洋県、西郷県、城固県、寧陝県、周至県など
日本
新潟県佐渡市など[注釈 3]
韓国
慶尚南道昌寧郡 牛浦沼
トキが飼育されている施設
陝西省西安、:zh:??生態区