トゥーランガリラ交響曲
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音楽・音声外部リンク
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Messiaen:Turangalila-Sinfonie - スチュワート・グッドイヤー(P)、シンシア・ミラー(Odm)、パーヴォ・ヤルヴィ指揮hr交響楽団による演奏。hr交響楽団公式YouTube。
Olivier Messiaen - Turangalila symphonie - Duane Cochran (P)、Nathalie Forget (Odm)、Sylvain Gasancon指揮Orquesta Filarmonica de la UNAM (OFUNAM - メキシコ国立自治大学交響楽団)による演奏。当該指揮者自身の公式YouTube。

『トゥーランガリラ交響曲』(La Turangalila-Symphonie)は、オリヴィエ・メシアンの最初の大規模な管弦楽曲で、彼の代表作のみならず現代音楽の代表作のひとつとされ[1]、今日、メシアンの作品中最も頻繁に演奏されるもののひとつである。『トゥランガリーラ交響曲』『トゥーランガリーラ交響曲』などとも称される。独奏ピアノと独奏オンド・マルトノを伴う。
作曲の経緯

ボストン交響楽団の音楽監督を務めていたセルゲイ・クーセヴィツキーは、亡妻のナタリーの追憶のためにクーセヴィツキー財団を1942年に設立し、毎年有名な作曲家に管弦楽作品を依頼していた。財団の依頼によって同じころに作曲された曲にはバルトーク管弦楽のための協奏曲』、マルティヌー交響曲第1番』、ミヨー交響曲第2番』、ストラヴィンスキー『頌歌』などがある。

1945年6月、財団はメシアンに委嘱を行った[2]。しかし当時メシアンは『ハラウィ』ほかを作曲中であったために実際の着手は1年遅れた[3]。作曲中に構想は大きく変化した。最初は通常の交響曲と同様に「イントロダクション・スケルツォ・緩徐楽章・フィナーレ」の4楽章形式を持つ作品として構想され(現在の1・4・6・10楽章)[4]、ついでリズム・エチュードである3つの「トゥランガリーラ」楽章、第2楽章、第8楽章、最後に第5楽章が追加されて10楽章になった[5][6]

メシアンは1946年7月17日から翌々年の1948年11月29日にかけて作曲し、その後年末までかけてオーケストレーションを施した[7]

本作は、連作歌曲『ハラウィ-愛と死の歌-』(1945年)、無伴奏混声合唱曲『5つのルシャン』(1949年)とともに、中世の伝説「トリスタンとイゾルデ」からインスピレーションを受けた、愛と死を主題とする「トリスタン三部作」をなしている[8]

1948年2月に『3つのターラ』の題で3・4・5楽章だけの試験的な初演が行われた(2月14日に公開リハーサル、2月15日にコンサート)[9]

世界初演は1949年12月2日ボストンシンフォニーホールで、レナード・バーンスタインの指揮のボストン交響楽団によって行われた。なお独奏ピアノは、後にメシアンの2人目の妻となるイヴォンヌ・ロリオオンド・マルトノはジネット・マルトノが担当している[10][11]。作曲者の母国であるフランスでの初演は、1950年7月25日エクサン・プロヴァンス音楽祭において、ロジェ・デゾルミエール指揮フランス国立管弦楽団、イヴォンヌ・ロリオのピアノ独奏、ジネット・マルトノのオンド・マルトノ独奏によって実現した[12]

1990年に一部が改訂された。これは、自分の死後も作品が「正しく」演奏されるように、とのメシアン自身の意向から、指揮者への指示の書き込みを中心とした加筆である。チョン・ミョンフン指揮パリ・バスティーユ管弦楽団による同曲のレコーディングにアドヴァイザーとして参加したことがそのきっかけといわれている。この改訂に基づき、出版譜も直ちに改訂版に差し替えられた。
作品のタイトルについて

メシアンによれば、この曲の題名である「トゥーランガリラ Turangalila」は、2つのサンスクリット(梵語)“Tura?ga”と“L?l?”に由来しており、これらの言葉は古代東洋言語の多くの例に漏れず、非常に幅広い意味を有し、“Tura?ga”は「時」「時間」「天候」「楽章」「リズム」など、“L?l?”には「遊戯」「競技」「作用」「演奏」あるいは「愛」「恋」「恋愛」などといった意味があるとしており、この二語からなる複合語“Tura?ga-L?l?”には「愛の歌」や「喜びの聖歌」、「時間」、「運動」、「リズム」、「生命」、「死」などの意味があるとされる。また13世紀の理論家の命名による、インド芸術音楽の120種のリズムパターンのうちの33番目のものの名でもあり[13]、加えて女性の名としても存在する言葉であるともいう[13]

メシアンの未完の著書『リズムと色と鳥類学』には『サンギータ・ラトナーカラ』掲載の120のターラ(英語: Tala)(インドのリズム)の一覧を載せているが、Turangalilaはその33番目に載っている。ただし、このリズムそのものと交響曲に直接の関係はなく、響きがよいので曲名に採用したと断っている。なおメシアン自身は「トゥランガリーラー」(Touranegheuli—la—、「—」は長母音を意味する)が正確な発音と言っている[13][注 1][注 2][注 3]
構成

音楽・音声外部リンク
楽章毎に試聴する
(1) 序章
・(2) 愛の歌1
(3) トゥーランガリラ1・(4) 愛の歌2
(5) 星たちの血の喜悦・(6) 愛の眠りの園
(7) トゥーランガリラ2・(8) 愛の展開
(9) トゥーランガリラ3・(10) 終曲
Di Wu (P)、Thomas Bloch (Odm)、クリストフ・エッシェンバッハ指揮カーティス交響楽団による演奏。カーティス音楽学校(音楽院)公式YouTube《→全10楽章分再生リスト(カーティス音楽院公式YouTube)》。

全10楽章から構成され、演奏時間はスコアによれば1時間25分[14]


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