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変調方式
アナログ変調
AM | SSB | FM | PM
デジタル変調
OOK | ASK | PSK | FSK | QAM | APSK
モデム(英: modem)とは、アナログ信号をデジタル信号に、またデジタル信号をアナログ信号に変換することでコンピュータなどの機器が通信回線を通じてデータを送受信できるようにする装置[1][2]。変復調装置。
変調器 (modulator) と復調器 (demodulator) を組み合わせた装置なので、双方の名称から頭の数文字 (mo + dem) を採り命名されている[1]。 デジタル信号を伝送路の特性に合わせたアナログ信号にデジタル変調して送信し、伝送路からのアナログ信号をデジタル信号に復調して受信する。通信方式はITU-Tにより標準化されている。 通信回線の種類に応じた網制御装置 (NCU) を持つものが多く、誤り検出と再送信・データ圧縮などの機能を持つものもある。 単にモデムという場合は、コンピュータをアナログ電話回線(公衆交換電話網)に接続するための変復調装置を意味することが多い[1]。 広義には、コンピュータなどの機器と通信回線の間で信号の相互変換を行って通信を仲介する機器全般をモデムということがある[1]。 アナログ電話回線つまり人と人が音声で会話をするために使っている通話回線を用いてコンピュータ等でデータの送受信を行うための装置である。このタイプのモデムは、平易に言うと、デジタル信号をいわゆる「音」に変換し、またその音を元のデジタル信号に戻す装置である。送信側と受信側がそれぞれモデムを設置することで、音声通話用回線でもデジタル通信を行えるようになる。 このタイプのモデムは (300 - 3400Hz) という周波数帯域を利用し通信する。つまり音声可聴帯域周波数よりはかなり狭い帯域を使用する。(※)。(※)可聴周波数帯域は、健康な若い人の場合、およそ20Hz から 20000Hzと言われている[3]。公衆交換電話網の通信の品質(周波数特性)は、音声のコミュニケーションが一応できればよい、伝わる音はあまり高品質でなくてもよい、という考えで決定された経緯があり、その結果公衆交換電話網では周波数が高い音は伝わらない。公衆交換電話網が伝える周波数帯域は、健康で若い人の可聴周波数帯域よりもずっと狭い。それにあわせてモデムが使用する周波数帯域も狭められている。 このタイプのモデムの通信速度は300bpsから56kbpsである。 指定した電話番号を発呼してデータ通信を開始したり、外部からの着呼に応答して自動的にデータ通信を開始したりといった機能も備えていることが多い[1]。
概要
アナログ電話回線用のモデム
モデムをつかって電話回線経由で遠隔地のコンピュータ・LAN・インターネットなどに接続することをダイヤルアップ接続といい、パソコン通信や、2000年代前半ころまでの個人のインターネット利用では主要な手段として利用された[1]。
FAX機(ファクシミリ機器)と通信できるモデムをFAXモデム
なおアナログ音声回線には公衆交換電話網以外にも、専用線、私設線(利用者が施設内・建物内・敷地などに敷設した電話線)、無線電話などがある。モデムとこうしたアナログ回線を利用して、たとえばPOS装置のデータ集計、自動販売機のリモート情報収集、屋外の道路信号機や標識類とのデータ通信、コンピュータとコンピュータの1対1の接続などといったことができる[4]。電話回線さえつなげばデータ通信が可能になる。機器をサイバー攻撃が行われがちなインターネットから完全に遮断して、セキュリティを確保した状態でデータ通信を行うことができる、完全にプライベートな回線でデータ通信できる、など現在でも意味ある利用法は多々ある。 形状には次のようなものがある。 最初に商業的に利用可能になったモデムはBell 103 modemであり、1962年にアメリカのAT&Tから公表されたものである[5]。 日本では日本電信電話公社を民営化するため1985年4月に電気通信事業法が制定され、民間企業としての日本電信電話 (NTT) が誕生した。この法令の施行により、それまで省庁が個別に許認可制し、特別の事情だけに許可されていた「日本国内での通信事業」が、広く一般民間企業に開放された。これと同時に「端末の自由化」も行われ[注 1]、技術基準適合認定を受けた通信機器であれば自由に利用できるようになった。 この端末機器自由化は、アナログ信号の音声通話機器の自由化に加えて、デジタル信号を伝送するデータ通信も自由化された。それまでのデジタル通信は日本電信電話公社が1964年の東京オリンピック目前の1963年末の12月[6]に、国鉄の「みどりの窓口」と日本航空の座席予約システムコンピューターネットワーク接続のために開始したデータ伝送サービス 企業間のデータ通信は時代の当然の流れで機器の低価格化に伴い次第に個人レベルでのアーリーアダプターに広がり草の根のパソコン通信では音響カプラによる300bps使用、企業が乗り出してくるころには1200bpsのデータ通信への置き換え、パソコン通信のアクセスポイントへのダイヤルアップ接続、FAX通信をする手段となった。これによりパーソナルコンピュータに接続する電話回線用モデムが普及した。1994年の日本でのインターネット商用化を受けてこれがさらに加速し、当初は外付けだったモデムはパソコンの低価格と相まって、次第に内蔵が主流となった。 モデムはもともとはデジタル信号をアナログ信号に変換し、アナログ通信回線を通じて相手に送り、受信側はそのアナログ信号をモデムでデジタル信号に変換するものである。 しかし、デジタル信号をデジタル回線にそのまま載せるシステムとして1995年には世界に先駆けて日本でデジタル通信のためのISDN回線がサービス開始された。ISDNでは(「モデム」は本来アナログ回線を使うものであったので)それとはっきり区別するために「ターミナルアダプタ (TA)」と呼ばれた。1997年からの常時接続サービスにより一般使用も徐々に広がり、高速通信として使用された。データ通信は64kbps/128kbpsとなった。しかしアナログ加入回線が主流で、モデムのほうも広く一般に使用されつづけ、アナログ回線用モデムとデジタル回線用ターミナルアダプタが共存する時代となった。 2000年頃からADSL・CATVなどのブロードバンド回線が普及しはじめた。ADSLは(一般音声のための)アナログ回線を利用してのデジタル通信であり、ADSL仕様のモデムを利用する。これをADSLモデムという。ADSLは低価格化大容量化し一般に広く普及し、ADSLモデムも広く普及した。(一方、光ファイバー網のデジタル回線も普及し、デジタル回線を利用したデジタル通信が主流となってきた。) 公衆無線LAN接続・モバイルデータ通信定額制・インターネットFAXサービスなどの拡充によりモデムを使う用途は激減し、2000年代後半には、モデムはノートパソコンでも内蔵されないことが一般化した。
形状
単体の箱型(通信用シリアルポート(RS-232C、USBなどを備えたタイプ)
ドングル型
カード型(ボード型)(拡張カードやPCカードなどPCのスロットに挿すもの)
アナログ回線用モデムの歴史
世界における歴史が望まれています。 (2023年3月)
日本国内の歴史