デロリアン・モーター・カンパニー
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この項目では、元の企業について説明しています。現在の企業については「デロリアン・モーター・カンパニー (テキサス州)」をご覧ください。
デロリアン・モーター・カンパニーのロゴタイプ。

デロリアン・モーター・カンパニー (: DeLorean Motor Company) は、1975年から1982年まで存在したアメリカ自動車メーカーである。生産していたのはデロリアン・DMC-12のみである。

DMC-12という車両、およびデロリアンの名称は、世界的にヒットした映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ』に登場するタイムマシンのベースカーとして広くその存在を知られている。
企業概要

1975年10月24日、当時ゼネラルモーターズ(GM)の副社長であったジョン・デロリアン(英語版)が、理想の車を作るためにGMを辞職し独立して自ら設立したのがデロリアン・モーター・カンパニー(Delorean Motor Company Ltd.、DMC)である。本社はミシガン州デトロイトに、製造工場はイギリス北アイルランドベルファスト郊外、アントリム県ダンマリー村にあった。

北アイルランドへの工場誘致の条件として交付されていたイギリス政府からの補助金が停止された。後にエンロンの会計監査も行ったアーサー・アンダーセンが、デロリアン社の資金を社長ジョン・デロリアンが私的に流用するなどしたことを黙認していたことがマスメディアの調査などで明らかになっている。

さらに1982年10月19日に、社長のジョン・デロリアンがコカイン所持容疑で逮捕されるスキャンダルが発生したことにより、会社は資金繰りが立ち行かなくなり、倒産に至った[1][2]。同年10月26日にデロリアン・モーター・カンパニーが破産を申請した[3]
DMC-12詳細は「デロリアン・DMC-12」を参照デロリアン・DMC-12

長い開発期間を経て1981年に登場した同社唯一のモデル・DMC-12は、イタルデザインジョルジェット・ジウジアーロがデザインし、ロータス・カーズが機械設計を請け負った。

当初は好調な売り上げを記録したが、高額さや大量の解約の発生などから、発売翌年以降は売り上げ不振に陥った。

1981年1月21日から1982年12月24日までの間に推定8,975台のデロリアンが製造された[4]、そしてこれらの車の約6,500台が生き残った[5]
ジョン・デロリアンとDMC-12のその後

これら多くの逸話・スキャンダルを伴った希少性と、生産終了後の映画「バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ」での活躍によって、DMC-12は1980年代を代表する著名なカルト車となり、21世紀初頭の現代でも多くの自動車マニアコレクション対象となっている。倒産後のデロリアンの設備ならびに社名譲渡の権利を取得したスティーブン・ウィンは、2022年現在も「デロリアン・モーター・カンパニー」の社名でDMC-12のオーナーに修理用パーツを供給し続けており、1台丸ごと新車を組み立てることも可能である。

ジョン・デロリアンは麻薬密売への関与の疑いで逮捕されたが1984年8月に無罪判決が下った[6]。彼はその後も新たな高性能車を創造する計画を抱いていたが、新モデルの開発・発売を果たすことなく、2005年3月19日に死去した[7]
その他

新車発売当時は、
日産が販売ディーラーになるとの話もあった[8]

日本の公道で走行するためDMC-12が車検を取得した場合、自動車検査証の車名表記は「デローリアン」となる。

かつて北海道函館市にあった、函館出身のロックバンドGLAYの記念館、Art Style of GLAYでは、鏡の部屋に半分だけのDMC-12が展示されてあり、観覧客が乗り込むことも可能だった。これは、メンバーのHISASHIお気に入りの映画が『バック・トゥ・ザ・フューチャー』であることと、自身の車好きのためだと推測される[注 1]

映画評論家の有村昆が所有し、メディアで度々取り上げられていたが、2015年に売却。

俳優の京本政樹も所有しており、一度は手放していたが2013年に再度入手している。

USJの物はバック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライドクローズ時に460万1000円でオークションで売却されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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