デルタ_IV_ヘビー
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デルタ IV ヘビー
ヴァンデンバーグ空軍基地からのデルタ IV ヘビーの打ち上げ
基本データ
運用国 アメリカ合衆国
開発者ボーイング
運用機関ユナイテッド・ローンチ・アライアンス
使用期間2004年 - 2024年
射場

ケープカナベラルSLC-37B
ヴァンデンバーグ AFB SLC-6(英語版)
打ち上げ数16回(成功15回)
打ち上げ費用3億7500万ドル[1]
原型デルタIV
公式ページDelta IV
物理的特徴
段数2段
ブースター2基
総質量733,000 kg
全長72 m
直径5 m
軌道投入能力
低軌道28,790 kg
200 km × 28.7°
静止移行軌道14,220 kg
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デルタ IV ヘビー (デルタ9250H) は、デルタ IVロケットシリーズの最大の構成である。2004年に初めて打ち上げられた[2]2018年ファルコンヘビーが打ち上げられるまでは、その打ち上げ能力は運用中の打上げシステムとしては世界最大であった[3]。最後の機体は2024年に打ち上げられた。
概要

デルタ IV ヘビーの構成は、デルタ IV のモジュラーシステムのメインロケットであるコモン・ブースター・コア (CBC) を、同一形式の1基をメインとして中央に据え、2基を液体ロケットブースターとしてその両脇に配したものとなっている。推進剤[4]は3基とも同量であるため[5]、離床時には3基全てのロケットを全力運転した後、44秒後からは中央のロケットの推力を55%まで下げ、ブースター分離後のために温存する。ブースターは打ち上げ後242秒後に燃焼終了し、続いて中央のロケットの推力を最大にした後、ブースターは分離される。中央のロケットはその86秒後に燃焼終了し、2段目以降を分離する。[6]

初打ち上げは2004年だが、これは試験用ペイロードを搭載したが、予定よりも低い軌道で分離され部分的失敗に終わった[7]。最初の実用ペイロードはDSP-23衛星で2007年に打ち上げに成功した。2013年までに5機の国家偵察局の画像と電子偵察衛星の打ち上げに使用された。[要出典]

2023年6月に最後の機体の製造が完了した。後継としてはULAヴァルカンで6本の個体ロケットブースター構成が予定された[8]。これは2024年4月9日(日本時間4月10日)に打ち上げられ、成功した[9]
諸元

デルタIVヘビーの打ち上げ能力:

低軌道 (LEO), 200 km × 28.7°: 28,790 kg (63,470 lb) [10]

低軌道 (ISS), 407 km × 51.6°: 25,980 kg (57,280 lb) [11]

静止トランスファー軌道 (GTO): 14,220 kg (31,350 lb)[10]

静止軌道 (GEO): 6,750 kg (14,880 lb) [10]

月遷移軌道 (LTO) 10,000 kg (22,000 lb) / 火星遷移軌道 8,000 kg (17,600 lb) [12]

デルタIVヘビー仕様の打ち上げ総重量はおよそ733,000 kg (1,616,000 lb) である。
打ち上げ実績

初打ち上げは2004年で、ボイラープレート(英語版)を積載して打ち上げられたが部分的に失敗した。液体酸素系のキャビテーションが原因で両方のブースターが予定よりも8秒早く停止し、コアエンジンは9秒早く停止した。この結果、速度が不足し第2段でも補いきれなかったため、ペイロードは予定よりも低い軌道で分離された[7]

2014年12月、デルタIVヘビーは無人のオリオン多目的宇宙船の試験打ち上げ (EFT-1) に使用された。当初の打ち上げ予定の12月4日から1日遅れて[13]、12月5日に打ち上げられ、成功した[14]

2018年8月12日には、太陽探査機パーカー・ソーラー・プローブの打ち上げに成功。太陽に肉薄する軌道に投入するために必要な多大なΔv[15]を実現するための抜擢であった。同機はその近日点が極端に太陽に近い軌道により、人類が作ったものの中で史上最も加速された物体(約200km毎秒に達する見込み)となる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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