若杉公徳の漫画『デトロイト・メタル・シティ』に登場する人物の一覧。 インディーズ界でカリスマ的人気を誇る悪魔系デスメタルバンド。メンバーはヨハネ・クラウザーII世(Gt,Vo)、アレキサンダー・ジャギ(Ba,Vo)、カミュ(Dr)の3人構成。キッスや聖飢魔IIなどを彷彿とさせるフェイスペイントと衣装が特徴。熱狂的な信者(ファン)の間でクラウザーを中心とした各メンバーの数々の「伝説」がまことしやかに語られている。 デビュー初期よりその過激なライブパフォーマンスで話題を集めていたが、ブラックメタルの帝王ことジャック・イル・ダークから伝説のギターを託されたことで知名度を拡大。それを快く思わない他アーティストから次々と対バンを申し込まれるも、ことごとく勝利を収める。また、ゲリラライブ中に止めに入った警察官を暴行する[1]など、実際に犯罪を犯しているが、事件現場からうまく逃げ出し、本当に本物だったのかどうか誰も確認できないため、逮捕はおろか事情聴取さえされることなく活動を続けており、ネット上においてもその人気は過熱の一途を辿っている。 一方で、雑誌『アモーレ・アムール』で行われた「ゲテモノバンドランキング」で1位に選ばれたり、週刊誌で「子供には聞かせたくないアーティスト」として認識されたり、「ファンになった」と語られただけで友人と絶交する者が出るなど一般人にはほとんど受け入れられておらず、楽曲の差別的内容に反発も多いため「メンバーは薬物中毒者や連続レイプ犯らしい」などの批判的な噂も流れている。また、実際に(故意・過失を問わず)彼らの活動によって人生を台無しにされたり物理的な被害を受ける人間も少なくない。 代表的なパフォーマンスは「DMC地獄の人文字(でぃー・えむ・しー じごくのひともじ)」。これを見た全ての者は皆呪われるという。ジャギがD、クラウザーがM、カミュがCのポーズをそれぞれ担当するが、多彩なバリエーションがある。
「声」はOVA版の担当声優、「演」は実写映画版の担当俳優。
デトロイト・メタル・シティ(Detroit Metal City)
根岸 崇一(ねぎし そういち)
声 - 岸尾だいすけ[2] / 演 - 松山ケンイチ本作の主人公。大学進学に伴い犬飼町(現豊後大野市)から上京してきた、心優しい青年。初登場時点で23歳、童貞。身長170cm、体重58kg、血液型A型。大学の同級生の相川に自作曲を誉められたことがきっかけで、プロを目指すことを決意。卒業後にインディーズレーベル「デスレコーズ」と契約したが、本人の意に反し、DMCのフロントマン「ヨハネ・クラウザーII世」として活動していくことになる[3]。ポップミュージシャンを目指し、クラウザーとしての仕事の傍ら、事務所には秘密で路上でギター片手に自作曲を歌っているが、相川と佐治以外の大多数からのウケは芳しくない。一方でクラウザーとしては常に天才的なパフォーマンスを発揮し、とりわけギターテクニックは非常に高いのだが、普段の生活においてそのテクニックが発揮されている様子は見られない。マッシュルームカット[4]・痩せ型で「ゴボウ」と揶揄されるひ弱そうな外見だが、農業を手伝っていたためか、牛の世話や草刈り、トラクターの運転など、高い農業スキルを持ち、体力もそれなりにある。酒は飲めるが、あまり強い方ではない。大学ではフランス語を専攻していたため、フランス語で会話ができる。紅茶を飲みながら、カヒミ・カリィのホームページと、加藤ローサと山野花江(後述)のブログをチェックすることが日課。好きな映画は『アメリ』。いわゆる渋谷系のアーティストを信奉しており、特にカヒミ・カリィは全てのアルバムを所持するほどの大ファン。スウェーディッシュポップやフレンチ・ポップスなども嗜好する。映画版での携帯の着信音はフリッパーズ・ギターの『恋とマシンガン』であった。嫌々クラウザーを演じている身だが、怒りや嫉妬心などでテンションが上がった時は、自然にクラウザーの人格が顔を出す。この状態では罪悪感がなくなっているため、周囲の者が被害を被ることも多い。またファミレスで3日間かけて相川のバストサイズを計算するなど、クラウザー化していなくても追い込まれた時は特に超人的な能力を発揮する。基本的にクラウザーとしての自分を嫌悪していることからライブ後の打ち上げにもほとんど顔を出さないが、メンバーとの信頼関係は篤く、対バンなどを通じアーティストとして純粋に対抗心を燃やすなど、本質的には「バンド野郎」である。サタニック・エンペラー以降は徐々に人格がクラウザーと同化しつつあり[5]、日常生活でも頻繁にクラウザー的な言動が出るようになったり、自らの犯したクラウザーとしての悪行をあまり反省しないようになった[6]。北原に勝負を申し込まれた際、一度は断ろうとするも、北原のレベルの高い演奏に触発されたことで対抗心が生まれ勝負を請けるが、敗れて伝説のギターを奪われ、「メタルで負けた」ことにクラウザーとして初めて挫折を味わい自信を喪失。立ち直った後はメタルとの決別を決意し、一時的に行方をくらまし、オシャレなアーティスト志望の人々が集うシェアハウス「アートキワ荘」に身を寄せていた。しかし根岸の居場所を突き止めたデスレコーズ社長が送り込んできたメタルミュージシャン志望の男たちの影響によって復活、DMCとブラックデスDMCの対バンが行われている会場に駆けつけ、クラウザーI世との直接対決で見事雪辱を果たす。それから暫くして、カールス秀喜のゴッドとしての振る舞いを客観的に見た結果、今の自分に不信感を抱き、再びメタルとの決別を決意。