デトックス
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デトックスフットバス(足湯)。液体の錆びた色は、鉄電極の電気分解によるもので、排泄された毒素ではない[1][2]。水中に足がなくても水の色は変わる[1][2]デトックスウォーター(ハーブ、レモン、生姜)

デトックス(英語: detox, detoxification、「解毒」の短縮形)とは、代替医療の一種で、不特定の「毒素」(時間とともに体内に蓄積され、個人の健康に短期的にも長期的にも望ましくない影響を与えると支持者が主張する物質)を体から取り除くことを目的とする治療法である[3][4][2][5]。デトックスに関連する活動には、ダイエット、断食、特定の食品のみの摂取または回避、大腸洗浄(英語版)、キレーション療法、運動やサウナによる発汗などがある[4][2]。しかし、人間の体には、もともと不要な物質をろ過して排出する機能が備わっており、実証されていない デトックスを行う必要はない[6][7][8]

代替医療としてのデトックス(英語版)は、体内にたまった毒素老廃物を排出することで健康になると説明し、健康食品や医療機器を販売している[4][5][2]。デトックスと似た言葉に「クレンジング(洗う、浄化する)」があり、デトックスやクレンジングは、民間療法としてだけではなく、自費診療クリニックで高額な対価をとって提供されている[9][10]。デトックスの概念は瀉血浣腸、断食として数千年前から存在していたが[11]、その医学的根拠のなさから、科学者や健康団体から批判を受けている[12]。「毒素」は通常定義されておらず、患者に毒素が蓄積されたという証拠もほとんどない[13][4][5]。病気を患っている場合、デトックスの有効性を信じることで、本来の効果的な医療を受けるのが遅れたり、治癒の機会を逃すことがある[14]補完医療の名誉教授であるEdzard Ernstは、「デトックス」という言葉は、従来の依存症治療に対する医療用語を「起業家や詐欺師藪医者偽医療を売るために乗っ取った」言葉であると説明している[15]。イギリスの団体Sense about Scienceは、デトックス食や製品を「時間とお金の無駄」と評し[8]、イギリス栄養士会(英語版)はこの考えを「ナンセンス」「マーケティング神話」と呼んでいる[16]。 イギリスの国民保健サービス(NHS)は「デトックスと呼ばれる言葉自体が怪しいものであり、それを改善すると称している方法は全く無意味」と国民に警告している[17]。日本では、健康食品などに「デトックス」「血液サラサラ(血液を浄化する)」「好転反応下痢や吹き出物などを解毒作用の現われだとする)」といった医薬品的な効果効能表示(店頭や説明会における口頭での説明も含む)を行うことは、薬機法(旧薬事法)で禁止されており、健康増進法景品表示法違反になることもある[18][19][20]

医療としてのdetoxification(解毒)は、生理学的に生物の体内に溜まった有害な毒物を排出させることであり[3][21]アルコール依存症薬物依存症における薬物排出を目的とする[4][22][23][24]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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