デス・パレード
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デス・ビリヤード
監督
立川譲
脚本立川譲
原作立川譲
マッドハウス
出演者前野智昭
瀬戸麻沙美
中村悠一
筈見純
音楽田中廣太郎
製作会社マッドハウス
配給アニメミライ事務局
公開2013年3月2日
上映時間25分
製作国 日本
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『デス・ビリヤード』は、マッドハウス制作による日本アニメ映画作品。2013年3月2日に『アニメミライ2013』の1作として公開された。2015年1月から3月まで『デス・パレード』のタイトルでテレビアニメが放送された。

死者の魂が客として訪れ、その後の行き先をゲームで裁定される謎のBARを舞台に、人間の生きかたを描く。
概要

文化庁若手アニメーター育成プロジェクト『アニメミライ2013』の参加作品として『龍 -RYO-』『リトル ウィッチ アカデミア』『アルヴ・レズル -機械仕掛けの妖精たち-』と併せて2013年3月2日に公開された[1]。製作は約360カットを3人で制作しているうえ、若手7人のチームのうち5人は今作が初原画である。原作の立川譲は監督および脚本も務めており、作品の独特な世界はその作家性によるものが大きい。結末はリドル・ストーリー的に考察の余地を与えるものとなっている。

テレビアニメ『デス・パレード』も基本的な世界観・ストーリーは『デス・ビリヤード』に準じており、主人公のバーテンダーも引き続き登場する。
あらすじ
デス・ビリヤード
突如、謎の
BARに連れてこられた若者と老人に、バーテンダーらしき人物は「命を懸けてゲームをして頂きます。」と答える。2人ともわけがわからないままビリヤードエイトボール)を始めるが、若者は次第にこのゲームを疑うようになる。
デス・パレード
謎のBAR「クイーンデキム」に今日も2人の人物が来店してきた。バーテンダーのデキムは2人にデスゲームを行うよう、誘う。
登場人物
クイーンデキム
バーテンダー / デキム(『デス・パレード』)
声 -
前野智昭主人公。ノーナが担当するタワーの15階にあるBAR「クイーンデキム」の男性バーテンダー。裁定者になって5年目になる。感情を表に出さず、常に淡々とした口調で話す。裁定者であることに誇りを持っており、BARを訪れる客たちへの敬意を忘れない。糸のようなものを自在に操る能力を持ち、暴れた客を捕えたりする際などに使用する。カクテルを作る腕は、ノーナ曰く一流。自分が裁定した人間の、魂が抜けて人形と化した身体をすべて引き取り、クイーンデキムで保管している。知幸と共に過ごすうち、彼女の言動から「現在の裁定の方法は間違っているのではないか」と思い始める。やがて知幸たちのゲームを、死者の記憶を受け取らないまま極限状態を作ることもせずに行い、ゲーム終了後には「現在の裁定方法はやはり間違いだ」「裁定は人間に寄り添って行わなければならないものだ」と判断する。そのため、人間の感情を知ろうと知幸に彼女自身についての全てを訊き、その裁定を決意する。
女 / 黒髪の女 / 知幸(ちゆき)(『デス・パレード』)
声 - 瀬戸麻沙美ヒロイン。クイーンデキムの客の出迎え役。デキムと共にルールを説明し、客たちの行く末を見守る。気が強く、思ったことを口にする。生前の正体は21歳の大学生の女性。身長170cm(ハイヒールを含む)、体重47kg前後。血液型AB型。将来を期待されたフィギュアスケート選手だったが、思わぬ怪我で選手生命を断たれ、大切な友人や家族と上手くいかなくなってしまった。クイーンデキムを初めて訪れた時点で自分がすでに死んでいることを覚えており、ゲームへ誘導できなかったため、記憶を消されて裁定の期限を延長されていた。そして、次に目覚めて最初に出会ったノーナに促されるままクイーンデキムで働くことになったが、眠るたびに何度も見る夢と同じ内容の絵本『CHAVVOT』をクイーンデキムで見つけた際、自分が死者であることを思い出す。その後、自身の体が人形へ変化し始めたことを機に裁定を受け、その途中で自分の名前や『CHAVVOT』を母(声 - 伊藤美紀)に読んでもらった記憶を思い出し始める。クイーンデキムに用意されたスケートリンクでは、スケート中に全ての記憶を思い出す。死因は、膝の怪我でスケートができなくなったあと、自分以外の人間がすべて他人であることに気づき、自分が大切だと思っていたものが全て嘘のように感じられ、自分には何も無いと感じての自己嫌悪から浴室で手首を切ったことによる自殺だった。自身の裁定の際は間違いを犯しそうになるも、今までの裁定から得た答えによって踏み留まり、結果としてそれがデキムを変える原因となった。魂の行き先は「転生」。
『デス・パレード』より登場
ギンティ
声 -
細谷佳正「クイーンデキム」と同じタワーの20階にあるBAR「ウィーギンティ」を管理する非常に荒っぽい性格の男性。デキムと同期の裁定者で、人を裁定することに意味はなく、ただ自身の役割と考えている。こけし作りと手入れが趣味。思い入れのある死者に似せたこけしを作る事もある。マユたちが来るまでは1度も裁定に迷ったことがなかったが、自分の命よりも原田を優先したマユにだけは裁定を下せず、彼女をウィーギンティに留めていたが、原田の魂と見知らぬ男性の魂を選ばせることによってマユを裁定し、マユを虚無へと送った。最終話で、マユにそっくりなこけしを店に飾っていた。
ノーナ
声 - 大久保瑠美「クイーンデキム」と同じタワーの90階にあるBAR「ノーナーギンター」よりタワー担当として各フロアの裁定者を管理する女性。裁定者になって約82年になる。見た目は少女だが、デキムやギンティの上役であり、裁定者としても豊富な知識と経験を兼ね備えた聡明な人物。ただの人形に過ぎない裁定者が裁定を行う事に常々疑問を抱いており、オクルスの考えに背き感情を持った裁定者を作るべく暗躍する。
クラヴィス
声 - 内山昂輝いつも笑顔で愛想の良いエレベーター係の青年。たくさんのピアスに緑の髪などパンキッシュな外見をしている。
クイーン
声 - 白石涼子情報部の女性。元「クイーンデキム」の裁定者で、現在は裁定者に送る「死者の記憶」の編集業務を担当。移転当初は激務だと考えていた裁定者を抜けられると喜んでいたが、後にそれがぬか喜びであった事に気付いた。ノーナと仲が良く、おしゃべりと酒が大好き。
カストラ
声 - 柚木涼香死者をどの裁定者へ送るかを決定する、整理係の女性。無類の甘党で、常に飴を舐めている。
オクルス
声 - 玄田哲章全フロアの監視者を務める老人。ノーナよりも立場は上であり、神に最も近い男。裁定のシステムを作り上げた人物でもある。ノーナとスペースビリヤード(太陽系9ボール)をよくしているが、かなりの差で負け越している。裁定者とは違い瞳に十字が無い。顎についている花のつぼみのようなものを使って記憶を読み取る能力を持つ。クラヴィスの記憶からノーナの企みを知るが、彼女のしている事は無駄に過ぎないと断じた上で静観する。
ミーマイン
声 - 千葉泉ギンティと一緒にBARにいる右前足に包帯を巻いた黒猫で、ゲームの手伝いをしている。有田マユに懐いている。マユが虚無に送られた後、どこへともなく姿を消した。
ゲーム参加者
デス・ビリヤード

声 -
中村悠一BAR「クイーンデキム」に突如連れてこられた若者。学生時代にビリヤードの上手い彼女のため、毎日ビリヤード場に通った経験がある。クイーンデキムに来たのは、彼女の部屋を訪ねた後だという。死因は、彼女に包丁で刺殺されたことであった。魂の行き先は「転生」。
老人
声 - 筈見純クイーンデキムに突如連れてこられた老人。婆さん(妻)と2人暮らしをしている。若い頃に剣道を鍛錬していたうえ、ビリヤードも大会で優勝するほどの実力。人生の最後には、婆さんの糠漬けを食べて死にたいと思っている。クイーンデキムに来たのは、縁側でビールを飲んでいた後だという。実は学生時代に他の生徒をいじめていた事がある。魂の行き先は「虚無」。
男性客、女性客
声 - 竹内栄治西明日香上記2人の裁定が終わったあと、クイーンデキムに訪れた2人の客。
デス・パレード
第1話、第2話

たかし
声 -
中井和哉38歳の医師の男性。身長178cm、体重67kg。血液型AB型。趣味はダーツ。新婚旅行中だった真智子の夫。結婚式の当日に真智子の友人らが「マッチ」という人物の浮気話をしているのを聞いてしまい、その「マッチ」とは真智子のことではないかと彼女を疑う。死因は、新婚旅行の自動車運転中に助手席で鳴った真智子の携帯電話についての口論やよそ見に起因する、崖からの転落事故によるものであった。車ごとであったため、真智子と同時に死亡している。魂の行き先は「転生」。
真智子(まちこ)
声 - 川澄綾子27歳の女性。事務職をしており、結婚後は主婦になる予定だった。身長161cm、体重49kg。血液型A型。趣味は映画鑑賞。たかしの妻。実は妊娠しており、新婚旅行中に打ち明けるつもりだった。友人らの浮気の話も誤解で、「マッチ」という人物は「町田ゆうき」という女性のことだと明かす。ゲーム終了後には自分の言ったことはすべて嘘だと言ったが、誤解を招く原因となった「町田ゆうき」は実際、結婚式に呼ばれていた。しかし、夫とは別の男性と1回だけ肉体関係を持ったことも事実であった。魂の行き先は「虚無」。
第3話

三浦しげる(みうら しげる)
声 - 間島淳司Lynn(年少)21歳の大学生の男性。身長180cm、体重65kg。血液型O型。趣味はサーフィン。クイーンデキムに来た時点では、バスに乗っていたことのみ覚えていた。ゲームのプレイ中にすべての記憶を思い出し、彼女が高田舞だと知った上で告白する。ゲーム終了後、デキムに時間をもらい、告白を受け入れた舞とデートを楽しんだ。死因は、舞と同乗していたバス内で彼女へ声をかけた直後に発生した、同車の交通事故によるものであった。魂の行き先は「転生」。
高田舞(たかだ まい)
声 - M・A・O谷口夢奈(年少)21歳の大学生の女性。


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