デスマッチ_(コンピュータゲーム)
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デスマッチ (Deathmatch) またはFree-For-All(FFA、DM、プレイヤー vs 全員とも呼ばれる)は、シューティングゲームおよびリアルタイムストラテジーゲームに広く取り入れられているゲームプレイモード。通常はデスマッチゲームの目的は特定の状況または制限(通常はフラグまたは時間制限)に到達するまで可能な限り他のプレイヤーを多く殺害することである(殺害することを軍事用語由来のfrag(フラグ)と表現する場合がある)。一度状況の一つに到達したら試合は終了し、累計フラグ数が最も多いプレイヤーが勝利者となる。格闘ゲームレースゲームなどのジャンルで見られる対戦型マルチプレイヤーモードの進化系である。
説明

通常のファーストパーソン・シューティング (first-person shooter、FPS)デスマッチの試合では、プレイヤーはPeer to Peerモデルまたはクライアントサーバモデルでのコンピュータネットワークを経由して個々のコンピュータとローカルまたはインターネットで接続する。各個人のコンピュータはコンピュータのキャラクターが仮想世界で見る第一人称視点を生成する。 つまりプレイヤーはコンピュータキャラクターの目を通じて見ることになる。

プレイヤーは様々な操作システムを用いて仮想世界における彼らのキャラクターを操作することができる。パソコン使用時におけるゲームの操作システムは通常はマウスとキーボードを組み合わせたものになる。例えば、プレイヤーがマウスを動かせばキャラクターの視点を変えることができ、マウスボタンは武器のトリガー操作に用いることができる。キーボードの特定のキーで仮想空間内のキャラクターを動かすことができる他、しばしば機能が追加されている可能性がある。しかしながら、家庭用ゲーム機ではマウス+キーボードと同じ操作ができる多くのボタンとジョイスティックが搭載された手持ちの「操作パッド(コントローラー)」を使用する。プレイヤーはゲーム中にマイクとスピーカー、ヘッドセットを使うことで他のプレイヤーと対話することができ、パソコンでプレイしているならば「インスタントチャット」メッセージでも他プレイヤーとコミュニケーションをとれる。

ゲームでは全てのコンピュータと家庭用ゲーム機は仮想世界をキャラクターを十分すぎるほど早くリアルタイムでレンダリングするため秒単位のフレーム数が標準的なフルモーションビデオかそれ以上のようなビジュアルシミュレーションを生成する。家庭用ゲーム機のメーカー各社は自社製品にそれぞれ異なるハードウェアを用いているため、ゲームの質と性能はゲーム機ごとに異なることになる。

デスマッチはゲームによりルールと目的が異なっているが、典型的なFPSのデスマッチの試合は全プレイヤー対全プレイヤー(つまり自分以外の全員が敵)である。 ランダムな場所(事前に設定された場所のいずれか)から各プレイヤーが出現することでゲームは開始される。出現すれば必然的にスコア、体力、防具、装備がデフォルト値にリセットされることになり、通常はスコアは0で体力はフル(100%)、防具は無く、基本的な火器または近接武器を持った状態(素手の場合もある)で始まる。試合が開始した後でも任意のプレイヤーはゲームに参加またはゲームから離脱することができる。

この文脈に置いて「プレイヤー(Player)」は人間がゲームで操作するキャラクターでコンピュータソフトウェアのAIが操作するキャラクターはボット(bot)である。人間とコンピュータが操作するキャラクターの基本的な外観は同じであるが、大半の現代のゲームは任意のグラフィックモデル(スキン)を選択することができ基本モデルと操作方法は変わらない。人間のプレイヤーのキャラクターとコンピュータのボットはのキャラクターは身体的特長、初期体力、初期防備、武器容量、機動とスピードといった特長は同一である。すなわち彼らは実際に操作する部分を除いて平等にマッチする。 新人プレイヤーは人間の敵とコンピュータが操作する敵との差はほぼゼロに近い(すなわち経験、実際のスキルを考慮しない)。しかしながら、経験を積んだプレイヤーにとっては人間の知能を欠いたボットの大半に気づく。ボットの実際のスキルにかかわらず、知能の欠如は少なくとも例えば超人的な命中率とエイムなどでいくらか補正される。しかしながら、一部のシステムはプレイヤーがスコア表を見た時にどのプレイヤーがボットでどのプレイヤーが人間か意図的にプレイヤーに知らせることもある (例:OpenArena). この出来事ではプレイヤーが敵の性質に気づき、プレイヤーのスキルにかかわらず、プレイヤーの認知プロセスに影響を与える[1]

全ての通常マップには様々なパワーアップアイテムが登場する。例えば追加ヘルス、防具、弾薬や(通常より強力な)他の武器などである。一度プレイヤーがパワーアップを回収すれば、一定時間後に同じ場所に再び出現するが再出現までの時間はゲームモードとアイテムの種類によって異なる。一部のデスマッチモードではパワーアップアイテムは再出現することはない。特定のパワーアップは特に強力であり、しばしばゲームがパワーアップのコントロールをめぐる争いになることがある。すなわちその他の条件が等しいと仮定すると、[最も強力な]パワーアップをコントロールする(つまりアイテムを最も頻繁に収集する)プレイヤーは、最高得点を獲得する蓋然性が最も高いプレイヤーである。

各プレイヤーの目的はフラグ数を稼ぐために直接攻撃やマップを操作するなどあらゆる手段で他のプレイヤーを殺害することであるが後者はフラグ数にカウントされるかはゲームによって異なる。どちらの場合でも最も高いスコアに到達するためにこのプロセスは可能な限り多く繰り返さなければならず、かつ可能な限り早くキルし間隔をできるだけ短くしなければならない。 試合はタイムリミット、フラグ数リミット、リミットなしの可能性がある、もしリミットが存在するならばリミットに達し試合が終了する時に最もフラグ数が多いプレイヤーが勝者となる。

体力はプレイヤーが負傷しているかどうかで変化する。しかし、大半のゲームにおいてプレイヤーは負傷しても動作や機能の減退を伴わず、出血死することもない。プレイヤーは体力値が0以下に到達した時死亡し、もしその値が大幅なマイナスになった時、ゲームによっては身体がバラバラになることがある。大半のゲームではプレイヤーが死亡した(すなわちフラグされた)時、獲得していた全ての装備を失い、画面はプレイヤーが通常見る(未だに動いている)光景を表示し続け、それに加えてスコア表(フラグ数)も通常表示される。) 画面はプレイヤーの死亡時には暗転しない。通常、プレイヤーは直ぐに復活するか死んだままでいるかを選ぶことができる。

防具(アーマー)は受けたダメージを減少させることで体力の変動に影響を及ぼし、概念上体力の減少は実際にダメージを受けた時のアーマー値とは反比例するアーマー変数は、ダメージを軽減することによって体力変数に影響を及ぼし、体力の低下は、アーマーの値に反比例する概念である。 さまざまな実装における明らかな違いがある。 一部のゲームではダメージを受けたと推定される時に負傷した身体の場所を示すが、特に多くの古いゲームでは示されることはない。大半のゲームではアーマーがプレイヤーの動作を遅くさせることはない(すなわちプレイヤーが重量問題を経験することはない)。

ニュートン物理学は、しばしば幾分正確にシミュレートされているだけであり、飛行中にプレーヤが進路をある程度修正することが多くのゲームでできるようになっている。例えば、逆方向に移動することによって前方飛行を遅らせるかまたはコーナーの周りを飛び越えて飛行することができる。FPSゲームエンジンの物理に由来する他の注目すべきコンセプトは、バニー・ホッピング(bunny-hopping)、ストレイフ・ジャンプ(strafe-jumping)、ロケットジャンプ(rocket-jumping)などがあり、それら全てはプレイヤーがスピードや高さ、その他の属性を得るために問題の物理エンジンの特定の特性を活用したものである。 例えば、ロケットジャンプではプレイヤーはジャンプした直後に足下の床にロケット弾を打ち込むことで、ロケット爆発により通常のジャンプと比べてより高くジャンプする(自傷行為のためいくらか軽減されるが体力が減少する)。 利用可能なテクニックのタイプと、テクニックがプレイヤーによってどのように実行されるかは、ゲームにも依存するので、物理的な実装とは異なる。

死亡したプレイヤーが失った装備(普通はアーマーを含まない)は通常は早い者勝ちではあるが誰でも拾うことができる(殺害され、復活したプレイヤーでさえも可能)。

現代の実装ではゲームの開始後でも新たなプレイヤーが参加でき、各ゲームで参加可能な最大プレイヤー数はゲーム、マップ、ルールごとに任意であり、サーバーによって選択可能である。一部のマップは少数のプレイヤーに適し、一部は多数のプレイヤー用に適している。

もし試合がフラグまたはタイムリミットに達したら現在の試合が終了した後短時間で新たな試合が始まることになり、その猶予の間にプレイヤーはスコア表の閲覧、雑談、スコア表の背景として動くマップの疑似概観表示を普通は閲覧することができる。一部のゲームでは各プレイヤーに新たな試合への準備ができているとアナウンスできるシステムを搭載しているものがあるが、そのようなシステムがないゲームもある。新たな試合はサーバーに保持されているマップリストに基づいて違うマップになるかもしれないが、もしそのようなマップリストのローテーションがなければ常に同じマップになる可能性がある。


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