デストロン_(トランスフォーマー)
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デストロン(Destron)は、『トランスフォーマー』シリーズに登場する架空の組織。英語版ではほとんどの作品で「ディセプティコン(Decepticons)」、ビーストウォーズおよびカーロボットのデストロンガー・メタルビーストは「プレダコン(Predacons)」と呼ぶ。日本語版ではほとんどの作品で敵トランスフォーマーの組織名は「デストロン」に統一されていたが、2007年の実写映画版公開以降は日本でも英語版に基づいて「ディセプティコン」と呼ばれるようになった。日本国内においては「ディセプティコン」と「プレダコン」の区別が曖昧になっており、『ビーストウォーズII』のデストロン機甲部隊はディセプティコン的な特徴を持つにもかかわらずプレダコンのエンブレムを使用している。なお、プレダコンに対しG1時代のデストロンを「旧デストロン」と呼ぶこともある。
デストロン/Decepticons
沿革(Decepticons)

デストロンは、軍事用ロボット群「ミリタリー・ハードウェア」を祖先とする種族であり、サイバトロンとの対立は1000万年前からに及ぶ。トランスフォーム能力を得たのはサイバトロンより後である。

開戦当初、デストロンは軍事用ロボットを祖先にしており、サイバトロンを圧倒する火力を搭載していた。しかし、指揮系統の欠如によりその能力を活かすことができずにいた。それが980万年前にメガトロン/Megatronの誕生で激変した。彼は各地のデストロンを力で屈服させ、自らを頂点とする強力な指揮系統、支配体制を築き上げた。これにより、弱点の解消されたデストロンはさらに威厳を増し統率の取れた「デストロン軍団」へと変貌し、飛躍的に勢力を拡大させていくこととなった。

400万年前、メガトロン率いる一団がサイバトロンのエネルギー探索の阻止を図った際、サイバトロンともども地球に不時着し、1985年(番組スタート時を舞台をしているため、アメリカ版は1984年)まで機能を停止、軍団覚醒後は地球でのエネルギー奪取を主目的とするようになる。

しかし、この機能を停止している間、サイバトロン、デストロン内の他のトランスフォーマーでの戦い(『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』、『ビーストウォーズメタルス 超生命体トランスフォーマー』)が行われ、同作品では、スタースクリーム、サウンドウェーブなどが休止状態で出演している。この時はG1からの遺伝子であるジャガーが出演した。

なお、メガトロンらが旅立った後のセイバートロン星では、防衛参謀レーザーウェーブの率いる軍団が戦局の維持にあたり、デストロン優勢の状態が続いている。
支配体制、および編成

デストロンの支配体制はメガトロンによる独裁体制である。しかし、反メガトロンクーデターの発生が珍しくない状態となっている。軍事用ロボットを祖先とする彼らは戦うために生まれた存在であり、多くの者たちは戦いに大きな価値を持ち、好戦的な傾向を持つ。一説には、このことがセイバートロン戦争勃発の一因になったとも言われている[1]。洗脳を受ける前のビルドロンのようにデストロン系のトランスフォーマーがサイバトロン系のトランスフォーマーと友好的に共存していた例も存在している。

デストロンの構成員はほとんどが戦闘要員であり、輸送兵であるロングハウルなど、支援任務を持つ者であっても最前線での戦闘能力を有する。また、主戦力としてジェットロンなる航空部隊を有し、さらにそれ以外の兵士もほぼ全員が飛行可能であり、迅速な制空権の確保、そして作戦展開が可能である。

サイバトロンに比べると戦局に影響するような技術はデストロンの方が先行している。トリプルチェンジャーシックスチェンジャーといった多段変形能力者や合体兵士を先に投入したのはデストロンであり、また、動力源や食料の効率的な保存方法であるエネルゴンキューブもデストロン起源の技術である。

デストロンでありながらメガトロンの配下ではない者たちもいる。傭兵集団であるインセクトロンと、サイバトロン、デストロン双方と敵対したスモークスクリーン&ドレッドウィングである。
地球人との関係

サイバトロンが地球人との関係を良化していったこと、デストロンの暴虐により、デストロンは地球人から敵視されている。しかし、ショーン・バーガーやDr.アーカビルなど、少数ながらデストロンに味方する地球人も存在する。その後、『マスターフォース』における人間と機械体が融合するTF=ゴッドマスターの誕生により、地球人でありながらデストロン兵士となった者も出現している。

ただし、ダニエルと親交を結んだシックスショットや地球の街で土建業者を始めた恐竜戦隊のように、中には地球人と和解した例もある[2]
ウーマン・デストロン

デストロンの男女比は、大きく男性側に偏っている。サイバトロンにはエリータ・ワンやアーシーなどが存在するが、デストロンにはほとんど登場していない。登場した数少ないウーマン・デストロンとして、漫画版『V』のエスメラルやライザック、『ギャラクシーフォース』のクロミア、『ビーストウォーズリターンズ』のストライカ、『アニメイテッド』のスリップストリームが挙げられる。

ビーストウォーズの女性型デストロン(プレダコン)であるブラックウィドーは、元々はサイバトロン(マクシマル)のプロトフォームで、その後サイバトロンになるという複雑な経緯を持つ。アニメイテッドのブラックアラクニアも、元々は純粋なオートボットだったが、ある事件で醜い姿となりディセプティコンに寝返ったものであり、純粋なウーマン・デストロンではない。

「トランスフォーマー アルティメット・ガイド」には、女性のトランスフォーマーは偶然に発生するものとあり、トランスフォーマー全体の男女比が男性側に大きく偏っていることが示されている。
テーマソング

作中にて、デストロン軍団のテーマソングとして使われた曲として、以下の2曲が挙げられる。

トランスフォーマー ザ・ムービー』挿入歌「Instruments of Destruction」歌:N.R.G 製作:Ernie Burns子供の見るアニメに使う曲としては歌詞が凶悪すぎたため、オリジナルとは一部変更が加えられている(放送禁止表現参照)。


トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ』挿入歌「デストロン讃歌」歌:影山ヒロノブ 作詞:山川啓介 作曲:根岸考氏B編曲:石田勝範

その他

デストロンは、戦いのないときに遊んでいる描写がほとんど見られない(数少ない例としては、『V』でカクリュウが昆虫をコレクションしていたことを回想、『BWメタルス』でインフェルノらがトランプのようなゲームに興じていた場面がある)。ほとんどが戦いに備えているか、権力抗争をしているかであり、レクリエーションに力を入れていたサイバトロンとは対照的である。

ただし、カセットロンビルドロンインセクトロンスタントロンなど、メンバー間でのチームワークや連帯感が良い部隊は比較的多い。特にスタントロンは、レクリエーションを楽しむ姿が描かれた唯一の部隊である。

『初代』?『ザ☆ヘッドマスターズ』までに登場するデストロン兵士のほとんどは声にエフェクトがかかっており、メガトロンやスタースクリームら初期から登場している兵士には電子音的、本隊とは出自の異なるインセクトロンや後に開発されたスタントロンやコンバットロンには金属質な物と、区別されている。

デストロンシンボルはサウンドウェーブの顔がモチーフである。
その後のデストロン(Decepticons)


ザ・ムービー - 2010時代
詳しい経緯は不明だがムービー冒頭の解説ではサイバトロンを追いやりセイバートロン星の掌握に成功している。その後の地球での戦いの直後にメガトロンを宇宙空間に置き去りにしたスタースクリームがリーダーを継承しようとしていたが、ユニクロンによって再生したメガトロンことガルバトロンによってクーデターは防がれた。ユニクロン戦争終結時に一時ガルバトロンが行方不明になるが、ガルバトロンが舞い戻った後は軍を再編して再びサイバトロンとの戦いに突入する。
ヘッドマスターズ時代
ヘッドマスターズと呼ばれる新種のTFが参入。当初は今までと同じくガルバトロンが指揮を執っていたが、彼が行方不明の後戦死、その後釜としてメガザラックが全軍を掌握する。
ザ・リバース時代
ヘッドマスターズとはパラレルワールドの世界。惑星ネビュロスでガルバトロンはネビュロス人ロード・ザラクと共闘する。
マスターフォース時代
闇の総統デビルZに支配されており、ゴッドマスターやプリテンダーなる新TFを新たな戦力としており、地球軍ではオーバーロードがリーダーとなっている。この時代ではデストロンに加入した地球人も存在する。
V(ビクトリー)時代
デスザラスが実権を握り、封印された暗黒要塞を復活させようと目論む。
Z(ゾーン) - ザ・バトルスターズ - 合体大作戦時代
バイオレンジャイガー&九大魔将軍、帝王ダークノヴァ&スーパーメガトロン、総統スクラッシュ、と支配権が移り変わる。
G-2時代
サイバトロンと和解しセイバートロン連合を結成していたが、機械生命体以外の生物はすべて宇宙にとって悪になるとして地球への侵略を開始する。
マイクロン伝説 - スーパーリンク時代
旧シリーズ同様にメガトロンがリーダーとなって宇宙の覇権を狙い、サイバトロンとの争いを繰り広げていたが、地球にやって来た後は戦力としてマイクロンを巡っての戦いへと発展する。最終的には共通の敵ユニクロンに対してスタースクリームの犠牲により全面的な共闘姿勢を示す。対ユニクロン戦終結後メガトロンが行方不明になった後はデストロン残党が一時サイバトロンに組み入れられるも、ユニクロンの首を伴って復活したガルバトロンにより再編成されて戦争が再燃し、今度は新エネルギーである“
エネルゴン”の争奪戦となった。


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