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出典検索?: "デスクトップミュージック"
デスクトップミュージック(和製英語: Desktop Music 、略称:DTM)はパソコンを利用して楽曲制作をおこなう音楽制作手法の総称である。一般的にパソコン上のミュージックシーケンサーで楽曲を制作し、音源モジュールやソフトウェア・シンセサイザーで発音・演奏する。
DTMはDTP(デスクトップパブリッシング)をもじって作られた和製英語である。英語圏において同一の事柄は"Bedroom production(英語版)"、"Programming(Music Programming)(英語版)"などと呼称される[要出典]。
上位概念として、コンピュータを利用した音楽全般を指す「コンピュータ音楽」があり、これには自動作曲や音響合成、音響信号処理の利用が広く含まれる[1][2]。 この言葉が使われ始めたのは、ローランドから音楽ソフトのバンドル製品「ミュージくん」が発売された1988年ごろである。当時狭義のDTMはパソコンの使用を前提とし、かつ日常的な環境においてある程度限定された規模での音楽制作を指す場合が多い。ローランドのSCシリーズなどを始めとする音源モジュールをパソコンと接続し、その音源モジュール1台にボーカル以外のすべての演奏を任せるというシステムがDTMの一般的な形であった。 DTMはパソコンの使用が前提であるため、パソコンを使わず、シーケンサー専用機やシーケンサー内蔵シンセサイザーを単体で使用する場合はいわゆる打ち込みには含まれるがDTMとは通常呼ばれない。 ユーザーが楽曲制作上で中心的に操作するのは演奏データを入力し、自動演奏を行うパソコンのシーケンスソフト[注 1]である。パソコンのシーケンサーソフト上に表示される譜面に、マウスで音符や休符を置くといった作業、または音源モジュールと接続されたMIDIキーボードを演奏して、シーケンサーソフトにリアルタイム入力をするといった作業によって自動演奏データ/カラオケデータを作成していくのである。 DTMでミュージックシーケンサーを用いるのに対し、オーディオの録音や編集・ミキシングが可能な制作システムはデジタル・オーディオ・ワークステーション(DAW)と呼ばれ、後者は専用ハードウェアが必要であったこともあり、従来区別されてきた。時代が下るにつれ、パソコンベースのDAWの普及や、ミュージックシーケンサーのDAW統合が進み、DAWを用いたDTMも一般的となっている[3][4]。 通常の楽器演奏と比較した上でのDTMの長所・短所として以下の点が挙げられる。
概要
DTMにおけるシーケンサーソフトのデータ入力方法
譜面入力
シーケンスソフトの画面上に表示される五線譜に音符や調号をマウスで貼り付けていく入力方法。初心者にも分かりやすいが、音の強弱やピッチベンドなど、細かいニュアンスの入力には適していない。
数値入力
音の高さ、長さ、強弱などを数値にして、入力していく方法。初期のデジタルシーケンサーであるローランド MC-8で確立された入力方法で、その後のレコンポーザなどのシーケンサーソフトにも採用され、日本でDTMという言葉が普及する以前の「コンピューターミュージック」においては標準の入力形式であったと言える。MIDIデータそのものは本来数値データなので、現在でもほとんどのシーケンスソフトがエディットモードとしては備えている機能である。細かいニュアンスが出せるという特色があるものの、初心者には理解が難しいという欠点がある。
ピアノロール入力
オルゴールのシリンダーや自動ピアノのピアノロールと同様の考え方でデータを入力する方法で、画面の左側に音の高さを表す鍵盤が表示され、画面右側に音の長さを表す横向きのバーでグラフィカルに音程・音の長さを表示する画面(縦軸を音程、横軸を時間とする方眼紙状の画面)において、譜面入力と同様に音符に相当するデータを置いていく方法。音の発声開始タイミングや発声持続時間を「音符」という単位に囚われずに入力していくことができるが、鍵盤に慣れていない人にはわかりづらいという欠点がある。同様の入力方式に、発声開始タイミングだけを指定する「マトリックス入力」がある。これはローランドTRシリーズなどのリズムマシンに起源を発する入力方式で、持続時間を指定する必要のないドラムやパーカッション音源、1ショット(ループしない)サンプリング波形の再生などに使用するデータの入力に向いている。
リアルタイム入力
音源モジュールに接続されたMIDIコントローラー(キーボードなど)を実際に演奏して、データを入力する方法。楽器演奏が得意な人向き。アフタータッチの余分なデータやミスタッチも入力されてしまうという欠点がある。
Music Macro Language言語による入力
初期のパソコンでデスクトップミュージックをBASIC言語などで表現するのに使用されたが、現在でもごく一部のユーザーに、CUIや使い慣れたテキストエディタでほぼ完結して入力でき、コンパイラーソフトウェアが軽量であるために、他の方法と比べ飛躍的に高速に入力でき、細かい表現がしやすいため愛用されている。しかし、リズムの同期をしっかりとらないと曲の全体がずれてしまうという欠点がある。応用として、日本語で「ドレミ」などと表記できるストトン表記をすることができるソフトウェアがある。
DTMの長所・短所
長所
楽器が弾けなくても、パソコンの画面上の譜面に音符や休符を置いていけば、演奏可能となる。
楽器が弾ける人でも、自分のパート以外をパソコンに演奏させて、マイナスワン演奏(楽器版カラオケ)が楽しめる。それに関連して、特定のパートの楽器奏者が身近にいない場合、その代用として使える。
自分の演奏をパソコンに記録し、記録したデータを容易に修正することが可能である。
インターネットを利用して演奏データをやりとりすれば、場所や時間を越えた共同作業も可能である。
一般的な「楽器」という定義にとらわれない音を生み出すことも可能である。
短所
音源により差はあるが、楽器の響きをコンピュータで出すので、実際の楽器の音を完全には再現できない。
通常の楽器演奏の臨場感を再現するのは困難である。
DTMに必要なもの
パソコンとシーケンサーソフト
パソコンを中心とするため、パソコンとシーケンサーソフトは必須である。Windows・MacintoshのどちらでもDTMは可能だが、シーケンサーソフトの中には片方のOSでしか動作しないソフトもある。ソフトウェア音源の利用やパソコン上での音声データの編集など高速な処理を要する作業を行うのであれば高スペックのパソコンが必要となるが、そのような作業を行わないならば、対応OSなどの条件を満たす限り1990年代のパソコンでも十分利用可能である。
音源モジュールもしくはソフトウェア音源
2000年代前半頃までは、パソコンでの処理速度や操作性を考慮すると音源モジュールは必須であると考えられていたが、現在ではパソコンの性能向上に伴い、ソフトウェア音源のみで処理することもできるようになった。新たにDTMを始める際で音源モジュールを選択する場合、音源モジュールは複数の音色を同時に再生可能なマルチティンバーのもので、一般的な楽器音が揃っているタイプが望ましい。条件に当てはまる音源として後述のGM対応の音源モジュールが挙げられる。
スピーカーまたはヘッドフォン
音源モジュールにはスピーカーがついておらず、音を出すために別途スピーカーまたはヘッドフォンが必要である。
MIDIキーボード
マウスなどの入力機器でプログラミング(入力)することも出来るので、リアルタイムレコーディングを望まないのならば必ずしも用意すべきというものではない。