デジタルモンスター
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デジタルモンスター

『デジタルモンスター』は、1996年よりウィズが企画・原案を行い、1997年6月26日に大手玩具メーカーバンダイが発売した電子ゲームとその派生作品、およびそれに登場するキャラクターの名称。略称は「デジモン」。
概要

1997年6月26日にモンスターを育てる携帯ゲーム、『デジタルモンスター』の第一弾を発売。バンダイの商品ですでに成功していた育成ゲームたまごっちにバトル要素を加えた、男の子向けの「戦うたまごっち」をコンセプトとした。発売後、すぐに大ヒットとはならなかったが、後続のシリーズがリリースされていった結果、小中学生を中心に徐々に知名度と人気は高まり、日本全国の都市圏でデジモンキーやボルケーノ太田(当時はバンダイの所属社員だった)を司会者とするD-1グランプリという公式大会も開かれた。

携帯ゲーム以外でも、「デジモンワールドシリーズ」を筆頭とするビデオゲームトレーディングカードゲーム漫画などが次々とリリース。また、1999年にアニメ化・放送を開始した第一弾のアニメ『デジモンアドベンチャー』が大好評を博し、米国をはじめとする海外でもヒットするなど、メディアミックス戦略が功をなしてデジタルモンスターはキャラクターとしてその地位を一気に高めた。

携帯ゲームを初めとするデジタルモンスターシリーズには、全オリジナルシリーズ共通のバックボーンとなる世界観が用意されており、イメージイラストや専門用語も数多く存在する。ただし、アニメシリーズやそのタイアップであるゲームにおいては、独自の世界観を用いて展開している場合が多い。

現在でも新シリーズが登場し続けており、『狭義ではデジモンでないデジモン(デ・リーパー、デクスモンなど)』『同名だが、色やデザインが異なるデジモン』『他のデジモンの設定文のみに名前が登場するデジモン(オクタモンの設定文に名前が登場するフジツモンなど)』『ゲームのみに登場する、既存のデジモンと設定が若干異なるデジモン(デジモンストーリーサンバースト・ムーンライトのオファニモンコアなど)』『公募で採用はされたが、イラストなどは全く存在しないデジモン(デジモンウェブのドット絵コンテストで入賞したがイラストなどは無いテクノドラモンなど)』『デジクロスによる強化形態』『アニメや漫画のみの一時的な強化形態』などの存在もあるため正確な数の把握は困難である。公式が公式のデジモンとしてカウントしているデジモン数は、2014年7月時点で900体以上だと言及されている[1]

キャラクターデザインの大部分はウィズのチーフデザイナーである渡辺けんじを中心とし、北川原真を始めとしたデザイナーが協業する形で行っている。このメンバーには以前ボルケーノ太田も参加していたが現在は声優に転身・専念しているため、外れている模様。また、カードゲームの企画において様々なイラストレーターがイラストを描いたが、その中からガンダムウォーなどで知られるAs'まりあとnaoyaが前述の三人に加わり公式イラストを手掛けたこともある。

コピーライトには、擬人名称(ハウスネーム)である本郷あきよしという名が用いられている。名前の由来はウィズバンダイに所属する人物の名前を合わせたものである。
設定としてのデジタルモンスター
デジモンの世界観としての概要

"近未来に突如発生したデジタル生命体を捕獲しキーホルダーサイズの機械の中で育成する"というのが大元の設定である。また、関連掲載誌や攻略本などに記載されている各デジモンや舞台背景の説明文において、研究者の活躍やその他の組織・人物についての説明がされている。

ハッカーがコンピュータ上でサイバーテロを行うために人工知能を備えさせたウイルスを広めたことがデジモンの始まりで、そのウイルスが世界中のデータを吸収して姿や性質を変え生物のようなものとなったものがデジモンである。パソコン上でデジモンキャプチャーというソフトを用いてデジタルワールドを映し、野生のデジモンを探すこととなる。発見したデジモンは、デジモンローダーというソフトの中に捕獲され、デジタマの状態でデジタルモンスター本体に移されることにより持ち歩き、いつでも対戦を行うことが出来るようになった。テイマーを始めとする、様々な利用者(ネットワーカー)が存在している。
デジモンの生命としての概要

各デジモン個体の詳細はデジモン一覧を参照。

デジタルモンスターは「デジタルワールド」と呼ばれるコンピュータネットワーク上の擬似電脳空間に生息する人工知能を持った架空の生命体である。様々な属性や世代に分かれており、現実の世界に存在する動植物、機械、人型や突然変異などを模した多様な種族が存在する。各デジモンの固体に関してはオリジナルとしての基本の設定が存在しており、アニメ作品に登場させる際に意図的に改変をする場合がある。また、アニメ作品の主役として新たに作られたデジモンにおいても同様であり、改変により基本の設定と異なる設定となる場合がある。これらの改変された設定は一部がアニメ作品を主題としたムック形式の図鑑などに、オリジナルである基本の設定と一緒に掲載されることがあり、アニメ作品と関連性の無い図鑑と見比べてみることが必要である。
生態
デジモンの身体は、細胞核のような要素を持つデジコア(電脳核)、その情報を元に構成される骨格であるワイヤーフレームと皮膚であるテクスチャからなる。デジモンの姿にはデジモン自身がコンピュータ上のデータから読み取り学習したものと、人間がパソコンで作成したものとが存在する。それらは主に、ツールやゲームなどの様々なソフトから学び取ったものである。デジモンは主にデジタルワールド上の食物を食べて生活し、さらにはネット内の様々なデータやプログラムも吸収し餌としている。また、デジモンの生命活動を維持するためには電気が必要であり、これは人間で言う酸素に相当する。デジモンは現実の生物と同じように卵(デジタマ)から誕生し、病気や怪我などの外的要因や寿命で死亡する。大人しい気性のデジモンもいるが、基本的に野生の本能による闘争心が強い種族であり、“戦闘種族”や“戦う種”とも称され、デジタルワールドはほぼ常に戦いに満ちている。デジモンは成長の節目でより強力な形態へと(場合によってはそれまでより弱い姿へと)「進化」する。この「進化」は恐竜型のデジモンが獣型やサイボーグ型になるなど、現実の生物の進化とは異なり、その個体が自らの構成データを大きく書き換え成長することを言う。成熟期に至るまでは元々持っている因子や、生活の仕方や戦闘経験、住まう環境の変化などにより、様々な進化形態へと分岐する。成熟期以上のデジモンは他のデジモンたちと戦い、勝って勝率を上げることでより強力な完全体や究極体のデジモンへと進化することができる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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