デジタルビデオカメラ
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プロ野球を撮影する放送用ビデオカメラ

ビデオカメラ(video camera)とは、ビデオ(映像信号)で映像(動画)を撮影するためのカメラ。

(ビデオカメラ(カメラヘッド)と録画部(ビデオデッキ)が一体化したものについてはカムコーダも参照。)
概要
原理

レンズを通した映像を、古くは撮像管、現在ではCCD撮像板などの個体撮像素子に結像させ、それを電気信号であるビデオ信号として出力する。信号は、画面を細かく区切っていきそれを端から時系列に並べたものとなる。画面の区切り方は、ビデオ信号の規格に従う。

最初に開発されたビデオカメラは撮像管と機械式シャッター(回転円盤によって機械的に画面の一部を撮影していくもの)を組み合わせたものであった。次世代のビデオカメラは、撮像管に画面の一部を切り出す機能を搭載し機械式シャッターを追放したものとなった。更にその次世代は、撮像管を廃して半導体による撮像板を採用している。
画質

画質面では、放送用、業務用カメラが高性能で、民生用カメラはそれに劣る。しかしこの差は、徐々に埋まってきている。監視用カメラでは、そもそもあまり画質は要求されない。
分類

ビデオカメラは、さまざまな要素から分類することができる。必須では無いが多くの製品には音声を収録するマイクや音声入力と音声信号を撮影したビデオ信号の音声領域に付加する機能が搭載されている。
用途池上通信機のテレビ放送用ビデオカメラSony BETACAM-SP 放送用、業務用ビデオカメラ「Digital 1000」キヤノン EOS 5D Mark III
(EF 135mm F2レンズを装着)基本的なステディカムの装備。キヤノン HD 民生用ビデオカメラ(カムコーダ監視カメラ

ビデオカメラには用途に応じてさまざまなものが存在する。用途で大別すると以下のような分類ができる。
放送用ビデオカメラ。(: Professional video camera、television camera)

業務用ビデオカメラ。

民生用ビデオカメラ。

固定型ビデオカメラ。

放送用ビデオカメラ「映画用カメラ」および「デジタル映画カメラ」も参照

放送用ビデオカメラは、絶対の信頼性と高画質・機動性を追求したビデオカメラの最高位に位置する存在であり、妥協を許さない製品である[1]

スタビライザーや三脚など関連する物品がシステム化されており、基本的には一式を導入する。

ソニーなどの電機メーカーの他、池上通信機などの専門メーカーもある。
業務用ビデオカメラ

業務用ビデオカメラは、ビデオパッケージ(カラオケ用画像撮影・結婚式や説明用ビデオの撮影・等)など、コスト管理にシビアな映像を高画質で撮影することを主な目的としたカメラ。放送用に次ぐ高い画質とハードな使用に耐えうる堅牢性が求められ、使用するに当たってはある程度以上の知識と操作の習熟が必要である。

電機メーカーや専門メーカーが放送用の下位モデルとしてラインナップしていることがある。近年では小型のカムコーダでも放送に耐えうる性能を有しており、制作会社にも導入が進んでいる[2]

2009年以降は、キヤノン EOS 5D Mark IIなどの動画撮影機能が標準採用のデジタル一眼レフカメラ(静止画撮影目的の一眼レフカメラ)の登場に伴い、業務用ビデオカメラの代わりにデジタル一眼レフカメラが使用されつつある。デジタル一眼レフカメラ用のスタビライザー、ヘッドフォンマイク外部モニタ液晶ファインダーなど動画撮影用の機材も登場している。

業務用ビデオカメラ用として使用する記録媒体は、転送速度の速さと大容量により、CFカードが使用されている。
民生用ビデオカメラ

民生用ビデオカメラは、映像撮影・映像製作を業としない一般市民が、プライベートな目的で動画を気軽に撮影することを主な目的としたカメラ。画質や堅牢性については、業務用ほどは高い要求がされない反面、素人でもそこそこの動画が撮影できるような、分かりやすい操作性などが求められる。業務的な利用がなされるものと比べて、たとえば照明明度などはよりシビアな状況で使われることがあるため、最低撮影照度などでは業務用を上回る性能を持つ部分がある。また本体が小型なものが多いために手ぶれが発生しやすいことを見越し、各社とも『手ぶれ補正』などの技術を投入している。

近年では民生用であってもビデオパッケージには十分な映像が得られ、画質を優先しなければ放送可能なレベルになっているため、メーカーでもハイエンドモデルにXLR端子を追加するなどプロユースを想定した設計を行っている[3]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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