デザイン
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「図案」はこの項目へ転送されています。マルマンのスケッチブックブランドについては「図案シリーズ」をご覧ください。

デザイン(英語: design、: 設計[1])は目的設定・計画策定・仕様表現からなる一連のプロセスである[2][3]。すなわち人・ユーザー・社会にとって価値ある目的を見出し、それを達成できるモノゴトを計画し、他者が理解できる仕様として表現する、この一連の行為をデザインという[4][5][6][7]
定義

デザインが指す範囲は時代を経て変化し続けており[8]、様々な定義がなされている。

日本デザイン振興会は次のようにデザインを定義している[2]。「常にヒトを中心に考え、目的を見出し、その目的を達成する計画を行い実現化する。」この一連のプロセス ? 日本デザイン振興会

スティーブ・ジョブズは次のように定義している[9]。It's not just what it looks like and feels like. Design is how it works. ? スティーブ・ジョブズ

学術的に広く用いられる[10]定義の1つに次がある[3]。To create a specification of an object, manifested by an agent, intended to accomplish goals, in a particular environment, using a set of primitive components, satisfying a set of requirements, subject to constraints.
特定環境・制約・要件下での目的達成を意図して、ある主体が、基本的な構成要素を用い、対象の仕様を生み出すこと ? Paul Ralph & Yair Wand

すなわち人・動物・コンピュータといった主体が[11]、特定環境・制約・要件下での目的[12]達成を意図して[13]、様々な要素(還元していくと基本要素にたどり着く)の組み合わせによる作品・システム・プロセスといったデザイン対象[14]の仕様を、仕様書・計画・想像図・模型・対象そのものといった形で[5]生み出すことをデザインという。他には次のような定義がある。Design is a relationship between form and content.
(デザインとは形と中身の関係である) ? ポール・ランド

ハーバート・サイモンは「デザインとは, 現状を少しでも望ましいものに変えようとするための一連の行為である。」とした[15]。また、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}デザインの本質は「関係の構築」である。そのため、関係を構築するために形を作ることにデザイン本来の役割がある[要出典]。
語源

デザインの語源はデッサン (dessin) と同じく、signum(印)を語幹とし[16]、“計画を記号に表す” という意味のラテン語「designare」である[17]。意味は “表示する”、“指し示す”、である[18]。そこからイタリア語→フランス語→17世紀に英語となる。伝わった当初は計画や規定の意味で、その後ものの外観や機能を表す図絵の意味となっていく[16]

20世紀初頭から広く用いられるようになった[19]
和名

カタカナ語で「デザイン」と呼ばれるのが一般的である。漢語訳は定まっていない。一例として「構想」が挙げられる[20][21]グランドデザイン/全体構想[22])。戦前には、産業に応用される工芸技能・美術の商業応用といったニュアンスから「産業工芸」「商業美術」と呼ばれた[23]
関連語
設計

日本語における「設計」はデザインと近しい意味をもつ[24][25]。日本語にて「設計」「計画」と呼ばれるものが「デザイン」と同一であるならば本来的にこの語は不要なのであり、近代以降の日本において「デザイン」という語が必要とされてきたのは、設計や計画がもたらす美術性を日本人が自覚したからであり、それらの働きにおける美術的発現を指すのである[要出典]。
意匠・造形・装飾

物体が有する形状とその審美性を指す語として意匠スタイル)・造形装飾デコレーション)などがある。これらはデザインの黎明期から良く着目されてきた要素であり、デザインの対象として良く注目される。しかしあくまでデザインで扱われる一要素であり[26]、意匠とデザインは異なる概念である。
対象

様々なモノゴトがデザインの対象になる。例えばオブジェクトシステム図画設計図回路パターンプロセスなどが挙げられる。

建築家は建築のデザインを行っているものは、デザイナーと呼ばれる。建築家はデザイナーをも兼業し、デザイナーが建築家を兼務することもある。例として近代ではペーター・ベーレンスヘリット・リートフェルトらが挙げられる。
他分野との関わり
人間工学

デザインはヒトを中心に考える。すなわち人間にとっての快不快、それを生み出す心身や環境について熟慮しモノゴトを生み出す。これは人の体験すなわちユーザーエクスペリエンスを突き詰め工学的に利用する人間工学と共通している。
美術スペイン・マドリードのバラハス空港の新しいターミナル

形態・図案・模様レイアウトなどの美術的要素は審美性をもち、ヒトの心に影響を与える。ゆえにデザインの対象となりうるため、デザインは美術(アート)的側面をしばしば有する。美術の観点では「美術を実用品に応用する」と見做せ、応用美術とも呼ばれる。またその商業性から商業美術ともかつて呼ばれた[23]

産業革命の影響により、デザインの意識が高まり、アール・ヌーヴォーバウハウス機能主義、ウルム・スクール・オブ・デザインなどが登場した。アーツ・アンド・クラフツ運動によって生活と芸術の統一が課題になり、それを受け継いだドイツ工作連盟によって芸術と産業の統一が意図された。

ある程度、直感を採用するなど、仕事を創造するためのいくつかの方法は、 応用芸術と美術の分野で共通している。マーク・ジェットレイン[注釈 1]は、デザインの原則は「本能的」「組み込み」「自然」「正しさ」の一部であることを示している。
エンジニアリング蒸気機関車用のブースターエンジン用の図面。 エンジニアリングは、数学と科学の機能と利用を重視した設計に適用。

エンジニアリングでは、デザインはエンジニアリングプロセスのコンポーネントである。デザインは「心を想い、創造する、発明する[注釈 2]」ものであり、エンジニアリングは「科学的および数学的原則を設計、製造、運用する」ものである。すなわちデザインとエンジニアリングは共に問題解決の形式であり、その違いは「人が中心である」か「科学的原則が中心であるか」にある。ジョナサン・アイブは、このMacBookのような製品のデザインで数々の賞を受賞している。デザイン分野では、パーソナルコンピュータもデザインと生産の両方に使用されている


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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