デイヴィッド・コパフィールド
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、ディケンズの小説について説明しています。マジシャンについては「デビッド・カッパーフィールド」をご覧ください。

デイヴィッド・コパフィールド
David Copperfield
表紙
著者チャールズ・ディケンズ
イラストハブロット・K・ブラウン
発行日1850年
発行元Bradbury and Evans
ジャンル自伝的小説、教養小説
イギリス
言語英語
形態著作物
前作ドンビー父子
次作荒涼館

ウィキポータル 文学

[ ウィキデータ項目を編集 ]

テンプレートを表示

『デイヴィッド・コパフィールド』(David Copperfield)は、チャールズ・ディケンズの長編小説。1849年から1850年にかけて、雑誌に月刊連載された。「デイヴィット・コパフィールド[注 1]」「デーヴィッド・コッパーフィールド[注 2]」「デェヴィド・カッパフィールド[注 3]」@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}「デイヴィッド・カッパーフィールド」[要出典]など多数の表記ゆれがあるが、ここでは『デイヴィッド・コパフィールド」で統一する。

デイヴィッドは幼少期に辛酸を嘗めるが、大伯母に助けられ作家として成功する。個性豊かな人物が数多く登場し、また前半部は自伝的要素が強い。
あらすじ

デイヴィッドが生まれた時、すでに父は死んでいた。デイヴィッドの大伯母ベッツィ・トロットウッドは、女の子を希望していたため、男の子であったことに失望し、家を出ていく。心優しい母と陽気で献身的な乳母ペゴティーらとデイヴィッドは幸せに暮らしていたが、冷酷な男マードストンに言葉巧みに言い寄られて母は再婚する。結婚後マードストンとその姉はわがもの顔で家に居座り、母は心身衰えて死亡する。デイヴィッドはこの義父とその姉からひどい暴力を受けたが、母の死後は学校をやめさせられ酒屋に小僧に出される。貧乏人ミコーバーのもとで暮らすが、やがてミコーバーは借金のため逮捕され、デイヴィッドは大伯母に助けを求めるためにカンタベリーへ向かった。

カンタベリーで大伯母に保護されると、その友人である弁護士ウィックフィールドのもとで暮らし、学校に通うようになる。そこでは理想的女性のアグニス、不気味な悪人ユライア・ヒープらと知り合う。学校を卒業するとかつての旧友スティアフォースに出会い、その後一緒にペゴティー家のもとを訪れる。しかしスティアフォースは幼馴染エミリーと駆け落ち、デイヴィッドの心に深い傷を残した。

ロンドンで法律を学ぶためデイヴィッドはスペンローの法律事務所を訪れたが、そこの娘ドーラに一目惚れし、密かに婚約。ところが大伯母が破産、さらにユライア・ヒープが事務所を乗っ取ろうとしていることが判明する。スペンローが突如他界すると、デイヴィッドは速記を習得し報道記者として自立、ドーラと二人で暮らし始めるが、ドーラは伴侶として不足していることに気づく。一方、事務所を乗っ取ったユライア・ヒープに対し、その秘書となっていたミコーバーはユライアの姦計をみごとに暴き証拠として突きつけた。

病弱だったドーラは、病にかかるとまもなく死亡した。デイヴィッドはヨーロッパ大陸旅行に出かけることを計画するが、その出発前にスティアフォースが海で遭難して死んだのを知った。傷心のうちにヨーロッパを彷徨う中、デイヴィッドは自分の心はアグニスに惹かれていると自覚する。大陸で作家として成功したデイヴィッドは、イギリスに戻りアグニスと結婚して幸せになる。
主な登場人物
デイヴィッド・コパフィールド (David Copperfield
)
主人公。幼少期は不遇だが、大伯母であるベッツィに助けられ自己を形成していく。
クレアラ・ペゴティ
コパフィールド家の乳母。デイヴィッドには深い愛情を注ぐ。
ウィルキンズ・ミコーバー
貧乏人。だがかなりののんき者で、デイヴィッドは好意を持つ。家族と仲睦まじく暮らしている。
ベッツィ・トロットウッド
風変わりで神経質だが心優しいデイヴィッドの大伯母。幼少のデイヴィッドを保護し、成長を見守る。
ウィックフィールド
弁護士。大伯母の友人。
アグニス・ウィックフィールド
ウィックフィールドの娘。優しく賢く、デイヴィッドの理想的女性。
ドーラ・スペンロー
デイヴィッドの母親似で容姿が美しく、デイヴィッドが一目惚れし結婚。だが、妻としての能力はまったくない世間知らずで、病弱体質。
エミリー
孤児。ペゴティー家で育てられる。幼少時はデイヴィッドと仲がよかった。婚約を交わした相手がいながら、スティアフォースと駆け落ちする。
ジェームズ・スティアフォース
デイヴィッドのセイレム校時代の旧友。やや傲岸で誇り高い性格。
ユライア・ヒープ
ウィックフィールド事務所の書記。事務所とアグニスの乗っ取りをたくらむ大悪人。
作品解説

作者自ら「すべての著作の中で1番好き」と語っている通り、ディケンズの代表作である。モームが選んだ「世界の十大小説」の一つで、まとまりがディケンズの作品の中で非常によい。作者の自伝的要素が色濃い作品であり、主人公デイヴィッドが酒屋へ小僧に出されたり、法律事務所で働いたり、速記習得に励むのも、すべてディケンズが経験したことで、『オリバー・ツイスト』などでも描かれている。

多種多様な登場人物がこの小説の最大の魅力であり、のんき者のミコーバー、心優しいペゴティー、大悪人ユライア・ヒープなどは、今なお多くの人々に愛され続けているキャラクターである。
日本語訳

中野好夫訳『デイヴィッド・コパフィールド』(新潮文庫 全4巻、1967年、改版2006年)

石塚裕子訳『デイヴィッド・コパフィールド』(岩波文庫 全5巻、2010年)

旧版・市川又彦訳『デイヴィド・コパフィールド』(岩波文庫 全6巻、1950年)


田辺洋子訳『デイヴィッド・コパフィールド 新訳』(あぽろん社 上下巻、2006年)

漫画化

『デビッドの青春』(宮下さゆり
画、ユニコン出版、世界名作コミック15) 1977

映像化作品

1911年のサイレント映画以降、何度も映像化されている。

David Copperfield(1911年):シオドア・マーストン監督

David Copperfield(1913年):トーマス・ベントリー監督

David Copperfield(1922年):A・W・サンドバーグ監督

孤児ダビド物語 - The Personal History, Adventures, Experience, & Observation of David Copperfield the Younger(1935年):ジョージ・キューカー監督

さすらいの旅路 - David Copperfield(1969年):デルバート・マン監督

デビッド・コパーフィールド(1999年):サイモン・カーティス監督、BBCテレビドラマ


どん底作家の人生に幸あれ!(2019年) :アーマンド・イヌアッチ監督
.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、デイヴィッド・コパフィールドに関連するメディアがあります。.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この節の加筆が望まれています。

脚注
注釈^ 和治元義博、橋野朋子、立石美雪注釈『デイヴィット・コパフィールド』など。
^ 田中寅三註解『デーヴィッド・コッパーフィールド』など。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:14 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef