デイリーニューズ_(ニューヨーク)
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Daily NewsNew York's Hometown Newspaper

種別日刊紙
判型タブロイド
所有者デイリーニューズ・エンタープライゼス
編集者アンドリュー・ジュリアン(暫定)[1]
設立1919年6月24日 (104年前) (1919-06-24)(Illustrated Daily Newsとして)
政治的傾向ポピュリズム[2][3]
本社所在地 アメリカ合衆国 ニュージャージー州ジャージーシティ セオドア・コンラッド・ドライブ125
発行数平均55,653部[4]
OCLC9541172
ウェブサイトnydailynews.com
アメリカ合衆国

デイリーニューズ(Daily News)は、アメリカ合衆国ニューヨーク市の主要なタブロイド紙である。地名を冠してニューヨーク・デイリーニューズ(New York Daily News)とも呼ばれ、単にザ・ニューズ(the News)と略称される。本社はニューヨークに隣接するニュージャージー州ジャージーシティにある。

1919年にジョゼフ・メディル・パターソン(英語版)によってイラストレイテッド・デイリーニューズ(Illustrated Daily News)として創刊された。ニューヨーク初の日刊タブロイド紙だった。最盛期の1947年には1日240万部を発行していた。2019年現在では、アメリカで11番目に発行部数が多い新聞となっている[5]。なお、1855年から1906年まで発刊されていたニューヨーク・デイリーニューズ(英語版)とは無関係である。

現在のデイリーニューズは、トリビューン・パブリッシング(旧称 トロンク)の子会社が発行している。トリビューン社は2021年5月にオールデン・グローバル・キャピタル(英語版)の子会社のデジタル・ファースト・メディア(英語版)に買収された[6][7][8][9][10]。オールデン社による買収後、トリビューン社が保有する新聞の中でデイリーニューズの発行部門のみがデイリーニューズ・エンタープライゼス(Daily News Enterprises)として分離された[11]
歴史
イラストレイテッド・デイリーニューズ1921年2月5日号の1面。次期大統領ウォレン・ハーディングの妻フローレンス・ハーディング(英語版)を取り上げている。

『イラストレイテッド・デイリーニューズ』[注釈 1]は、ジョゼフ・メディル・パターソン(英語版)とそのいとこのロバート・R・マコーミック(英語版)によって1919年に創刊された。2人は『シカゴ・トリビューン』の共同発行人であり、トリビューン・メディア(英語版)創業者ジョセフ・メディル(英語版)の孫である[12]。『シカゴ・トリビューン』の編集方針について2人の間で意見の相違が生じ、2人はニューヨークで新たなコンセプトの新聞を創刊することにした。パターソンは、イギリスのタブロイド紙『デイリー・ミラー』を創刊したノースクリフ子爵に会い、タブロイド紙の利点に感銘を受けた。パターソンは1919年6月24日にタブロイド紙『イラストレイテッド・デイリーニューズ』を創刊した[12]。同紙は1993年までトリビューン・カンパニーが保有していた[13]
デイリーニューズ

1919年8月には発行部数が最低となる26,625部まで落ち込んだが[12]地下鉄で通勤するニューヨーカーたちがタブロイド紙の扱いやすさに気づき、読者は増えていった。創刊1周年の1920年6月には10万部、1925年には100万部を超えた。最盛期の1947年には日刊240万部、日曜版470万部を記録した[14][15]

デイリーニューズは写真を重視し、1920年から1991年までは「ニューヨークの写真新聞」(New York's Picture Newspaper)をスローガンとして掲げていた。デイリーニューズのロゴには、創刊当時からカメラの絵が使われている[16]。1942年にはカメラマンとしてイブリン・ストラウス(英語版)が入社し、ニューヨークで初めて女性カメラマンを採用した新聞社となった[17][18]:8, 31?32。

1985年からは、「ニューヨークの地元紙」(New York's Hometown Newspaper)というキャッチコピーを使い始めた。また、「ニューヨークの目・耳・正直な声」(The Eyes, the Ears, the Honest Voice of New York)というスローガンもある。ビリー・ジョエルは代表曲『ニューヨークの想い』で、ニューヨーク望郷の念をデイリーニューズとニューヨーク・タイムズに込めた。

スポーツ報道を得意とし、ビル・ギャロ(英語版)、ブルース・スターク(英語版)、エド・ムラウィンスキー(英語版)などの著名なスポーツ漫画家の漫画が掲載されている。かつてウォルター・ケイナー(英語版)がコラムを寄稿していた。C・D・バチェラー(英語版)らが風刺漫画を描いている。

1948年にはテレビ局WPIXを開設した。コールサインの"PIX"は、同社のスローガン"New York's Picture Newspaper"に因むものである。同局は、1963年にFMラジオ局WBFMを買収してWPIX-FMとした。テレビ局は1991年にトリビューン社の所有となったが、現在も旧デイリーニューズビルに拠点をおいている。ラジオ局はエムニス・コミュニケーションズ(英語版)に買収された後、2014年からはCBSラジオ(英語版)の所有となり、WFAN-FM(英語版)として、AMラジオ局WFANのサイマル放送を行っている。

1980年8月19日から1981年8月28日までの短期間、平日の午後に『デイリーニューズ・トゥナイト』(Daily News Tonight)を発刊していた[19]。これは、夕刊紙だった『ニューヨーク・ポスト』が1978年に朝刊の発行を始めたことへの対抗策だった[20]

1878年8月10日から11月5日にかけて、ニューヨークの三大新聞(ニューヨーク・タイムズ、デイリーニューズ、ニューヨーク・ポスト)の労働者がストライキ(英語版)を起こした。この間デイリーニューズは発行されなかった[21]

1982年と1990年代初頭にもストライキがあったことで、デイリーニューズは廃刊の危機に瀕した。1982年には、親会社のトリビューン・カンパニーがデイリーニューズの売却を検討した。1991年、ロバート・マクスウェルが資金援助して事業を引き継いだ。しかし、同年11月にマクスウェルが死去し、マクスウェル社が事業を維持するための資金的裏付けに疑問があるとして、デイリーニューズはマクスウェル社から分離した。編集長のジェームズ・ウィルス(英語版)が新聞の発行権を買い取り、暫定的に発行人となった。1993年にモーティマー・ズッカーマン(英語版)がデイリーニューズを買収した[13]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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