ディズニー・レジェンド(英語: Disney Legends)とは、アメリカ合衆国のエンターテインメント企業であるウォルト・ディズニー・カンパニーに対して多大な貢献をした者を讃えるために、同社が1987年に創設した賞である「ディズニー・レジェンド・アワード」(Disney Legends Award)を受賞した者に贈られる称号である。
この賞はウォルト・ディズニー・カンパニーが個人に与える最高の栄誉とされている[1]。 ディズニー・レジェンド・アワードはウォルト・ディズニー・カンパニー(ディズニー社)に並外れた貢献をした人物に授与される。ディズニー社やその子会社の社員・従業員だけでなく、ディズニー社と関連のある全ての人に賞を授与することができる。存命中の者だけでなく、故人に対して授与することもできる。 受賞者にはアニメーターや映画人のほかエンジニア、音響技師、写真家、翻訳家、建築家、造船技師、園芸家、彫刻家、指揮者、スポーツ実況者、会計士、シェフなど多種多様な分野の専門家・活動家・職人が含まれており、あらゆる側面からディズニー社に貢献をした者が受賞の対象となっている。 また、現在、ディズニー社の傘下・子会社であるピクサーやマーベル、ルーカス・フィルム、20世紀スタジオなどに対して貢献をした者も受賞者となっている。 1987年に賞が創設され、俳優のフレッド・マクマレイが最初の受賞者となった。翌年の1988年のみ授賞がなかったが、1989年から2008年までは毎年授賞が行われた。授賞式が開催された場所は、主にバーバンクのウォルト・ディズニー・カンパニー本社であった。 2009年からは、ディズニーの公式ファンクラブであるD23のファンイベント「D23エキスポ」(D23 Expo)において隔年で授賞式が行われようになった。ただし、2021年に開催される予定であったD23エキスポは新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる影響を受け、2022年に開催が延期され、ディズニー・レジェンド・アワードの授賞式も2022年に延期された。 2024年までに計318人[脚注 1]がディズニー・レジェンド・アワードを受賞しており、そのうち日本人の受賞者は、高橋政知(1998年受賞)、横山松夫(1998年受賞)、ヒデオ“インディアン”アラマキ(2005年受賞)、雨宮英雄(2005年受賞)、加賀見俊夫(2008年受賞)の5人である。 1998年10月16日、ウォルト・ディズニー・カンパニーの創立75周年を祝し、バーバンクのウォルト・ディズニー・カンパニー本社の一角に「ディズニー・レジェンド・プラザ」(Disney Legends Plaza)という新たなエリアが設けられた[2]。 プラザには、杖を持ったミッキーマウスの右手がモチーフとなっているブロンズ像が飾られている。ディズニー・レジェンド・プラザにあるブロンズ像 ミッキーの右手は螺旋状の模様に囲まれており、杖の先には星がある。これらの特徴は、受賞者のディズニー社に対する貢献や彼らの才能を以下のように象徴している。 このブロンズ像は、各受賞者にも同じものが贈られる。 また、プラザには、受賞者のサインと手形が刻印されたプレートも飾られている。受賞者のサインと手形が刻印されたプレート(1995年受賞のサール・レイヴンズクロフトのもの) 受賞理由は、受賞者のディズニー社における活動分野などに応じて、以下のようにカテゴリー分けされている。 複数の分野を受賞理由として受賞している者がいるため、下記の合計は318人にならない。
概要
賞の歴史
ディズニー・レジェンド・プラザ
右手を囲む螺旋…想像力(イマジネーション)、アイデアの力を表す。
右手…技術、鍛錬、職人技の才能を持つ。
杖とその先にある星…魔法を表す。その魔法とは、螺旋の表すアイデアの力と手が持っている技術が合わさって新たな夢を創造することであり、星は魔法が使われたことを象徴する。
受賞理由のカテゴリー
アニメーション(Animation)
映画(Film)
テレビ(Television)
演劇(Theatrical)
音楽(Music)
声優(Voice)
衣裳デザイン(Costume Design)
イマジニアリング(Imagineering)[脚注 2]
アトラクション(Attractions)
パークス&リゾーツ(Parks&Resorts)
出版(Publishing)
コンシューマープロダクツ(Consumer Products)
経営(Administration)
創業一族(Family)
賞に関する記録
受賞者数
受賞者総数…318人[脚注 3]
年度別の受賞者数
1987年…1人
1989年…10人
1990年…7人
1991年…9人
1992年…8人
1993年…10人
1994年…9人
1995年…9人
1996年…9人
1997年…19人
1998年…22人[脚注 4]
1999年…9人
2000年…10人
2001年…10人
2002年…10人
2003年…11人
2004年…11人
2005年…19人
2006年…12人
2007年…12人
2008年…11人
2009年…10人
2011年…12人
2013年…8人
2015年…9人
2017年…11人
2019年…12人
2022年…14人
2024年…14人
分野別の受賞者数
アニメーション…61人
映画…85人[脚注 5]
テレビ…54人
演劇…1人
音楽…25人
声優…28人
衣裳デザイン…1人
イマジニアリング…45人
アトラクション…14人
パークス&リゾーツ…28人
出版…12人
コンシューマープロダクツ…12人
経営…12人
創業一族…3人
初の受賞者
初の女性受賞者
ジュリー・アンドリュース(1991年受賞)
メアリー・ブレア(1991年受賞)
初の日本人受賞者
高橋政知(1998年受賞)
横山松夫(1998年受賞)
その他の記録
夫婦ともに賞を受賞
マーク・デイヴィス(夫・1989年受賞)とアリス・デイヴィス(妻・2004年受賞)
アルフレッド・ミロットとエルマ・ミロット(1998年・夫婦での共同受賞)
ウェイン・オールウィン(夫・2008年受賞)とルシー・テイラー(妻・2008年受賞)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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