この項目では、ギリシャの地名・遺跡について説明しています。人物については「シュラクサイのディオン」をご覧ください。
ディオン遺跡の住居跡
ディオン(古希: Δ?ον、英: Dion, Dio)は、ギリシャのピエリア平野にある地名。神々の居城オリュンポス山の景勝地として有名であり、その北東麓には、マケドニア王国によって運営されたゼウスとムーサイを祀る神域が広がっている。このディオン遺跡は現在アーキオロジカル・パークとして整備されている。ディオンという名称は、「ゼウス」という単語の属格である"Διο?"に由来しており、神々の王との関係がとりわけ深い遺跡となっている。 紀元前5世紀頃、マケドニア王アルケラオス1世によって、ディオンはマケドニア王国にとって最も重要な神域に改革された。アルケラオスはギリシャ南部のポリス文化を積極的に受容し[1]、その一環でオリンピアで行われた古代オリンピックを模してディオンに導入した。これは「ディオンのオリンピック」と呼ばれ、ゼウスとムーサイを讃えるこの大祭典は、ギリシア中にその威光を轟かせた[2]。 ゼウス・オリュンピオス神域 紀元前4世紀頃になると、このディオンは軍事基地としての性格も帯びるようになり、出陣式や戦勝式などもここで執り行われるようになっていった。マケドニア王国飛躍の基盤を築き上げたピリッポス2世も、激烈な包囲戦の末にオリュントス
目次
1 歴史
2 エウリピデス悲劇
3 関連項目
4 参考文献
歴史
エウリピデス悲劇 ディオン遺跡にある劇場
ディオンにある劇場は、人工的な盛り土によって作られたギリシアにおいて珍しいものであるが、ここで晩年のエウリピデスが紀元前5世紀末に悲劇を上演した。ペラで完成した「バッコスの信女たち」や「アルケラオス」が披露された。この劇場のオルケストラには地下通路もあり、冥界からの登場といった演出に使われたのだろう。この劇場は、ローマによって新しい劇場が近くに作られるにあたって、徐々に使われなくなっていった[4]。
関連項目
古代オリンピック
ネメア祭
ピューティア祭
イストミア祭
参考文献^ ヘロドトス『歴史』
^ 周藤芳幸、沢田典子『古代ギリシア遺跡事典』
^ ディオン現地、ゼウス・オリュンピオス神域前に立っている看板より
^ 周藤芳幸、沢田典子『古代ギリシア遺跡事典』
更新日時:2017年12月5日(火)04:34
取得日時:2018/09/25 12:19