ディアスポリス_異邦警察
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ディアスポリス 異邦警察
ジャンル
ミステリーアクション
漫画
原作・原案などリチャード・ウー
作画すぎむらしんいち
出版社講談社
掲載誌モーニング
レーベルモーニングKC
発表号2006年26号 - 2009年47号
2016年26号 - 35号
巻数全15巻 + 単巻
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『ディアスポリス 異邦警察』(ディアスポリス いほうけいさつ、Real TOKYO UnderWorld)は、漫画・すぎむらしんいち、脚本・リチャード・ウーによる青年漫画作品。『モーニング』(講談社)に2006年26号から連載を開始した。最終章である「ディアスポラ=異邦人」篇最終話の2009年47号を以て連載は完結していたが、TVドラマ化に連動して2016年26号から35号にかけて本編完結後の正式続編となる新章「999」篇が発表された。
概要

東京にいる密入国外国人約15万人。悪い奴もいるが、難民認定を受けられず貧しい生活をしている者も大勢いる。そんな力を持たない異邦人達が自分達を守るため、密入国異邦人による密入国異邦人のための秘密組織・異邦都庁を作り上げた。そこには金融庁の関与しない銀行、厚労省の認可しない病院など、何でもある。無論警察も存在する。これは、そんな異邦都庁でただ一人の警察官・久保塚早紀の活躍を描いた物語である。
主な登場人物
久保塚 早紀(くぼづか さき)
異邦警察署長。年齢・国籍不明(
ミャンマーに長期滞在した説あり)。アフロヘアーと矢印形に剃り込まれたあごひげが特徴。普段の態度はぶっきらぼうだが、内面は熱い正義感と人情の持ち主。卓越した語学力の持ち主で、会話の訛りやイントネーションからその人の来歴を探り当てる特技を持つ。腕っぷしは強くないが、持ち前の機転と勇気で裏都民の治安を守りつづけている。"寒い国から来た男"編でユーリ・ビタエフからロシアの総合格闘術「システマ」を伝授され、戦闘能力が飛躍的に高まった。
鈴木 博隆(すずき ひろたか)
日本人。東大卒で大手銀行マルハ銀行の行員だったが、上層部(悪徳都知事の暁天ら)から五十億円横領の罪を一身に被らされ逃亡中に異邦都庁に拾われ、顔を整形して久保塚の部下となった。小柄で太った体系。小心で、正義感や任務の遂行より己の保身を優先する情けない性格だが根は善人。見た目どおりの大食漢で、暇さえあれば常に何か食っている。特にラーメンが好物。銀行マンとしては有能だったようで、異邦都庁の会計監査役を任された際には札束を寸分の狂いもなく勘定していた。趣味は昔に流行した漫画本の収集。同じく昔の映画オタクでもあり、その手のウンチクに詳しい。
裏都知事
本名コテツ。年齢不詳。ミャンマー人。アロハシャツにサングラスという出で立ちで、葉巻を常にくわえている。もっぱら賄賂だと噂される豊富な資金力で、現在2期連続で裏都知事の職に就いている。女好き。金にがめつい守銭奴だが、裏都庁が危機に陥った際には私財を投げ打つ事も惜しまない。7人の子供がいる。影の警察と癒着し、都知事に再選するための資金を得る代わりに久保塚らを抹殺する取り決めを交わしていたことが発覚し一時失脚するが、得た金で逆に影の警察の情報を収集していた。カルロスに拉致され殺され掛かるが、阿の活躍と久保塚の奮闘によって無事救出される。
イサーム
元は北アフリカ出身のテロリストだったが、現在は足を洗って裏都知事のボディーガードに。普段はターバンとマスクで顔を覆っているが、その素顔は大変な美貌である。ショーテルの使い手で、鈴木はその姿をガンダムサンドロックみたいだと評した。裏都民最強の女戦士として、久保塚たちの危機を幾度となく救っている。
阿(アー)
裏都庁助役。中国系。故国で悪徳警官を成敗したことから国を追われ、裏都庁へと流れ着く。害虫駆除の会社ゴキブリ・スズメバチ駆除 アーさんの店を経営している(名目上のオーナーは日本人・八馬だが)。そのため害虫の習性には詳しく、行動を起こす際は常に準備を怠らない抜け目ない性格。裏都知事の座を虎視眈々と狙っているが、言動がセコイため人望は薄い。口は悪いが情に熱い熱血漢であり、義理堅い。故郷に生き別れた妻と弟がいる。影の警察編では、拉致された久保塚を助ける為、鈴木と共に敵のアジトへ大量のスズメバチを放し、犬崎を策にはめて殺害するという活躍を見せた。立候補した裏都知事選のさ中、コテツが影の警察と癒着している場面を目撃し監禁されるが、後にコテツが影の警察の弱みを掴むために動いていたことを知り、誤解は解ける。影の警察のトップである警視の元へ潜入し、久保塚とカルロスの決闘によって裏都庁への不可侵条約を交わさせることに成功したが、その帰路、久保塚に敗北したカルロスに待ち伏せされ、刺殺される。死後に遺品の中から、八馬とコテツへの悪口を書き連ねた遺書と、久保塚への気遣いと激励を吹き込んだテープが発見された。
邱(チュウ)
中国人。裏都庁の医者だが、不法入国者のため当然無免許である。専門は検死医で、そのため生きている人間を診るのは苦手らしく、裏都民の間ではヤブ医者ともっぱらの評判である。
裸の王様
大柄で長髪の謎の男。裏都庁の壊滅をもくらみ、さまざまな人物に接触し情報や知識を授けて裏都庁への攻撃を仕掛ける。
「闇の奥」篇
あらすじ

近頃裏都庁では、不法滞在者が腎臓を奪われるという事件が多発していた。久保塚と新しく裏都庁の警察官となった鈴木は、第3の被害者である胡の証言をもとに事件の調査を開始する。
登場人物
胡志雄(フー・シージョン)
広東省出身の中国人。借金を返すため日本に2年間不法滞在しており、整形して鼻を高くしている。腎臓事件の被害者の1人。「『中国人は皆
クンフーをやっている』との期待に応えるため」、クンフーに習熟している。
ドクター・ロドリゲス
有名な整形外科医。元はハリウッドスター専門の整形外科医であったが、とある女優に恨まれ、マフィアに殺されかけてからは日本に潜伏している。
謎の女
背の高い美しい女性。胡や他の不法入国者を狙い、腎臓を奪う事件の犯人と思われる。
「黒く長い腕」篇
あらすじ

某国から逃げてきて日本の名古屋に不法滞在するマウン一家は、中国人留学生葉の家の押し入れでひっそりと暮らしていた。ある日マウンの妻エイドラは、葉によって娘ソーミョーを幼女売春組織に売られてしまったことを知る。ソーミョーを連れ葉の元から逃げ出すマウンたちは、組織の追っ手黒長臂(ハッチョンベイ)に殺されることを恐れ、久保塚の助けを求めに東京へ向かう。
登場人物
マウン
南アジアの某国出身。元は教師をしていたが、
軍事政権の樹立により知識層の迫害が始まった事から亡命を余儀なくされ、妻のエイドラ、そして娘のソーミョーとともに日本へと渡る。
黒長臂(ハッチョンベイ)
幼女売春組織に雇われた殺し屋。その名前は、広東語で「黒く長い腕」を意味する。非常に執念深く、狙った獲物はどこまでも追いかけて必ず始末する。剣術の達人で、その腕前はイサームをもしのぐほど。拷問も得意で、浅い傷を千回以上切り刻み、生きたままミンチにするという残酷な方法を好む。


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