テート・モダン
[Wikipedia|▼Menu]

テート・モダン
Tate Modern


施設情報
正式名称Tate Modern
専門分野絵画・彫刻・インスタレーション等
来館者数5,839,197人 (2016年)[1]
開館2000年
所在地ロンドン Bankside, London SE1 9TG イギリス
位置.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯51度30分28秒 東経0度05分57秒 / 北緯51.50778度 東経0.09917度 / 51.50778; 0.09917座標: 北緯51度30分28秒 東経0度05分57秒 / 北緯51.50778度 東経0.09917度 / 51.50778; 0.09917
外部リンクwww.tate.org.uk/visit/tate-modern
プロジェクト:GLAM
テンプレートを表示
テート・モダンの煙突。頂上の「スイス・ライト」(Swiss Light)はスイス政府の援助で、マイケル・クレイグ=マーティンと建築家ヘルツォーク&ド・ムーロンによりデザインされた。

テート(テイト)・モダン(: Tate Modern ⇒発音例)は、イギリスロンドンテムズ川畔、サウス・バンク地区にある国立の近現代美術館テート・ブリテンなどとともに、国立美術館ネットワーク「テート」("Tate")の一部をなしている。入場無料。

スペースの不足に悩まされていたテート・ギャラリーが産業遺産であるバンクサイド発電所を買い取り、煉瓦造火力発電所を修復・再利用して、英国最大の近現代美術館に生まれ変わらせた[2]。屋上にレストランなどのガラスの空間を増築している[2]
沿革ミレニアム・ブリッジから見たテート・モダン

テート・モダンは以前「バンクサイド発電所」だった建物を改造している。もともとの発電所は、イギリスの赤い電話ボックスバターシー発電所の設計で有名なサー・ジャイルズ・ギルバート・スコットの設計によるもので、99mの高さの煙突をもち、1947年1963年の二度に分けての工事で完成したものである。テムズ川をはさんで向かいは金融街シティ・オブ・ロンドンで、セント・ポール大聖堂が聳え立つなど立派な街並みであるが、南側のサウス・バンクは長年ロンドンの裏方的な存在の工場・倉庫街であり、この発電所も戦災復興の際にロンドンの電力不足を解消するために急遽建てられたものだった。発電所は1981年に閉鎖され、変電所の機能だけが残るほかは役目を終えたぬけがらとなっていた。建物を保存せよという市民の声はあったが、歴史的建築物リストへの掲載は拒否され、1993年の段階では機械搬出のために建物の一部取り壊しが始まるなど保存の見通しは絶望的な状態であった。

一方、テムズ川上流のミルバンク地区にあるテート・ギャラリー(現テート・ブリテン)はイギリス美術および世界の近代・現代美術の美術館として運用されていたが、展示・収蔵スペースの不足に悩まされたため、1980年代にスペース拡充と役割分担のため近現代美術館の機能を新しい建物に移す計画が立てられた。十分に大きい展示面積をもつ建物の新築費用をどう調達するかと、それだけの建物を建てられる土地がロンドンの交通至便な場所に残っているか否かが最大の問題であったが、理事会はシティの対岸の荒廃した地区にある発電所建物に目を付け、1994年春、これを改造して再利用することが発表された。同年夏に安藤忠雄などが参加した建築設計競技の結果、1995年1月にスイスの新鋭建築家コンビ、ヘルツォーク&ド・ムーロンの案が勝利したことが発表された。

発電機のあった巨大なタービン・ホールを大エントランスホールにして、屋上に採光窓やレストランなどのあるガラス張りのフロアを設けるなどの工事が行われ、2000年5月12日ミレニアムを祝う新施設[注 1]の一つとしてオープンして以来、地元の人々や観光客に非常に人気のあるスポットとなっている。
展示室

テート・モダンの7階建て、3,400平方メートルのエントランス『タービン・ホール』。かつて発電機があった場所。テート・モダン最上階のレストランより、テムズ対岸のシティ・オブ・ロンドンの眺めテート・モダン全景

発電所建物を再利用した本館は、後述の新館「スイッチ・ハウス」開館後に「ボイラー・ハウス」という名をつけられることになった。「ボイラー・ハウス」は7階建てで、メインエントランスやタービンホールやミュージアムショップは0階(レベル0)に、テムズ川からの入り口やカフェなどは1階に、展示室は2階、3階、4階に位置する。最上階の6階はテムズ川を望むレストランになっている。階の数え方は2012年の拡張時に1?7階から0?6階に変更された。

常設展示は2階、3階、4階で行われる。開館当初は2階と4階が常設展示室で、4つのブロックに「風景」・「静物」・「人体」・「歴史」という4つのテーマが振り分けられていた。時代順ではなくテーマごとの展示が選ばれたのは、異なった時代における共通する表現を見出すという意図や、忙しい観客がどれか一つのブロックしか見ることができなくても20世紀の美術運動や有名作家を一通り見ることができるようにするという配慮があった。しかし2006年より常設展示の方法が大きく変わり、3階の企画展示室の一部が常設展示室となり、5つのブロックがそれぞれいくつかの美術運動に焦点をあてた5つのテーマへと再構成された。3階には、テート・モダンのコレクションの中でも知られたもののひとつであるマーク・ロスコシーグラム壁画を集めた「ロスコ・ルーム」がある。

また、企画展示は2階と3階で行われる(この部分のみ有料である)。建物のエントランスホールである長大なタービン・ホールも、期間を区切った企画展示に使われている。
タービンホール

テート・モダンの特徴であるタービン・ホールはかつて大型発電機が置かれていた空間で、建物と同じ7階分に相当する高さと3,400平方メートルの面積がある[3]。このホールでは毎年10月から3月まで、現代美術家に依頼して制作されたインスタレーション作品の展示が行われる。このシリーズは最初はユニリーバ社の提供で、開館から5年間の予定であったが、毎回ホールの空間全体を使った巨大な展示で人気が高いため、2012年まで延長して開催されることになった[4]

ユニリーバによるシリーズが終わった後は、タービンホールはダミアン・ハーストの作品展示やクラフトワークのライブ会場などとして使われた。2013年、テート・モダンは現代自動車(ヒュンダイ)と契約を結び、ヒュンダイはテート・モダンに500万ポンドを提供し、テート・モダンは10年間にわたり、毎年一名の現代美術家に対して、タービンホールで展示する作品制作を依頼するというプログラムを継続することとなった。この支援は、ひとつの美術館に対するものとしては当時イギリス最高額の支援であった[5]。ヒュンダイ・シリーズは2015年10月より開始された。

タービンホールで依頼作品を展示した作家は以下のとおり。

2000年 ? ルイーズ・ブルジョワ - 『ママン(Maman)』『アイ・ドゥー(I Do)』『アイ・アンドゥー(I Undo)』『アイ・リドゥー(I Redo)』

2001年 -フアン・ムニョス(英語版) - 『ダブルバインド(Double Bind)』

2002年 - アニッシュ・カプーア - 『マーシャス(Marsyas)』

2003年 - オラファー・エリアソン - 『ウェザー・プロジェクト(The Weather Project)』

2004年 - ブルース・ナウマン - 『ロウ・マテリアルズ(Raw Materials)』

2005年 - レイチェル・ホワイトリード(英語版) - 『エンバンクメント(Embankment)』

2006年 - カールステン・フラー(英語版) - 『テスト・サイト(Test Site)』

2007年 - ドリス・サルセド(英語版) - 『シボレス(Shibboleth)』

2008年 - ドミニク・ゴンザレス=フォルステル(英語版) - 『TH.2058』

2009年 - ミロスワフ・バウカ(英語版) - 『How It Is』

2010年 - アイ・ウェイウェイ - 『Sunflower Seeds』

2011年 - タシタ・ディーン(英語版) - 『Film』

2012年(7月-10月) - ティノ・セーガル(Tino Sehgal) - 『These Associations』

2015年 - アブラハム・クルズヴィエイガス(英語版) - 『Empty Lot』

2016年 - フィリップ・パレーノ - 『Anywhen』


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:22 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef