テレパシー少女「蘭」事件ノート
小説
著者あさのあつこ
イラスト塚越文雄
『テレパシー少女「蘭」事件ノート』(テレパシーしょうじょ らん じけんノート)は、あさのあつこによる日本の児童文学作品。イラストは塚越文雄が担当。1999年より始まり、青い鳥文庫(講談社)から刊行されている。
2008年6月から12月まで『テレパシー少女 蘭』の題名で、NHK教育テレビにてテレビアニメが放送された。 至って普通の中学生・磯崎蘭は超能力を持っているが本人にその自覚は無かった。しかし、転校生・名波翠にテレパシーで話しかけられたことで自分が超能力者だと気づく。それ以来、彼女の周りで奇妙な事件が起こり始める。 蘭は翠や幼馴染の綾瀬留衣と共に調査に乗り出す。 ※声優名はドラマCD版 / テレビアニメ版の順。なお、「未登場」はドラマCD版には登場しなかったことを示し、声優1名だけの表記の場合はドラマCD版とテレビアニメ版と共通であることを示す。
ストーリー
登場人物
磯崎 蘭(いそざき らん)
声 - 明坂聡美 / 加藤英美里[1]主人公。留衣のことが好きで、両思い。明るく元気な中学生。兄の影響で柔道が得意。得意科目は体育と音楽で数学は苦手。趣味は盆栽。特別頭脳明晰というわけではないが勘が鋭く、時には翠や留衣も思いつかないような妙案を思いつくことがある。人を信じ、思いやれる優しさとあたたかさを持つ。翠とは最初の出会いから険悪であったものの、後に仲良くなる。超能力に気づいたのはごく最近で、使い方は未熟[2]。
名波 翠(なは みどり)
声 - 植田佳奈[1]凛には標準語で猫を被っているが、ふだんは関西弁[3]。頭がよく事象に関して冷静かつ鋭い観察と分析を行うことができる。成績もよく体育と音楽以外オール5。非常に計算高く問題解決のためなら超能力を使うことも厭わないが、人を操って自分の思い通りにするなど卑劣なことは絶対にしないという彼女なりのプライドを持っている[4]。とても美人だが男性の趣味は少々変わっており、肉体派な男性タイプ。蘭の兄である凛に一目惚れし、以後も想い続けている。性格はがめつくひねくれているが繊細でもあり時には優しい。超能力のことで両親に疎まれた過去を持ち「人間モドキ」「化け物」といった言葉に敏感。それ故、人付き合いはあまり良いとは言えず、友達にも恵まれなかったが、蘭との出会いで少しずつ変わっていく[5]。元通りとはいかないものの、両親との関係も修復しつつある。蘭と共に大食いで、好物はたこ焼きとするめ。音痴であり、妙に小節をつけて歌う。ややステレオタイプな関西人像で描かれている。
綾瀬 留衣(あやせ るい)
声 - 福山潤 / 下和田裕貴[1]頭がよく無口な、蘭の彼氏的存在。本人も気づかない不思議な力を持つ[6]。性格は生真面目かつ優しく奥手な性格。成績は学年トップで、美術部に所属している。蘭や凛など一部の人間を除いて人と話すことが苦手。話すときも言葉を選び選び話すため会話のペースは非常にゆっくりで他人からいらつかれることも。が、感情が昂ぶったときや間違っていると思った時には平素話す上で苦手としている相手にも毅然とした意見を言うこともある。