テッド
Ted
監督セス・マクファーレン
脚本セス・マクファーレン
アレック・サルキン
ウェルズリー・ワイルド
『テッド』(英語: Ted )は、セス・マクファーレン監督・脚本・製作、マーク・ウォールバーグ、ミラ・キュニス、マクファーレン主演による2012年のアメリカ合衆国のロー・ファンタジーコメディ映画。
コメディ映画だが内容はブラックコメディ寄りで、過激な描写や汚い言葉が多数使われていることから、R指定されている国が多い。日本では2013年1月18日にR15+指定で字幕版と日本語吹き替え版が公開され、その後7月5日に「大人になるまで待てない! バージョン」と称し、通常版をファミリー向けに再編集した日本語吹き替え版がPG12指定で公開された。
マクファーレンの長編映画監督デビュー作であり[2]、メディア・ライツ・キャピタルが製作し、ユニバーサル・ピクチャーズが配給した。 1985年のクリスマス・イヴの日、ボストン郊外に住むジョン・ベネット少年はサンタさんに「一人でいいから親友がほしい」と祈る。翌朝プレゼントでもらったテディベアに『テッド』と名付けてかわいがり、さらに命が宿るように祈るとそれが叶うのであった。以後、ジョンは命を吹き込まれたテッドと親友となり共に暮らし成長する。そして月日は流れ27年後の2012年、ジョンは35歳になり、テッドは見た目は変わらないものの中身はすっかりオッサンのようになってしまう。 会社員となったジョンは親元を離れて親友のテッドと、ジョンの恋人・ロリーの“3人”で暮らしている。かつて「生きているぬいぐるみ」としてマスコミに取り上げられ、国民的キャラクターとして一世を風靡したテッド。しかし年と共に中年になったテッドは、今や落ちぶれ、酒と女とマリファナ漬けの日々を送っていた。一方、35歳になったジョンは職場で昇進話が出るも仕事に身が入らず、休日にはテッドと共にマリファナを回し飲みし、子供の頃のように『フラッシュ・ゴードン』のビデオを見ては一日中ダラダラと過ごしている。しかも、雷が鳴るといまだにテッドが一緒じゃないと眠れない、いつまでたってもガキのままであった。 ロリーは、ジョンがいつまでも大人になれず、結婚する決意もできないのは、テッドと一緒に暮らしているからだと考えるようになる。進展しない2人のすきを突いて、ロリーは上司・レックスから口説かれてうんざりしている。ある時テッドとジョンが散歩中にテッドのファンの男性・ドニーと出会い、「テッドを売って欲しい」と言われるがもちろんそんな話には乗らない。交際4年目の記念日の晩、ジョンとロリーが食事を終えて帰ると、何人もの売春婦を呼んで乱痴気騒ぎをしているテッドに、ついにロリーの怒りが爆発した。ロリーに促されたジョンは、テッドに家を出るよう提案し、2人は初めて離れ離れの大人の生活を始める。 いざ離れて暮らすジョンだったが、勤務中にテッドから遊びに誘われて作り話をでっち上げて会社を早退してしまう。その夜、そのことがバレてロリーに叱られたジョンは、決意を新たに精神的に大人の男になると宣言する。数日後、レックスの豪邸で開かれるパーティーに招待されたロリーとジョンだった。そこへテッドからまたしても遊びに誘われたジョンは今度こそ断ろうとするが、憧れの俳優サム・J・ジョーンズと一緒にいると聞く。その言葉にジョンはレックスに頼んで「30分で戻るからロリーには内緒にしてくれ」とテッドのもとへ。その後テッドたちと楽しい時を過ごしたジョンが我に返った頃には約束の時間をとっくに過ぎ、パーティーを抜け出したことがロリーにバレてしまう。 言い訳をするも一方的にロリーから別れを告げられたジョンは、彼女と別れた責任をテッドに押し付ける。2人は殴り合いのケンカの末和解し、テッドはジョンとロリーのよりを戻す方法を考える。後日レックスとデートに行ったロリーの後をつけたジョンとテッドは、二人が親密になるのを阻止。翌朝、テッドはロリーに会って謝罪し、ジョンにもう一度チャンスを与えてほしいと頼む。ロリーと別れた直後一人でいたテッドは、ドニーによって誘拐されてしまい、監禁された部屋から脱出を試みる。
ストーリー
登場人物
テッド
ジョンの親友で、出会って27年目になる。中年男性の声になり、日常会話で下ネタやブラックジョークなど下品な言葉を使うようになっている。また売人から手に入れたマリファナ(日本版では「毒キノコ」)をやったり、女性とエッチなことをしたりと本能のままに生きる。ジョンのケータイの自身の着信メロディは、ナイトライダーのテーマ曲が使われている。兄弟のようにいつも2人で仲良く過ごしているが、あくまでも互いに「親友」と語っている。体の大きさは子供並みだが、見た目のフワフワした質感に反して時に大人でも打ち負かしてしまうほどの腕力を持つ。自堕落な暮らしをしていたが、ジョンの家を出て、スーパーに就職し一人暮らしを始める。
若年期のテッド
当初普通のくまのぬいぐるみだったがジョンの願いにより命が宿る。テディベア人形の名称から最初の頃は『テディ』と名付けられるが、いつの間にか『テッド』と呼ばれるようになる。ハグをすると「だいちゅきー(大好き)!」と自動音声が流れる。言葉遣いは、子供のような愛くるしい声と言葉遣い。ジョンと出会った数日後にテレビのニュースで「(話して動ける)奇跡のテディベア」として伝えられ世間に知れ渡る。
ジョン・ベネット
35歳。レンタカー店に勤務する従業員。付き合って4年目の彼女・ロリーに愛情はあるが、結婚に踏み切れずにいる。見た目も気も悪くないが、自堕落で優柔不断で責任感がなく子供っぽい性格。支店長昇進の話が打診されているが、彼自身は仕事に身が入らぬ模様で今が楽しければいいという考えの持ち主。ダンスと歌と雷が苦手。テッドは「27年間ずーっと一緒の親友」なため、離れて暮らそうとは一度も考えた事はない。映画『フラッシュ・ゴードン』やドラマ『チアーズ』の大ファン。テッドが自宅で複数の売春婦と乱痴気騒ぎを起こしたことが原因でロリーの怒りを買い、テッドと別居する。
若年期のジョン・ベネット
8歳。友達が一人もおらず、近所の子供たちから仲間外れにされている。自分に自信がなく内向的な性格。クリスマスに両親から贈られたテディベアに命が宿るよう願い、魂が宿ったテッドと友人になる。子供の頃から雷が苦手で、テッドと二人で「オレたちは『雷兄弟』だから雷も落ちてこない」と雷除けのまじないとして呼び合い、その後は二人の絆を確かめ合う意味でも使っている。
ロリー・コリンズ
ジョンの恋人で同棲している。広告会社の幹部社員として働くキャリアウーマンで才色兼備な女性。ジョンの好きな所は「心が広くて面白い所」。ただしジョンが精神的に大人になりきれていないことにやや不満を持っている。同居するテッドともそれなりに仲良く過ごしているが、本音はジョンと二人の生活がしたいと考えている。ジョンのケータイの自身の着信メロディは、『ダース・ベイダーのテーマ』が使われている。職場の上司から毎日のように自慢話を聞かされたり言い寄られていることに嫌気が差している。ペンシルベニア州出身。
レックス
ロリーの上司で社長の息子。自身の輝かしい高校時代や家にある高額な貴重品などの自慢話が大好き。「金持ちでハンサム」を自称。プライドの高さが邪魔をして素直になれない性格。ロリーに好意を寄せているため、彼氏であるジョンに見下した態度を取る。後日談で、ジョンがロリーと結婚したのを期にロリーを諦め会社を退社。後に重い鬱病になり、屁の爆発で他界したと説明される。
ガイ
ジョンの同僚。酔うと記憶がなくなるタイプ。女性と肉体関係を持っているが、途中で自分がゲイであることに気づく。
トーマス
ジョンが働くレンタカー店の支店長。自身は1ヶ月後にさらに昇進してジョンが次期支店長になる予定。