43Tc周期表
外見
銀白色
金箔を覆うテクネチウム99の粉末(電気めっき)
一般特性
名称, 記号, 番号テクネチウム, Tc, 43
分類遷移金属
族, 周期, ブロック7, 5, d
原子量98(0)?
電子配置[Kr] 4d5 5s2
電子殻2, 8, 18, 13, 2(画像)
物理特性
相固体
密度(室温付近)11 g/cm3
融点2430 K,?2157 °C,?3915 °F
沸点4538 K,?4265 °C,?7709 °F
融解熱33.29 kJ/mol
蒸発熱585.2 kJ/mol
熱容量(25 °C) 24.27 J/(mol・K)
蒸気圧推定
圧力 (Pa)1101001 k10 k100 k
温度 (K)272729983324372642344894
原子特性
酸化数7, 6, 5, 4, 3[1], 2, 1[2], -1, -3(強酸性酸化物)
電気陰性度1.9(ポーリングの値)
イオン化エネルギー第1: 702 kJ/mol
第2: 1470 kJ/mol
第3: 2850 kJ/mol
原子半径136 pm
共有結合半径147±7 pm
その他
結晶構造六方晶系
磁性常磁性
熱伝導率(300 K) 50.6 W/(m⋅K)
音の伝わる速さ
(微細ロッド)(20 °C) 16,200 m/s
CAS登録番号7440-26-8
主な同位体
詳細はテクネチウムの同位体を参照
テクネチウム(英: technetium [t?k?ni??i?m])は、原子番号43の元素。元素記号は Tc。マンガン族元素の一つで、遷移元素である。天然のテクネチウムは地球上では非常にまれな元素で、ウラン鉱などに含まれるウラン238の自発核分裂により生じるが、生成量は少ない。そのため、後述のように自然界からはなかなか発見できず、人工的に合成することで作られた。すなわち発見が自然界に由来しない最初の元素かつ最初の人工放射性元素となった。安定同位体が存在せず、全ての同位体が放射性である。最も半減期の長いテクネチウムはテクネチウム98で、およそ420万年である。 1947年にテクネチウムと命名された[3]。語源はギリシャ語の「人工」を表す "τεχνητ??"(technitos)。 イタリアのパレルモ大学では、パレルモのラテン名にちなむパノルミウム (Panormium) という名を提案していた。 周期表中でモリブデンとルテニウムの中間に空欄があったことから、19世紀から20世紀初頭にかけて、多くの研究者がこの43番元素を発見するのに熱中した。この43番元素は他の未発見元素と比べると簡単に発見できるだろうと思われていたが、1936年にサイクロトロンで合成されるまで得られなかった。
名称
発見の歴史
1828年 - 白金鉱石から発見された元素が43番元素であると発表され、 ポリニウム (polinium)と命名されたが、正体は不純物が混入したイリジウムであることがわかった。
1846年 - 43番元素が発見されたという報告が入り、 イルメニウム (ilmenium) という名前がつけられた。しかしこの元素の正体は不純物が混入したニオブであることがわかった。この誤りは1847年まで繰り返された。
ロシア帝国の科学者ドミトリ・メンデレーエフはこの43番元素をマンガンの1マス下にあることから「エカマンガン」と名付けた。
1877年 - ロシアの科学者セルゲイ・カーンが白金鉱石から43番元素を発見したと報告。カーンは有名なイギリスの科学者ハンフリー・デービーにちなんでデビウム (dabyum) と名付けた。しかし、それはロジウム、イリジウム、鉄の混合物であることが判明した。