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テクスチャマッピング (texture mapping) とは、3次元コンピュータグラフィックスで作成された3Dモデル表面に質感を与えるための手法。テクスチャ (texture) とは元来、織物の質感を意味する。
日本産業規格による翻訳では「きめ(肌理)写像」や「テクスチャ写像」[1]という直訳が割り当てられているが、これらのJIS用語がコンピュータグラフィックスの分野において実際に使われることはない。
概要左は400万ポリゴンの3Dモデル。中央はそれを500ポリゴンに削減したもの。右は500ポリゴンの3Dモデルにテクスチャマッピングを施したもの。わずか500ポリゴンでも遜色なく描画できており、その絶大な効果がわかる。
テクスチャマッピングの技法は1974年、エバンス・アンド・サザランド社 (Evans and Sutherland) の産業用シミュレーションCGの製作に携わっていた、ユタ大学のエドウィン・キャットマル (Edwin Catmull) らによって開発された[2]。
テクスチャは3Dオブジェクトの表面に壁紙のように貼り付けられ、ノン・テクスチャ・モデルとは比べものにならないほど質感の向上をもたらす。たとえば岩肌のテクスチャを不均等な多面体に適用すれば、多くの凸凹にポリゴンを使うことなく、現実感のある岩山を表現できる。実物を3Dモデル化する場合、細かな凹凸までモデリングしていたのでは、非効率的であるし不経済でもあるため、テクスチャマッピングが多くの場面で利用され、ポリゴン数の削減とパフォーマンスの向上に寄与している。
テクスチャ技法の欠点としては、レンダリング時の詳細度がテクスチャ画像の解像度に依存するため、テクスチャの解像度が十分でない場合、視点に近いポリゴンではピクセルが露呈してしまうことが挙げられる。この問題を解消するためにテクスチャの解像度を上げようとする場合、テクスチャを格納するために利用可能な記憶領域の容量とのトレードオフとなる。これはベクター画像に対するラスター画像のデメリットに相当する。
テクスチャの上の座標がテクスチャ座標であり、2次元ベクトル、または3次元ベクトルで示され、ベクトルの成分は多くの場合U, V, Wで示される[3]。テクスチャを物体に適用するためには、物体の各部分がテクスチャ上のどの部分を使用するかという情報が必要であり、これはテクスチャ座標で示される。このテクスチャ座標は正確にはピクセル毎に必要となるが、実際には処理速度確保のために頂点毎に計算され、ピクセル毎の座標は線形補間されることが多い。 テクスチャ座標はテクスチャのサイズを超える外側を指定することもできるが、その場合の画素値をどのように決めるかに関しては、いくつかの処理方法がある(クランプ・リピート・ミラーなど)。 2次元テクスチャの場合、テクスチャ座標は事前に設定されるか、次の手法により生成される。(なお、2次元テクスチャ座標は、U軸・V軸で表されることから「UV座標」とも呼ばれる) テクスチャを貼り付けた平面を物体が存在する座標系上に配置し、それを物体に投影する。投影する方向と面が垂直に近い場合、テクスチャは引き伸ばされ、歪みが大きくなる。 テクスチャを側面に貼り付けた円筒を座標系の上に配置し、それを物体に投影する。
テクスチャ座標
平面投影
円筒マッピング
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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